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ヌシッ☆
ヌシッ☆
ヌシッ☆
ヌシッ☆
ヌシッ☆
ヌシッ☆
ある夏の夜だった。 蝉の声と共に聞こえたそれは まるで天使の声のようだった。
8月10日 水無瀬瑠翔 みなせるいと 生誕
キャンギョスゥイ
優しく包み込んだその腕は、 どこか暖かかった。
ピーーーー
病室中に鳴るその音は 看護師や医師を不安にさせ、 少々遅れて病院に着いた父をも 絶望させた。
パピー
頼もしい声が ぽつりと父のズボンの上に落ちる。 ベージュの生地に、 水滴にも似た染みが広がった。
始めは優しかったらしい。 でも私の記憶には 発狂している父親しかいない。
でも___
パピー
誕生日は毎年欠かさず祝ってくれた。 父が楽しそうにしているのが すごく嬉しくて、 誕生日がすごく楽しみだった。
たった7回。 でも充分だ。
でも祖母は それだけでは 満足できなかったらしい。
祖母の泣き叫ぶ声とその顔は 私の脳に強く焼き付けられた。
祖母は私を施設に入れた。
施設は決して苦しい場所ではない。 父親と二人だけではないこと、 散らかってない部屋、 コンビニ弁当じゃないご飯。 全てが初めてで これが世の当たり前だと知ると同時に そんな世の中への憎しみを殺した。
何だコイツモブモブしてんなぁ
何だコイツモブモブしてんなぁ
どいつもこいつもモブモブしやがって
何だコイツモブモブしてんなぁ
瑠翔(るいと)ヂャァァァァン
一人は慣れてるはずなのに、 なぜか嫌われたくなくて。
瑠翔(るいと)ヂャァァァァン
瑠翔(るいと)ヂャァァァァン
努力をした。
頭が良ければ尊敬される。 絵が上手ければ注目を浴びる。 運動ができれば褒められる。
そう、勘違いして。
どいつもこいつもモブモブしやがって
瑠翔(るいと)ヂャァァァァン
瑠翔(るいと)ヂャァァァァン
みんな褒めてくれた。 努力が報われた気がした。
何だコイツモブモブしてんなぁ
どいつもこいつもモブモブしやがって
でもそれは最初だけ。 暫くすればみんな 私を軽蔑するような目で見た。 全てが私の陰口に聞こえ、 気を遣ってくれる大人達の褒め言葉も 例えそれが本当だとしても、 素直に受け取れなかった。
性格を変えた。 明るく優しくいつも笑顔でいた。 そうすれば、 嫌われなんてしないから。
何だコイツモブモブしてんなぁ
どいつもこいつもモブモブしやがって
何だコイツモブモブしてんなぁ
瑠翔(るいと)ヂャァァァァン
いくらやっても、ダメだった。 どんだけ気を遣っても、 どんだけ感情を殺して笑顔でいても、 どんだけ努力をしても、 友達といえる友達ができなかった。 独りは 思ってた以上に辛かった。
隠忍自重 innninnjityou 怒りや苦しみにもじっと耐え、 軽々しい行動をしない。
ヌシッ☆
ヌシッ☆
ヌシッ☆