冴月
間違ってたよ

冴月
ただのお隣さんとか

冴月
ただの塾講師でいればよかったんだよ

冴月
楓くんには未来があって高校生活がある

冴月
私には仕事がある

冴月
これ以上は一緒にいられない

楓
なんすか、それ

楓
急にそんなん言われて

楓
じゃあ明日からゼロですって

楓
できないですよ

冴月
これ以上関わったら

冴月
言い訳ができないよ

楓
言い訳?

冴月
見られてたの

冴月
一緒に帰ってるとこ

楓
だからそれは僕がやりたくてしたことで

楓
見られたとしても先生のせいじゃないって

冴月
やりたくてするって

冴月
もう

冴月
お隣さんとかの関係じゃないじゃん

冴月
それとも誰にでもこういうことするの?

楓
しないです

楓

楓
お隣さんとかの関係のままで

楓
終わりたくなかったんです

冴月
え?

楓
僕が高校生じゃなければいいなら

楓
そうなりたいくらい

楓
僕だってずっと抑えてたんだから

楓
先生だけ抑えてるような顔して勝手に離れていくのが許せないです

冴月
どういうこと?

楓
僕は先生が好きです

からかわないでよ、そんな言葉が出かけたけれど、真っ直ぐな目を見たら引っ込んでしまった。
楓
本当はこんなタイミングで言うつもりはなかったけど

楓
ずっと好きでした

楓
だから関わるの辞めるのをやめて欲しいです

冴月

冴月
ごめん

楓
僕が高校生だからとか

楓
教え子だからとか

楓
そういうのを抜きにした時に僕を嫌いじゃないのであれば

楓
一緒にいてほしいです

冴月
私も

冴月
楓くんと離れたくない

冴月
だからこれ以上一緒にいたらダメなの

楓
どうしてですか?

冴月
きっと

冴月
年甲斐もなく好きになっちゃうから

冴月
というかもう

冴月
好き、だと思う

楓
先生

振り払おうかと思っても、動けない。このままこの温もりに身体を預けていたいという欲望が勝つ。
楓
付き合いたいです

冴月
……楓くん、それは……

楓
でも、我慢します

楓
先生に迷惑はかけられないから

冴月

冴月
ありがとう

冴月
(きっとこれでいい)

冴月
(残念だとか悲しいとか悔しいとか)

冴月
(そんなのは思うべきじゃない)

楓
僕、ちゃんと勉強頑張って

楓
ちゃんとした大人になって迎えに行くので

楓
その時にまだ僕を好きだったら

楓
その時こそ付き合いましょう

冴月
わかった

冴月
待ってるね

一度力を込めて抱き締められると、ぱっと体が離れた。
楓
家庭教師は続けてください

楓
このアパートのこの階には僕たちしかいないし

楓
DMを送ってきた人の正体もなんとなくわかるので

楓
僕から上手く説明しておくし、先生を怖がらせるなって忠告します

楓
僕の立ち回りが下手だったせいで巻き込んでごめんなさい

冴月
ううん、そんな

冴月
私も不注意だったし

冴月
謝らなくていいから

冴月

冴月
また、よろしくね

楓
はい、お願いします!

楓
……風邪、移してたらごめんなさい

楓
思いっきりハグしちゃった

冴月
今更だよ笑

冴月
移ってたら看病してもらうからいいの

楓
勝手に決めないでくださいよ笑

冴月
へえ

冴月
いいんだ、そんな感じで

楓

楓
ダメです、すみません

楓
看病するから

楓
もっと近づいていいですか

冴月

冴月
ばか
