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3月、桜花中学校·····
僕(優兎)は4月からかよう新しい学校を1人、見に来ていた
肌寒い中、夕焼けが眩しい
優兎
僕は誰もいない昇降口の階段に腰を下ろした
しばらくそのまま夕日が沈むのを見ていた
優兎
軽く伸びをして立ち上がった、その時·····
涼夏
優兎
誰も居ないと思っていた校舎の中から足音が聞こえてくる
僕は咄嗟に階段を駆け下りて、階段下の石碑の影に隠れた
涼夏
優兎
涼夏
涼夏
涼夏
夕日が沈む最後の瞬間の光の中で 飛び出して来た女の子の顔が鮮やかなオレンジ色に染め上げられる
女の子はこぼれ落ちる大粒の涙を必死に拭っていた
優兎
僕は夕日に照らし出された彼女がとても美しくみえて、
目が離せなかった
ぐっと心臓が締め付けられる
優兎
ぐっと手に力がこもり、前傾姿勢になった時、足元で小枝が折れる乾いた音が悲しいくらい大きく響いた
優兎
僕は慌てて石碑の裏に回り込んで息を潜めた
涼夏
涼夏
女の子の震える声が聴こえた
優兎
涼夏
涼夏
優兎
涼夏
涼夏
女の子はぐっと上をむくとゴシゴシと制服の袖で顔を擦ると
最後に両手で頬を軽く持ち上げて、笑顔を浮かべてみせた
優兎
その儚げな笑顔に僕は叫びそうになった
涼夏
優兎
女の子は校舎の中に消えていった
僕は女の子がいなくなった後もしばらく石碑の影から出られなかった
続く·····