これは、あるひとりのおはなし
その子は中学生で
前髪が長く
やる気もなく
孤独だ
前髪が長いのは
顔を見られたくないからで
やる気がないのは
何をやっても駄目だからで
孤独なのは
誰とも話さないからだ
顔を見られたくないのは
不細工だからで
何をやっても駄目なのは
才能がないからで
誰とも話さないのは
誰も話を聞かないからだ
そして
自分が嫌いだ
だから学校も
部活も
家も
だから、生きたいと思わない
死にたいと思っている
その子はとっくに疲れた
考えることもやめた
死にたくても死ねない
迷惑だからだ
その子はとっくに諦めた
早く帰りたかった
何処にも帰りたくなかった
ひとりだった
だけど
いつもニコニコしてた
楽しそうだった
少し
悲しそうだった
怖いと言う人もいた
馬鹿だと言う人もいた
その子は
何も感じなかった
感じようと思わなかった
ニンゲンではなかった
だけど
本当は
本当は
みんなと
コメント
2件
これ好きだわ