私はバーでしばらく暇とならない暇を潰していた。
私はこうしていつもここで本を読んでいる。
本は私をポータルのようにここではないどこかへと誘う。
今晩はミステリーの気分だった。
ただこの本はどこかイマイチだ…
作者の意図が透けて見える。
そんな時、隣の客が不意に声を掛けてきた。
隣の客
私
隣の客
隣の客
隣の客
よく見ると彼の右手にはカバーにくるまれた本があった。
そして左手でペンを握っており、 何かを書き留めてるようだった。
隣の客
他人に本の内容を教えるのに抵抗はあるが、何かの縁なのかもしれない。
私
私
隣の客
彼はカバーを外す。
彼が読んでいるのもまた私とまったく同じ本だった。
私
隣の客
隣の客
私
隣の客
隣の客
私
隣の客
私
隣の客
人の本を盗み見とは悪趣味な人だ。
しかし賭けとなると私の勝負師としての血が騒ぐ。
私
私
隣の客
隣の客
隣の客
隣の客
私
私
隣の客
隣の客
隣の客
隣の客
私
隣の客
彼はポケットから金を出した。
私
私
私
端金は失礼に当たると思い 200ドルを支払った
そして我々は犯人の推理をした
隣の客
私
私
いよいよ物語はクライマックス
探偵はついに2人に犯人を絞った
その内の1人は私が予想していた人だ
そして彼の予想した人はアリバイがとっくに成立していた
200ドルが持ってかれる心配はよっぽどおかしなトリックがない限り無いが
せっかくのチャンスを逃したくない
私はそいつが犯人であることをただただ願うばかりだ
そして残り1ページ
密室探偵
密室探偵
密室探偵
密室探偵
密室探偵
密室探偵
密室探偵
密室探偵
密室探偵
密室探偵
密室探偵
まさかの展開だったので私は唖然とした。
まったくどこまでこの小説は退屈なんだ。
まあ久々にスリルを味わえたことだし、金も元のままなのでよしとすることにした。
すると彼は私が読み終わったことを確認すると、こちらを少し笑みを含んで見つめた。
そして何故か声を出して笑った。
隣の客
隣の客
私は戸惑った。
私
私
私
私
隣の客
次に彼の言ったことで私は腑抜けた声を無意識に出してしまった。
隣の客
隣の客
隣の客
隣の客
隣の客はそう告げたあと、カウンターの真新しい原稿用紙に手をつけ始めた。
どうりで悪趣味な物語なわけだ。
コメント
5件
とてもストーリーの形が綺麗で読みやすかったです
意外な結末で面白かったです!
どういたしまして。