テラーノベル
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5
レイの部屋は静かだった。 古い冷蔵庫の音。 窓を叩く雨。 薄暗い間接照明。 それだけ。 ノアはソファに寝転んだまま、 ぼんやり天井を見ていた。 傷は応急処置だけ済ませてある。 シャツは脱がされ、 鎖骨から胸元にかけて黒いタトゥーが露わになっていた。 レイはキッチンで煙草を咥えながら、 ブラックコーヒーを淹れている。 その背中を見ながら、 ノアは小さく笑った。
ノア
レイ
ノア
レイは答えない。 ノアは目を閉じる。 昔、 まだレイが組織にいた頃。 この部屋には、 ハルもいた。 夜中に勝手に入ってきて、 酒を飲んで、 煙草吸って、 くだらない話をして。
一気づけば朝になっていた。 レイがコーヒーを置く。
レイ
ノア
レイ
ノア
ノアはマグカップを受け取り 一口だけ飲んで顔をしかめた。
ノア
レイ
ノア
レイは小さく息を吐く。 その時だった。 テーブルの上のスマホが震える。 レイのじゃない。 ノアのだった。 画面には、 “MINATO” の文字。 ノアは少しだけ眉を寄せる。 出る気はなかった。 けれど、 スマホは何度も震える。 レイが静かに言った。
レイ
ノア
レイ
ノアは舌打ちをして電話をとった
ノア
ミナト
ミナトの軽い声。 その後ろで、 クラブみたいな騒音が聞こえる。
ミナト
ノアの目が少し細くなる
ミナト
ノア
ミナト
ノア
ミナトは笑う。 けれど次の瞬間、 声色が少し変わった。
ミナト
部屋の空気が静かに冷えた。 レイの視線が、 ゆっくりノアへ向く。 ノアは何も言わない。 ただ煙草を探す。
ミナト
ノア
ミナト
ノア
ミナト
その瞬間、 ノアの表情が消えた。 電話越しに、 ミナトがため息を吐く。
ミナト
ミナト
通話が切れる。
数秒、静寂。 レイは窓際で煙草に火をつけた
ノア
ノアはソファで笑う
レイ
ノア
レイ
レイは煙を吐く。 紫がかった空の中、 その横顔だけが静かだった。
レイ
ノアは一瞬だけ目を見開く。 それから、 少し嬉しそうに笑った。
ノア
レイは答えない。 けれど、その沈黙が何より答えだった。
コメント
1件
いやー、今回めっちゃ良かった……! ノアとレイの距離感が絶妙で、「まだこの部屋住んでたんだ」→「別に引っ越す理由ない」っていう空気感に一気に持っていかれたわ。最後の「独占欲?」→沈黙のやり取り、グッと来すぎて叫びそうになった。ミナトの軽い口調と裏にある圧も怖くてジワるし、ジンって誰だよ……続き気になりすぎる!!🔥