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桃さんの失恋系の話めちゃくちゃ好きなんですよね...それが主様の小説で見れて今めちゃくちゃ感動してます。大抵小説を読んで悲しいとかならないんですけど主様の小説を読んでて涙出てきました。この話だけでなく主様の小説全部感情抑えられないので1人でひっそり見てます🙄長コメ失礼しました!
青×桃 青×黒 ?×桃 多カプ含まれます
たくさん迷走してます、長いです 自我のあるモブが多くいます オチなし
夕暮れ色に照らされる教室。辺りには幼馴染と2人きりで、部活動に励む部員が校庭にちらほら伺える。
ずっと好意を抱いては心に秘めていたこの想い、閉じ込めて消え去ってしまいたくとも叶わなかったこの願いが、最愛の人によって、みじめに砕かれた。
青
嘘偽りない素直な眼差しに、心臓を刺されたような鋭く鈍い感覚が通っては絶えなかった。
桃
最新注意を払いながら自然に口角を上げ、相手は誰なのかと繋げて問うた。
青
紅潮するまろの頬と、嬉しそうに笑うその表情。事実が少し違えば、その表情は俺に向けられていたのかもしれない。
桃
柄でもない言葉を絞り出しては自分を殺す。高揚するまろとは裏腹に、胸が締め付けられる感覚に陥った。
桃
青
桃
青
負け犬ゼリフを吐き捨てて、まろに背を向け教室を飛び出した。
下駄箱について足を止め、荒い息を整えるように深呼吸しながら靴を手に取った。
“バカ”という口癖になってしまった暴言。ツッコミを入れるためだけに活用していたつもりなのに、
さっきまろに吐いた暴言は、ツッコミより、ずっと俺の気持ちに気付かなかったまろへの怒りでもあった。
あの眼差しで確信したからだ。俺は失恋した、負けたのだと。
アニキもまろを好いていて、アピールしていたことなんて周知の事実だ。だからこそ、正々堂々と戦い、負けて終わった。
ただ、複雑な心境の波にのまれようが、俺の涙腺は微動だにしなかった。
桃
怒りに任せ、軽く下駄箱を殴り、出るはずもない涙をこらえた途端、右耳へと微かに、小さな小さな驚いたような声が届いた。
赤
桃
赤
心配した面持ちのりうらに言葉が詰まりながら、足りない言葉で喋り続けた。
桃
赤
りうらがこちらに手を伸ばした途端、視界の端に、まろとアニキが笑顔で歩く姿が伺えた。
その手を軽くはたき落とし、『ごめん』とだけボヤいて、りうらに背を向け足を動かした。
赤
青
赤
黒
黒
青
赤
水
白
赤
朝っぱらから屋上へと呼び出され、集まったいつもの6人。
満面の笑みで出迎えてきたまろと、照れくさそうなアニキが並ぶ姿を見て、ある程度は察してしまった。
青
水
100点満点のリアクションを取るいむの横で、ギョッとした表情でこちらを伺う初兎ちゃんと目が合った。
まろと俺を3度ほど見返して、ちょうど目が合ったとき、『大丈夫だよ』だなんて口角を上げた。
白
やるせない表情を隠しつつ、いつものようにふわっと笑う初兎ちゃん。
そして、続いて口にする。
桃
青
いつものようにべそをかいて抱きついてくるまろを、抱きしめ返さず、拒みもせずに苦笑した。
何かを口走ってしまわぬように、なるべく口をつむぎ、言葉は最小限に抑えた。
それはりうらも同様なようで、“おめでとう”の言葉すら発していなかった。
桃
桃
水
白
水
いつものように騒がしく、代わり映えのないはずだった日常に、いつもなら面白おかしく笑っていただろう。
なのに、こんなひと時の感情で壊れてしまうものなのだろうか。もう俺は、このメンツでは心から笑えないと思う。
どこから湧いたか知れない悔しさを覚え、みんなに背を向け足早に歩き出した。
赤
桃
足早に退場して行った俺を追いかけて来たのだろう。
赤
俺に背を向け走り去っていくりうらの背を見届けた。りうらの言葉の意図はわからなかったけど、深く聞いてはいけない気がして、口を紡いでいた。
お昼時、賑やかな教室の中、いつものようにまろが声をかけに席までやって来る。
青
それはイツメンでの食事の誘いを意味し、いつもなら、ん、とだけ返して喜んで向かっていた。
ただ、今日はそんな気分になれなかった。
桃
青
桃
満更でもなく照れくさそうに笑い、一目散でアニキのいる2組に向かっていったまろ。
今日の昼はどうしたもんかな。と考えていると、いわゆるクラスのトップ層の男子たちが声をかけてきた。
桃
よろしく、なんて軽く会釈しながら、騒がしく談笑し弁当を食べ進めて行った。
思いのほか会話が盛り上がり、意気投合し、ある程度の連絡先を交換し、昼休みに校庭へ駆けた。
何個か並べられているバスケットゴールに向かいシュートを決める。中学から続けていたバスケ部のおかげか、一段と楽しく感じた。
ただみんなと屋上でダベるより、何倍もいい気がする。なんて思いながら屋上に視線を向けると、奇抜な髪色の5人と目が合った。
嬉しそうにこちらへと手を振る5人から、わざとらしく視線を逸らした。
青
桃
もうお前らと関わる意思はない。嫌でも察するような対応で振り切る。
もう潮時かなぁ。なんて思いながら、騒がしい3人組に混ざって行った。
小声で俺に問う彼に、さぁ?なんてとぼけっ面で返した。
水
帰り道、ずば抜けてギャーギャーと騒ぐ水色髪の脳天にチョップを入れる。
水
白
白
そう。ないちゃんは元々陽キャ属性で、要らないと判断したらバッサリ切るタイプ。
ないちゃんにとってマイナスになる関係になってしまっただけ。委員会にも部活にも友達がいるないちゃんなんて、ずっとイツメンで戯れているのも苦であろう。
青
青
一段と不服そうなまろちゃんの斜め後ろで、一言も発さずに険しい顔をするりうちゃん。
感情はあまり読み取れないが、僕が思い浮かべている理由と一致していると思う。
黒
水
あの出来事から数ヶ月ちょい。今では、いつもの6人組が旧イツメンになっていた。
まろとの関係性は、完全に別グループのクラスメイトに成り下がっていた。
旧イツメンで、唯一接点があるとすれば、りうらのただ1人だけだった。
桃
桃
マジ疲れたわ、なんてボヤきながら、横に並んで廊下を歩いていると、急に後ろから腕を掴まれた。
桃
ビビり散らかしながら後ろを振り返ると、そこに立っていたのはりうらだった。
桃
赤
桃
桃
じゃあなー、と手を振り歩いていく友人たちとは逆方向に、半ば強引に腕を引かれる。
桃
なんて問うても一向に口を開かないりうら。少し不安を覚えながらも、流されるがままついて行く。
桃
何となく察しが着いた目的地。そこは、俺らの何よりも濃い思い出として残っている場所。
重たいドアを力強く開けたりうらは、一段と早いスピードで歩み始める。
高さ故の風に目を瞑り、開いた先に広がる光景は、数ヶ月前と全く同じものだった。
数秒間の沈黙の後、1番に口を開いたのは、かつて思いを寄せていた彼だった。
青
桃
決してさらけ出さないと決めた本音が、ブレーキの無い口から全て溢れ出る。
桃
桃
桃
桃
気づけば、既に5人に背を向けていた。
無駄な優しさも、無駄な温かさも、全部傷に染みるから。違ったルートを走って、埋めて、染みないように努力してた。この数ヶ月ちょい、みんなが俺を見守っていたことも知っていた。
だからこそ、だからこそ。放っていてほしかった。見放してほしかった。まだ友達だなんて、思っていてほしくなかった。
赤
ちょうど階段を降りたところで、りうらの声が耳を包む。わざと振り返らずに、りうらの言葉だけを聞いた。
赤
赤
後日、某月某日。
ひとつ前の席のないこは欠席で、頼んでもいないのに、いつもより黒板が見やすい気がした。
インスタのノートでは『風邪ひいた笑』なんて綴っていたないこ。
風邪なのか、風邪ではないのか、真相は知り得ないが、今日の夕方を待つだけだ。
布団にくるまり、何もせず、ぼーっとしているだけで時間が過ぎていく。
午後15時半。約束の時間はもうすぐ。なのに、気持ちの整理はおろか、纏まってすらいない。
疎遠になっていた、してしまった彼らと集まるなんて、今の俺じゃできない。
何より、あのりうらの言葉。ずっと片思いし続けていた俺にとって、罪悪感をえぐられるものだった。
桃
風邪なんてひいてもいないのに、体温が上がっていく気がした。
水
白
水
ほとけが見上げた先。公園の時計の短い針は6時を指し、長い針は11を指していた。
16時過ぎから待ち続けても、誰一人として、もう帰ろうなんて言葉は発さなかった。
着々と進む時計の針。57分、58分と経っていく。諦めたくなかったが、
もうないこは来ない。ここにいる誰もが確信した。
その刹那、誰かが走ってくる音が、微かに耳に届く。
一斉にそちらへ振り向くと、息を切らしながら走るピンク色の彼がいた。
ほんの数分前、やっと決心が着いた。
まだ、みんなと仲良くしたいと。
公園の入口に入った途端、景色が一変する。
桃
そう、段差で盛大にズッコケてしまった。かなり大きく擦りむいて、
痛みに悶絶しながら立ち上がろうと体制を動かし、顔を上げると、目の前にはいつもの彼らがいた。
微笑みながら手を差し伸べてくるりうらの手を取り、立ち上がる。
途端に、りうらの腕の中に飛びつくように抱きついた。
桃
桃
赤
数ヶ月拗らせて、行き着いた結果がこれ。
多方面にもたくさん迷惑かけて、たくさん苦しませた。
勝手に好きになって、勝手に失恋して、無駄な意地張って、迷惑かけただけだった。
何が残った?アイツら3人との時間の他に、何が残った?
青
元 好きな人の声が耳を包む。
気まずくて、目を合わせたくなくて、必死にりうらの懐に顔を埋めた。
青
そうだよ、そういうところに惚れたんだ。
俺の気持ちに応えられない代わりに、俺を思って濁してくれるとこも、気持ちを汲み取ってカバーしてくれるところも、全部。
桃
白
赤
少し見上げ、初兎ちゃんに荒ぶるりうらと目が合った。
ハッとしたような表情をしたりうらの頬と耳は、夕暮れのせいか、酷く火照っていた。
桃
桃
数ヶ月ぶりに、6人で登校してきた。クラスごとに分裂して、俺とまろが話しながら入室すると、
案の定からかわれた。やはりあからさまに避けていたことはバレバレだった様。
桃
俺と3人の関係は変わらない。ただ、俺が指を指した先に視線を向けた3人。
だと思った、なんて顔をしやがってから快諾してくれた。
桃
水
赤
白
白
赤
赤
白
水
赤
赤
水
顔を真っ赤にしたりうちゃんの鉄拳がいむくんの腹を突いたのであった。