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この夏が終わる前に

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この夏が終わる前に

1 - 〜今年も田舎にやって来た〜

♥

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2023年07月18日

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家からバスで20分。

それから飛行機で5時間。

その後電車で40分。

毎年夏になると都心から計6時間かけて、両親の実家、つまりは祖父母の家がある田舎に泊まりに行く。

高校2年生、17歳にとって、 電波も悪いモールやカラオケもない そんな田舎に、人生に1回しか来ない17歳の夏を捧げるなんて、凄く迷惑な事、、、

何だろうな、

普通の高校生からすれば、。

毎年、そんなド田舎に来るのには理由がある。

翔輝の父(賢治)

母さんと翔輝ー!もうそろそろ着くからな!荷物の準備をするぞ!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

うんーーー

荷物の準備を丁度終えた頃、目的の駅に到着した。

プシューーッ

流石の田舎だ。ここの駅で降りるのは俺たち家族と、他3人だけだった。

外に出た瞬間。ムワッとした空気が肌に触れて、車両の中との気温の差で少しクラっとしてしまった。

翔輝の父(賢治)

暑いなあ。

翔輝の母(佳代子)

そうね〜。でも、空気がおいしい。

翔輝の父(賢治)

帰ってきたって感じだな。
俺たちの故郷に!

父と母は幼馴染同士で結婚しているらしく、毎年ココについてからは思い出話に花を咲かせている。

ちなみにこのくだりは毎年している。

暑さに少々苛立ちを覚え始めた頃。 一瞬で俺の機嫌を取り返す人物が来た。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

翔輝ー!!!かよちゃんー!
賢治くんー!!!

こちらに駆け寄ってくる天使の生まれ変わりか?ってくらい可愛い少女 『蓮ノ実 萌花』だ。

毎年わざわざこの夏に両親に断らずこんなド田舎へ来るのは、少々、いやかなり萌花が関わっている。

翔輝の母(佳代子)

あらあらほーちゃん!また可愛くなって〜!☺️

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

かよちゃんもまた綺麗になってる!

翔輝の母(佳代子)

あらあら上手いんだから〜☺️

翔輝の父(賢治)

光来(萌花の父)は元気かー!!!

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

元気もりもりだよ!最近なんかお父さん臭いの、、!

翔輝の母(佳代子)

あらやだ、うふふ。

俺の父と母それから萌花の父と母、 この4人は幼馴染で、大の仲良しだ。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

翔輝また身長伸びた??
大きいね〜。どんどん離されちゃうよ

小宮 翔輝(こみや しょうき)

そんな萌花は縮んだ?(笑)

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

ち、縮んではないよ!!!
…伸びてもないけど。

そんな風に談笑しながら、 父の実家へと向かった。

翔輝の父(賢治)

母さん!ただいまー

翔輝の祖母(花子)

あらあら、よー帰ってきたねぇ☺️

一昨年に祖父が亡くなり、今は祖母が一人暮らししている。

翔輝の母(佳代子)

久しぶりお母さん☺️

翔輝の祖母(花子)

佳代子ちゃん相変わらずべっぴんさんだねぇ☺️

萌花の父(光来)

息子より先にお邪魔してるぞー!
ワッハッハーー!

この元気な人が萌花の父だ。

萌花の母(千代子)

佳代子ー!会いたかったわ〜

翔輝の母(佳代子)

やだ千代子〜

母さんとちよちゃんが抱き合う。

萌花の父(光来)

おお翔輝!!お前はかっこよくなったな!!ガハハ!

翔輝の祖母(花子)

ほんとにねえ翔ちゃんは格好よくなっちゃって。☺️佳代子ちゃんにで良かったよ。ふふふ。

翔輝の父(賢治)

おい母さんどういう事だよ(笑)

アハハハハ!

その場にいた全員が思わず笑ってしまった。

萌花の母(千代子)

本当にカッコよくなったね!
学校でもモテるでしょう?

小宮 翔輝(こみや しょうき)

まあ、ボチボチだなあ。(笑)

萌花の父(光来)

フー!カッコイイぞ翔輝!

萌花の母(千代子)

萌花のお友達にも翔輝くんのこと好きな女の子いたわよね??😏

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

あー、うん。(笑笑)
愛美の事でしょ。多分

小宮 翔輝(こみや しょうき)

あー、え?
俺あの子と去年ちょっと話しただけなんだけど。(笑)

萌花の父(光来)

モテる男はそれだけで落としちゃうってもんよ?😏

翔輝の母(佳代子)

あらあら。翔輝から騙されてるんだわ😉外面だけはいいんだからもう😏

小宮 翔輝(こみや しょうき)

別に騙してねえっての(笑)

ワイワイワイワイ。

翔輝の祖母(花子)

翔ちゃん、萌ちゃん。
川にスイカを冷やしてるから取ってきてくれないかい??

小宮 翔輝(こみや しょうき)

あー!いいよ!
行こうぜ!萌花!

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

うん!

2人になる口実になると思い、すんなり祖母のお願いを飲んだ。

外に出るとやはり暑い。 東京より心做しか日差しが強い。

直ぐに額から汗が吹き出した。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

暑いね〜、

小宮 翔輝(こみや しょうき)

ほんとだよな。。溶けそう。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

川はすぐ近くだからがんばろー!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

おう!

程なくして、スイカを冷やしている川に着いた。

ザーーーーッ

川に近づくとマイナスイオンが漂っていて、かなり涼しかった。

小宮 翔輝(こみや しょうき)

よいしょっと。

スイカを冷やしている場所の近くに屈みスイカを触ると、ヒンヤリと冷たかった。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

よく冷えてるねー!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

…おう。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

これね、私がお母さんと育てたスイカなんだよー!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

…うん。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

〜〜…

萌花が一生懸命俺に話しかけてくれて居るが、俺の耳には届いていなかった。

真夏の陽射しに当てられた萌花の横顔がとても綺麗で、可愛くて。

透き通るような白い肌に淡いピンクの頬に赤いくちびる。

目はパッチリと大きくて、まつ毛はクルンと長い。

髪は太陽に照らされて柔らかい茶色になっていて、そのサラサラな髪の毛をポニーテールにしている。

それに白いワンピースを着ている萌花。多分冗談抜きで天使の生まれ変わりか何かだと思う。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

ねえ!ちょっとー!話聞いてるの?

小宮 翔輝(こみや しょうき)

あ、えごめん。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

もー!どこまで聞いてた?

小宮 翔輝(こみや しょうき)

スイカを育てたとか何とかってとこ、

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

いっちばんさいしょ?!もう!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

ごめんごめん(笑笑)

頬を膨らませて怒る萌花が可愛くて、 つい、笑ってしまった。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

えい!!!!!!!

ピシャ!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

うわ!!冷てえ!

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

話を聞いて無かった仕返し!!!!

ピシャ!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

うわ、ちょ、ガチ冷たい!笑

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

えい!えい!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

おーいーーー笑

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

あはは!

萌花の笑顔がキラキラと輝いて、 水しぶきがスローモーションになった気がした。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

スイカ持って帰ろうか!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

おう

俺はスイカを持ち上げると、萌花と歩き出した。

小宮 翔輝(こみや しょうき)

ただいまー!

翔輝の祖母(花子)

あら翔ちゃん萌ちゃん重かったでしょう、ありがとうね☺️

萌花の母(千代子)

はい麦茶!

俺と萌花は麦茶を受け取ると、ゴクゴク音を立てて一気飲みした。

小宮 翔輝(こみや しょうき)

ぷはーーーー!

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

ぷはーーーー!

萌花の父(光来)

おー!ハモったな!わはは!!

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

だから何よ笑笑

翔輝の母(佳代子)

ほーちゃん!翔輝!お昼ご飯の冷やし中華出来てるけど食べる?

小宮 翔輝(こみや しょうき)

よっしゃ!食べるー!

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

やったー!食べる!

萌花の父(光来)

おー!またハモったぞ!わはは!!

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

さっきからそれ何なのよ!笑

内心、ハモった事に喜びを感じながらも、ニヤニヤと緩む口元をキュッと固めた。

小宮 翔輝(こみや しょうき)

その前に部屋に荷物運ばねーと!

翔輝の祖母(花子)

あら、そうだったねえ

萌花の母(千代子)

萌花〜翔輝くん手伝ってあげて〜☺️

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

はーい!行こっか翔輝!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

おう!

ドサドサ!

荷物を部屋の端に適当に置いた。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

置き方雑だな〜

小宮 翔輝(こみや しょうき)

服とか水着とか柔らけぇもんしか入ってないからさ

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

そーゆーことか笑笑

その時、萌花のスマホに通知が来た。

小宮 翔輝(こみや しょうき)

り、龍斗?いたっけそんな人、

聞いた事のない名前の男からの通知に俺は動揺してしまった。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

あ、うん。龍斗は去年の秋に転校してきたからね。翔輝は会ったことないね

小宮 翔輝(こみや しょうき)

そういうこと、ね。

その時、次はさっきの奴(龍斗)から着信が来た。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

あ、ちょっとまっててね。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

もしもしー

龍斗

もっしー!萌花も図書館来るだろ?

電話越しにうっすらと相手の声も聞こえる。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

今幼馴染と一緒にいるんだよね

龍斗

おー?噂の翔輝くんか!

龍斗

良かったな愛美!翔輝くん?が来てるんだってさー!

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

笑笑

龍斗

翔輝くんも連れてこいよ!

龍斗

待ってるぜかわい子ちゃんー!

は?

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

あーはいはい。笑
待っててー

龍斗

おす!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

そいつ、いつもそんな感じ?

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

あーうん、笑
いつもこうだよ笑

小宮 翔輝(こみや しょうき)

いつも一緒にいる感じ?

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

うんうん
同じグループだからね。

小宮 翔輝(こみや しょうき)

そーなんだ。

「あんまり近づき過ぎるなよ。」って言いたいところだけど。

彼氏でもなけりゃ、思いすら伝えてないこの俺がそんなこと言える立場じゃないと

言葉を飲み込んだ。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

図書館の前に冷やし中華急いで食べよ!!!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

おう!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

(さっきの事はもう忘れよう。)

小宮 翔輝(こみや しょうき)

(萌花も相手にしてる感じないし。)

リビングの食卓には、もう冷やし中華が準備されていた。

小宮 翔輝(こみや しょうき)

うまそ!早く食おうぜ!

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

まって!写真撮らせて

女子ってそういうの好きだよな〜。 母さんも毎回撮っている。

パシャ!!

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

よーし!食べようー!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

うし!

俺たちは冷やし中華を急いで食べると、家を出て図書館に向かった。

ジーーーーーッ

ミンミンミンミンミン

小宮 翔輝(こみや しょうき)

あっつ。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

翔輝の影に私、すっぽり入っちゃうからそんなに暑くない笑笑

小宮 翔輝(こみや しょうき)

笑笑

小宮 翔輝(こみや しょうき)

萌花はちっちゃいからなあ。

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

!余計なお世話です!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

はは。笑

怒った時、片方の頬をプクッと膨らませる癖。

小さい頃から何も変わらない。

小宮 翔輝(こみや しょうき)

…かわい、

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

ん?

小宮 翔輝(こみや しょうき)

(やば。)

小宮 翔輝(こみや しょうき)

ん?どした?

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

なんか言わなかった?

小宮 翔輝(こみや しょうき)

何も言ってない笑笑

蓮ノ実 萌花(はすのみ ほのか)

そっか!じゃーいこ!

小宮 翔輝(こみや しょうき)

おう!

つい思った事が口に出てしまった。

やっとの思いで図書館に着いた頃には

萌花の友人たちと、龍斗がもうその場所にいた。

今回はここまでです! 見てくれてありがとう🥰 次のお話は〜? 第2話『ライバル出現?!』 みんなで海に入りに行くんだけど、、 また見てね!

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