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数年前
常子
わしはどうやら死んだらしい
町に流れ込んだ濁流に呑み込まれたらしい
確か突然冷たさが伝わって、それからすぐに目の前は真っ暗になった
息ができなくて苦しんでいたらいつの間にか苦しさがなくなった
きっと、それが死んだ合図だったのだろう
常子
ちなみに今は、荒れてしまった、わしの家を見にきた
常子
常子
常子
常子
パリン
足元から何かが割れたような音がした
常子
常子
フレームは割れ、写真は汚れ、今にも破れそうだった
わしと親の間に切れ目が入っていた
常子
常子
常子
トントン
誰かに肩を叩かれた
本当に生きていたいのですか?
常子
貴方は本当にまだ生きたかったのですか?
常子
本当に?
常子
本当に?
常子
本当?
常子
本当の本当に?
常子
常子
嘘つき
常子
常子
生きている時にあれだけ死を望んだのに?
常子
いざ死ねば後悔?
なんて自分勝手なのでしょう
常子
何が違うのですか?同じ死じゃないですか
常子
ほらまた自分を正当化するために言い訳してる
常子
……まあ、もう全て遅いから意味ないですよ、こんなことしたって
一度死んだら簡単には生き返れませんよ
常子
今からしばらくあなたは浮遊霊となって、この町をさ迷うのですよ
それがあなたの運命です
受け入れてください
わしは抵抗も説明もできずに、ただただ泣きながら荒れた部屋を見つめていた