蒼
ただいま…
こんなこと、何回目だろう。
俺は葬式を終えて帰宅した。
蒼
もうこれも使わないな…
ついこないだまで使っていた コハク の餌入れを片付ける。
愛犬コハクは、事故で死んだのだ。
蒼
幼稚園の頃に飼ったハムスターのチビ
蒼
小学校の時に拾った猫のマリ
蒼
そして
蒼
コハク
蒼
俺が関わった動物はみんな寿命を全うできない。
蒼
不慮の事故や病気で死ぬんだ
蒼
なんで…みんな大事な友達だったのに
蒼
俺、呪われてるのかな。
蒼
だから、チビの件以来動物には関わらないって決めたのに。
蒼
ことごとく、動物を飼わざるを得ない状況が生まれる
蒼
…どうすればいいって言うんだよ!!
蒼
みんな…
蒼
俺と関わらせてごめん
チビ
みんなー!大変だよ!
マリ
うるさいわね〜なに?
コハク
どうした??
チビ
僕らの飼い主が、僕たちが死んだことに責任を感じてる
コハク
えぇ!?
マリ
なんで責任を感じるのよ…!
マリ
どちらかと言ったら私が助けて貰って、寿命が伸びたくらいなのに
チビ
ぼくだって!
チビ
育ちすぎて、爬虫類の餌になるところだったんだぞ
コハク
僕は死にそうになってはないけど…
コハク
蒼くんが死にそうになってたんだよ
マリ
どういうこと?
コハク
僕たち動物は、死が近い人が輝いて見えるじゃない
マリ
そうね
コハク
だから、彼と出会った時に彼も輝いて見えたんだ
マリ
…
コハク
君も、気づいてたんだろ?
マリ
ええ…でもどうすることも出来なくて
コハク
君たちも見えたよ
コハク
どうにか守ろうと必死に周りに取り憑く君たちが
チビ
でも、僕たちにはどうすることも出来なかった…
コハク
こんなに慕われてるんだって驚いたよ
コハク
だから、この人を守ろうって思った
コハク
ブリーダーの家を飛び出して
コハク
迷子の振りをして
コハク
暫く飼われて、したわれる理由がわかったよ
コハク
蒼くんは最高の飼い主だった…!!
マリ
もっと近くにいたかったなぁ…!
チビ
先に死んでごめん
コハク
僕の小さい体じゃ、君を守るので精一杯だった
コハク
でも、その行動が君を苦しめていたなんて
コハク
蒼くん
マリ
蒼!!
チビ
あおい…!
蒼
…コハク?マリ?チビ?
蒼
なわけないか
蒼
ははは、遂に幻聴まで
チビ
…ねえ!少し声聞こえてない??
マリ
思いが届いたのよ
コハク
でも何回もは無理だ
チビ
早く伝えないと!
チビ
僕をかわいがってくれてありがとう!
マリ
私、病気で死んだことに悔いはないわ!
マリ
拾ってもらわなきゃ、もっと早く死ぬ運命だったんだもの!
コハク
目にはみえなくても、僕達はいつも大好きな君を見守ってる!!
3匹
君はひとりじゃないよ。