この血筋は呪われている
食うか食われるか
殺すか殺されるか
死ぬか死なないか
常に2つの選択肢に縛られ、 己の感情など必要ない
常に''強者''のみが上に立つことを許される
逆に、"弱者"には何も与えられず、 残るのは「死」のみ
体も何もかも弱者の存在で、 期待もかけられない1人の少年
1人の血の繋がった実の母親が唯一の味方
抱きしめてくれた温もりと太陽のような言葉
その1つだけの命綱に縋り、 少年はなんとか生き延びた
でも
こんなところに、少年は生きる権利などなかった
父親が少年に話しかける
少年は動かなくなった母親の体をゆさぶり、 必死に声をかけた
何が起きた?
どう言うことだ?
何故母親はこんなに赤い?
何も見えない
分からない
どうして僕だけ
僕だけが
目の前を美しい1匹の蝶が横切った
「……………………ししょ、う」
駄目よ、「ー」ッ!!
愛していた母親の声が
壊しちゃいましょ、時は満ちた
少女の声に掻き消された
「……お母様、…お父様」
「お兄様……お姉様…………」
「誰か、誰か、いませんか?」
「僕です…ーです……」
「八代ー……です」
体半分を異形に覆われた 小柄な少年が業火の中を歩き回る
真っ青な目からは絶え間なく涙が溢れた
僕じゃない
僕がやったんじゃない
アンタがやったんだ
化け物め
恥さらし
醜い存在め
お前だろ
………………
僕は…ルオスティンなんかじゃない!!
嫌だ
1人にしないで
ねぇ
ねぇ
……ねぇ
コメント
8件
やや重めなお話ですね… 最後の方も気になりますが もしこれが槭さんの過去なのでしたら重すぎる過去ですね……
えっヤダこれ槭くんの過去……?えっえっこんな重いの???
まさか…槭くん??…それに最後の人は誰なんだァァァァァ!!!!!