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珍しくあべなべ… なんか苦手そうな話だn((
⚠彼らは学生設定です⚠
side阿部
この景色にはもう飽きた
毎日、毎日、同じものしか見えない
ただ、空とあなただけは変わらない
渡辺翔太
毎日来てくれる彼
いつもなら、たわいもない話をする
くだらない話を聞いて、笑う
今日は"心の底"から笑えなかった
"作り笑い"しか出せなかった
渡辺翔太
阿部亮平
話したいことがあるのに
伝えたいことがあるのに
渡辺翔太
思わず、手を振りそうになる
後ろを向く彼の背中を追いかける
阿部亮平
渡辺翔太
彼は振り向いて笑顔を見せてくれる
阿部亮平
渡辺翔太
言えた
こんなにも、すんなりと言えるのか
渡辺翔太
阿部亮平
今度はちゃんと手を振る
ベッドに寝転ぶと眠気が襲ってくる
抗わずに眠りに落ちる
3時間ほど眠っていた
少しすると夕食が運ばれる
いつもの食事
誰もいない、ただだだ、食べるだけ
そんな生活はとっくに慣れた
食べ終わると食器が回収される
何もすることがなくなる
この時間が、大嫌いだ
机にある本の山から一冊取り出す
それを読み始める
何回読んだか分からない本たち
展開も、全部分かっている
でも、読みたくなる
渡辺翔太
彼が顔を出す
時刻は22:00
時間が経つのは早い
渡辺翔太
阿部亮平
彼の手を引き、病院より少し遠い
"ある場所"へと向かう
阿部亮平
渡辺翔太
2人で夜空を見上げる
夜の、誰もいない公園は静かだった
その中で、俺たちの声だけが響く
渡辺翔太
阿部亮平
彼は騙せない
彼には全部分かっていたようだった
渡辺翔太
少し不安そうな声
阿部亮平
彼は黙って頷いてくれる
阿部亮平
渡辺翔太
阿部亮平
渡辺翔太
まさに、言おうとしていたこと
なぜ、知っているのか
阿部亮平
渡辺翔太
渡辺翔太
渡辺翔太
まさか、調べていたなんて…
渡辺翔太
阿部亮平
side渡辺
阿部亮平
"病気"
その言葉は、聞きたくない言葉だ
彼を、長年苦しめてきたもの
今も、彼の中にいる
何も言えず、頷くことしかできない
阿部亮平
渡辺翔太
彼の病気の手術
ドクンと胸が鳴る
手術を受けて欲しくない
それが俺の思いだった
阿部亮平
だって、
渡辺翔太
だから、受けて欲しくない
彼は驚いたように目を見張る
阿部亮平
渡辺翔太
少しでも、彼の力になりたくて
でも、その言葉は出てこない
代わりに、違う言葉が出てくる
渡辺翔太
渡辺翔太
彼は動かない
渡辺翔太
阿部亮平
やっぱり
誰だってそうだろう
俺だって彼の立場だったらそうだ
阿部亮平
突然、彼が話し始める
渡辺翔太
阿部亮平
阿部亮平
そんなことを思っていたなんて…
阿部亮平
渡辺翔太
声をかけられる
阿部亮平
彼は星の下、微笑いながら言う
急に言われ、俺は驚きを隠せない
けれど、約束が気になる
渡辺翔太
阿部亮平
渡辺翔太
阿部亮平
人差し指と中指を立てながら言う
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
渡辺翔太
涙が溢れてくる
雫が出ないようになんとか喋る
渡辺翔太
渡辺翔太
渡辺翔太
渡辺翔太
渡辺翔太
駄々をこねる俺の手を
そっと握って彼は言う
阿部亮平
阿部亮平
彼は、俺の手を離し、
病院へと歩き出す
追いかけることができなかった
誰もいない家に帰ってくる
一人暮らしを始めて良かったと思う
涙は止まることを知らない
どんどん溢れ出る
『その日この場所でまた会おうね』
声が耳の奥に張り付いて離れない
ずっとリピートされる
手術は失敗したら、死に至る
彼の、病気との最終決戦
最終決戦前夜
彼が俺に伝えた言葉は
渡辺翔太
一生、一緒だよって言ったじゃんか
なんで…嘘つくんだよ…
母
阿部亮平
新たな病院へ行く俺の荷物は少ない
手術は、この病院ではできない
大きな病院へ行かなくてはならない
そこは、遠い場所にある
手術を受けられる条件は、
そこに行くことだった
彼には、伝えていない
母
阿部亮平
これで、良かったんだ
母
母
病院を出て、母の車に乗る
最終決戦は、もうすぐそこだ