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澪
澪
彫刻刀を手に取る。
試しにノートのページを切ってみる。
ピッと線が入って切れた。
澪
何度言い聞かせても 私の心臓は強く打ち続ける。
父さんが起きるのは7時半。
寝ている今のうちに喉を切り裂く。
それが私の作戦だった。
それだけが。
父さんの部屋にそっと入る。
床に落ちてた何かを踏みつけたみたいだったけど、
痛みは感じない。
それくらいに興奮していた。
母さんを殺したやつが
今
目の前でのうのうと 寝ているのだから。
そこからはあまり覚えていない。
血しぶきで真っ赤に染まるベッド。
私自身も血にまみれながら
分からない。
どうしてか分からないけど
笑った。
今まで生きてきた中で1番高らかに。
澪
笑いは止まらない。
かけつけた母さんは叫ばなかった。
ただ
悲しげな目で私を見つめていた。