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これは
とある人間の
悲劇を綴った物語。
彼女は生まれながらにして貧乏だった。
大好きだった母は物心着く頃に他界し、
その悲しみから父は毎日酒と煙草を欠かさなくなり
ある日、アルコールによる持病の悪化で死んだ。
残されたのは彼女1人。
しかし、齢14の幼い彼女は
独りでは生きていけない。
彼女は親戚から生活費を貰っている。
無論、最低限の生活をする為の金だが
彼女にとっては生きる為の命綱だった。
料理や家事を全て自分で行い
お金が無いので服や洒落た小物などは一切持っていない
学校では親が居ない、貧乏、
それだけの理由で散々虐められた。
そんな彼女の願いはただ1つ
「普通の人みたいに幸せに暮らしたい。」
それだけだった。
ある日
スーパーに買い物に行った帰り
薄暗い路地裏の前で彼女は立ち止まった
美久
そこに居たのは、薄汚い狐だった
誰かに捨てられてしまったのだろうか
その狐が彼女には独りで寂しそうに見えた。
美久
彼女はその狐に好奇心を誘われ、
路地裏へと足を踏み入れた。
近くに寄ってみると
衰弱しきっていることが分かる。
生きているのか死んでいるのか
それすらも分からない程微動だにしない
彼女がゆっくりと頭を撫でると
その狐は目を薄らと開け
ぐったりとしたままだった。
可哀想だがこの狐を飼う余裕はない
彼女は買い物袋から食用の酒を出し
近くに捨てられていた器のような物に注いだ
そしてそれを狐の前に置き
手を合わせてから、彼女は帰ることにした。
彼女の母は、昔から神等を信じるタチで
狐等の動物をとても大切にしていた。
それを思い出し、彼女はそうしたのだろう。
次の日
朝起きると、彼女の腕には変な跡があった
傷でも痣でもない。
結局、それが何なのか分からず
そのまま学校に行く事にした。
歩道を歩いていると
急に黒猫が彼女の前を横切った。
黒猫がやって来た方を見てみると
猛スピードで車がこっちに来ていた。
気付いた時にはもう遅く
彼女は車に轢かれた
意識が朦朧とする中
やっとの事で目を開けると
彼女が彼女の頭を撫でて居た。
目を開けるとそこは
白くて無機質な部屋だった。
今まで私が何をしていたのかも
私が一体誰なのかも思い出せない
勿論、ここが何処かも分からなかった
少女
後ろから突然声がして
振り返ってみると
大きな円形の窓から
外を物憂げに眺める紫の髪の少女が居た
少女
いきなり質問され、困惑していると
少女は眉目を細め
もう一度言った。
少女
少女
??
自分が誰かすらも分からないのに
この質問にだけは、何故だか答えられる
??
少女
少女
少女
少女
少女はそう言うと黙って私に背を向けた
少女
??
少女
少女
そう言うと少女はくるりと振り返り
私に向かって微笑んでこう言った
少女
「人生は選択の連続」
誰が最初に言った言葉なのだろうか。
これは、悲劇の末、
私の
僕の選んだ大きな選択の末手に入れた
「普通」の幸せ
過去を完全に忘れ
あの少女や新しい仲間と共に平凡な日常を送る。
いつか、この平凡な日常を忘れてしまう時もあるだろう
それでも僕は
あの時の少女の微笑みを忘れないだろう。
美しい月が空に浮かんだ日
美久は変わった。
僕の名前は、
美月璃久だ。
コメント
12件
投稿したから見て、、
そういやエンゼリカ(デモニカ)言ってたなーって思って入れた()
なんか回収出来てない伏線があるよーな? 一応説明。美久さんは死んだ時狐と自分がごっちゃになって少女さんと出会う時は狐人間みたいになってますっす。少女は璃久(美久)さんが前世(過去)に何があったか知っていて、それで置いて忘れたまんまにさせたって感じです。