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お待たせしました😳😳 第7章「卒業」編 開幕でs……そうですね…ストーリー忘れたわと言う方もいらっしゃるかもしれません😳 吉田母が「卒業パーティー」を提案し、吉田がその開催を反対したのが第5章です。そして第6章でいろいろあり、吉田は孤立してしまいました。 隔週更新なのに、いろいろドロドロしすぎです😳 そして非リア弟のプロフ欄は、ハロウィンイラストに差し変えました😳
保険室の先生
西谷 春翔
保険室の先生は、俺の左手に絆創膏を貼りながら、ため息を吐いた。
保険室の先生
保険室の先生
西谷 春翔
西谷 春翔
保険室の先生は救急セットを片付ける手を止め、ぱちくりと瞬きを繰り返した。
保険室の先生
西谷 春翔
保険室の先生
西谷 春翔
「卒業パーティー」とは、 2月頃 吉田くんのお母さん達が提案した、卒業式後に行われる立食パーティーだ。
しかし吉田くんの猛抗議で開催は見送られた。 __だけど俺としては卒業生たちに労いの言葉をかけたい、と言う思いが消えず
写真撮影会のような物を開催しよう、と言う事を職員会議で提案した。(もう3月に入ってしまったので立食パーティーは諦めた)
生徒たちにはコスプレ服などを持ち寄ってもらい、演劇部や生徒会の小物を使ってSNS映えしそうな写真を撮る、と言う趣旨だ。
準備にもそんなに時間はかからないし、何より生徒たちの反応が良かったので、俺の案は採用された。
言い出しっぺの俺は、毎日2時間ほど早く出勤して、自主的にDIYに励んでいたのだが
今日は糸ノコで木ではなく指を削ってしまった、と言うわけだ。
保険室の先生
保険室の先生
西谷 春翔
保険室の先生は救急セットを棚に戻し、背を向けたまま 小さく呟いた。
保険室の先生
西谷 春翔
保険室の先生
音がしそうなほど勢い良く、保険室の先生は首のあたりまで赤くなった。
保険室の先生
保険室の先生は一気にまくし立てると、バタバタと保険室をあとにした。 ……残された俺はと言うと
西谷 春翔
手の震えが止まらなかった。 思考を占めるのは、お正月に引いた大吉のクジ___…
ガラッ
西谷 春翔
吉田 響
西谷 春翔
西谷 春翔
吉田 響
吉田くんは不機嫌そうに答えると、リュックから体操服の上下を取り出すと手近な机に置いた。
西谷 春翔
俺はようやく察した。 __数日前、吉田くんはかつての「友達」をカッターで切りつけた。
それがきっかけで、吉田くんは孤立してしまった。 保険室から体操服を借りるほど…。
続く言葉を言いあぐねていると、俺の内心を見透かしたように吉田くんは遮った。
吉田 響
吉田くんは体調不良者用のベッドに歩み寄った。 ベッドに寝転がると、牽制するように周りのカーテンを強く引く。
……3年の1、2時間目は卒業式練習だ。吉田くんは…
吉田 響
西谷 春翔
ここで熱い言葉をぶつけるのが、正しい選択とは限らない。 全ての人に響くわけではないのだ。昔の俺みたいに。
中澤先生なら そっとする筈だ。 ____出口に向かう俺を
吉田 響
小さな、迷子の子供のような声が撫でた。
吉田 響
西谷 春翔
吉田 響
その声に、憐れみの色は1ミリも浮かんでいない。
ゴシップに興じ、人の不幸を舌の上で転がしている。 厭(いや)な感じだ。
卒業式練習の後、体育館から教室に戻る道中。 下駄箱には、いつかの中傷ビラが貼られていた。
吉田 達の常套手段だ。 紙面に踊る文字は、その吉田だが。
鳴沢 柚月
隣を歩く柚月の足が止まった。 俺の足も止まる。
……思い出されるのは、あの夜の、封筒を渡した時の吉田 響の顔だ。
山崎 孝太
俺は____
三津屋 篤
背後から、優等生の声。
__集団の後方を歩いていたため、下駄箱に人気(ひとけ)は無い。 だからその朗々とした声はよく響く。
優等生の表情は、貼り紙に視線を移しても変わらない。
三津屋 篤
三津屋 篤
朗らかに笑いながら、俺たちを追い越す____
山崎 孝太
___その背中に言葉をぶつけた。
三津屋 篤
数歩先んじていた篤が、立ち止まる。 振り向いたその顔に、もう仮面は付けられていない。
三津屋 篤
三津屋 篤
山崎 孝太
三津屋 篤
三津屋 篤
山崎 孝太
反論しないでいると、篤はさっさと踵を返す。 __俺たちの横を、ビラを抱えた秀平と信太郎が追い抜く。
信太郎
三津屋 篤
三津屋 篤
秀平
秀平
秀平
信太郎
嗤い声は遠ざかるが、いつまでも反響する。
厭な感じだ。
秀平
__しかし秀平が一瞬、こちらを見たような気がした。
山崎 孝太
鳴沢 柚月
山崎 孝太
鳴沢 柚月
柚月の肩が大きく跳ね、あたふたと周囲を見回した後 ようやく俺に視線を合わせた。
____最近柚月の様子もおかしい。
受験も終わり無事合格したと言うのに、常に何か思案気だ。 こうやってよく ボーッとしている。
山崎 孝太
鳴沢 柚月
卒業式まで もう片手で数えるくらいの日数しか無い。 放課後となった3年の教室棟は、全体的に浮わついた空気だ。
「カラオケだ」「ゲーセンだ」と教室を飛び出す者もいれば、額をつつき合わせて卒業文集制作に勤しんでいる者もいる。
山崎 孝太
鳴沢 柚月
山崎 孝太
帰り支度を終えて教室を出ようとした瞬間、
目の前のドアが無遠慮に開かれた。 信太郎のニヤケ面が飛び込んで来る。
信太郎
山崎 孝太
こう言う事は前にもあった。 違うのは、集団の中に吉田がいない事と
信太郎
柚月に用がある事だ。
信太郎は乱暴に柚月の腕を掴むと、そのまま引きずるように連行する。 柚月の瞳に怯えの色が浮かぶ。
山崎 孝太
腕を掴んで阻止すると、信太郎は今俺に気付いたと言わんばかりに、大袈裟な身振りで振り向いた。
信太郎
信太郎
連れられたのは、やはりと言うべきか、吉田が在籍しているクラスだった。
大部分の生徒が遊びに出て、人気(ひとけ)は少ない。 しかし吉田グループの人間は勢揃いしていた。
彼らは出入口を固め、「その人物」にニヤニヤと視線を飛ばしていた。
吉田 響
「その人物」___吉田は意に介さず、と言った感じで足を組み頬杖をついて窓の外を眺めている。
信太郎
出入口を固めていた取り巻き達が、さっと道を明ける。 信太郎が柚月を教室内へと突き飛ばした。
鳴沢 柚月
顔を歪めた柚月を、薄く微笑みながら秀平が一瞥する。
秀平
山崎 孝太
厭な感じだ。 俺は秀平を睨み付けながら低く答える。
山崎 孝太
秀平
秀平
秀平はすかさず言葉を被せると、ゆっくりと視線を元飼い主に移し
ハサミを取り出した。
山崎 孝太
近くの信太郎が堪え切れない、と言う風に吹き出した。
秀平は手のひらでハサミを弄んだ後、ミュージカル俳優のように大振りな仕草で刃先を吉田に向けた。
秀平
秀平
頬杖をつく吉田に変化は無い。
秀平は小さく舌打ちすると、持っているハサミを
柚月に押し付けた。
秀平
秀平
鳴沢 柚月
秀平
秀平
秀平