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旧版で書いてますこの垢なので
本垢でもまた二次創作やるかな、まだ投稿前だけど少なくとも今は
キミのニセモノに恋をするのオマージュです
私なんであまおとこむたですね、あまおは「葵真愛」って本名が仮です。ついでにりーちゃんは「琳」が下の名前ってことで
ではどーぞ
別れの季節が過ぎようとする頃
片手を空にかざしながら、雲1つ無い空を見上げていた
今日の予報は雨だったけれど、そんな気配は微塵も感じない
Ama.
そんなぼやきをして、街中を歩く
あの子と初めて会った、この街
1年間何を送っても返事が返ってこなかったのに、最近突然連絡が来た
嬉しかった
初めて会ったあのカフェで、少し話そうと
頭の中でそんなことを思い出して、件のカフェに着く
まだ、約束した時間よりも早い
今日はどれくらい待つかな、なんて考えながら、カフェに入る
なんとなく、店内を見渡してみる
するとそこには、もう既に懐かしい顔があった
珍しいな、なんて思いながら店員と少し話して、あの子がいるテーブルに行く
Ama.
席に腰掛けながら、そう声をかける
じっと俺を見詰めて、何か考えてるように見える
行儀よく座って、時間よりも早く来て俺を待ってた
こむちゃんらしくない、なんて思いながら、次の言葉を待つ
そしたら、予想できないような言葉を言われた
?
Ama.
たった1年で、人は1人の記憶を全て忘れてしまうのだろうか
俺の前にいるのは、本当にこむちゃんなのだろうか
暫く話すと、色々と教えてくれた
俺の言う「こむ」ではなく、自分は「恋麦」と言うこと
大学2年生の頃に母が死んで、そこから1年前までの記憶が無いこと
連絡アプリのブロックリストを見た時、そこに「葵真愛」や「rin」という、見覚えの無い名前があったこと
そして、
恋麦
Ama.
恋麦
Ama.
これが意味すること
子麦粉は、もう世界のどこを探してもいない
子麦粉が1人の人間に現れて消えた、1つの人格だから
恋麦
Ama.
Ama.
…ブロック、か
気づいてほしかったのか気づいてほしくなかったのか、どっちなんだろうな
恋麦
Ama.
恋麦
Ama.
ぐるぐると、頭を回す
最近は少し、記憶が風化してきていた
俺の中で、無意識に子麦粉を美化している気がして
それが嫌で嫌で、たまらなくて、
最近は少し、こむのことを考えるのを避けていた
でも思えば、割とそのままかもしれない
元気が有り余っていて、その元気を人に与えられるような
どんなことも楽しそうにやって、野菜が大嫌いで、意外と料理が美味しくて
こむを見るたくさんの人を温める、太陽だった
そう伝えると、きょとんと目を見開いて言った
恋麦
Ama.
恋麦
…こむと初めて会った時も、そこまでの感情は抱いてなかった
でも確かなことは、こむはずっと太陽みたいだった
恋麦
Ama.
Ama.
恋麦
そう言いながら2人で席を立って、レジへ行く
恋麦
Ama.
恋麦
恋麦
Ama.
手を振って、恋麦さんを見送る
姿形はまったく変わらないのに、中身だけが対を成していた
……こむは、
店員
Ama.
店員
その日は珍しくカフェが満席だった
テーマパークが近いカフェで、その日は三連休最終日だった
お昼時とはいえ、ここまで混むのだろうか
そんなことを考えながら、店員に促されて座った
いつも通りの注文をして、ゆっくり待つ
そうしてたら、正面の子がじっと見つめてきてた
Ama.
子麦粉
子麦粉
それが初めての会話だった
Ama.
子麦粉
Ama.
少し礼儀が抜けた感じではあったけど、元気が伝わってきた
明るい子で、たくさん元気を振りまくんだろうなぁって思った
子麦粉
興味津々な顔で聞いてきて、少し考えた
Ama.
子麦粉
その言葉を聞いて、少し驚いた
確かに、今まで何度かその子を見たことがあった気がした
だから、少し変な提案をしてみた
Ama.
子麦粉
その言葉に、とても驚いていた
Ama.
そう謝ると、あの子は首を横に振って口を開いた
子麦粉
にへらと笑って、そう言った
その言葉がなんだか少しおかしくて、笑ってしまった
子麦粉
むすっと少し頬を膨らませて言った表情が、本当に子供みたいだった
Ama.
Ama.
そう提案し直すと、あの子はにぱっと笑顔を浮かべて
子麦粉
勢い良く、元気よくそう言った
恋麦と知り合って、数週間が経った
ちょくちょく会って笑い話をして、そんな日々が過ぎていった
最近は他のメンバーとも会っているらしくて、双方からたまに話を聞いていた
ふと、こむちゃんのことを思い出した
こむちゃんと恋麦は、似ても似つかない感じがした
笑った顔は似てるのに、笑いのツボは少し違う
好きなものは同じなのに、恋麦はパンケーキを作ろうとすると丸焦げにするらしい
同じ俺と話すのに、話し方がまったく違う
本当に、事実上の同一人物なのだろうか
そんなことをぼんやり考えていたら、スマホの通知が耳に届いた
スマホを手に取って、通知を開く
恋麦からの連絡だった
恋麦
Ama.
会社の飲みに遅くまで付き合わされ、終電を逃したらしい
思えば、もうそんな時間だ
恋麦の方を見てみると、ソファで行儀よく足を閉じている
こむちゃんも少し酒豪だったし、恋麦は限度をしっかり守れるんだろうな
そんなことをぼんやり考えながら、ふとこむのことを思い出した
子麦粉
Ama.
こむちゃんを俺の家に呼んで、2人で宅飲みしてた
俺がギリギリ素面を保ってて、こむちゃんがめっちゃ酒の強さで煽ってたのを覚えてる
こむちゃんは隣でソファに座って完全に寛いでいて、片足を上げて伸びをしていた
Ama.
子麦粉
Ama.
そう言いながら、こむちゃんはもう一口お酒を飲んだ
酔いが回っていたからだろうか、いつもは言わないことを口走った
Ama.
テーブルに突っ伏して、こむちゃんを見上げながら言った
すると、こむちゃんは少し考えてから言った
子麦粉
Ama.
子麦粉
笑いながら、意地悪にそう言う
連絡先も最初から「こむぎ」ってなってた。今考えれば、不自然に思われないように「子麦粉」と名乗ったんだと思う
こむちゃんはずっと分かってたから、明日ねって…
明日…
恋麦
恋麦のそんな呼びかけで、現実に呼び戻される
Ama.
そう聞いたら、恋麦は首を横に振ってから
恋麦
ほんのり赤くなった頬をしてそう返した
Ama.
恋麦
Ama.
少し笑いながら返すと、恋麦は少し驚いてから
恋麦
って、微笑みながら返してくれた
Ama.
恋麦
Ama.
恋麦
Ama.
恋麦
…多分、俺の家で酔い潰れるつもりだっと思う
そういう遠慮なくなってくるとこも、こむちゃんに似てる気がする
……思い出せば思い出すたび、記憶の風化を体感する
でも自然に、恋麦と重なって
………
思い出すのがこんなに辛いのなら、いっそ忘れてしまえばよかった
こんなことになるなら、いっそ…
恋麦
Ama.
恋麦
Ama.
帰り道
隣を歩いていた恋麦が、口を開いた
恋麦
Ama.
なんとなくそこが違和感で、聞き返してみた
恋麦
思わず、足が止まった
少し先に行った恋麦がこっちを振り返って、にこりと笑った
恋麦
Ama.
恋麦
そう謝ると、恋麦は少し俺に近づいた
そして、スマホで1枚の写真を見せてくれた
2人のツーショットだった。俺と、
Ama.
恋麦
恋麦
頭の中で、言葉を反芻させる
そしてふと、自分のスマホのロック画面を開いた
画面には、時間の下に小さく日付と、その後ろに曜日が表情されている
4月25日
この日は、
2020年のその日は、
Ama.
Ama.
Ama.
言い出して、涙が止まらなくなる
こむちゃんと過ごした数年間が、鮮明に蘇る
そこには、確実に恋麦じゃない
子麦粉と俺が、2人でピースをした写真があった
恋麦
その言葉に、恋麦の方を向く
恋麦はスマホを下ろして、俺の方を見て
恋麦
恋麦
あの子みたいな、はにかんだ笑みを浮かべて言う
きっと何度でも、あの子のことを思い出せる
だって間違いなく俺は、こむと過ごしていたから
2人の明日が迎えられるように、
Ama.
また会おうね
ぼうっと、夕焼けが映された水面を眺める
不意に、反射して歪んだ自分の顔が目に入る
「今日が最後だ」と言うように、僕を見てる気がした
子麦粉
昨日までのうちに、準備は大方済ませていた
あとは僕の痕跡を消して、元の家に帰るだけ
痕跡がどれだけあるか分からない
僕が生まれる前の写真を、たくさんコピーした
そうすればフォルダを見ても、あの子は何も不思議に思わない
…今日が、最後なんだ
ずっと前から分かってた
セブプラ以外の心残りだってない
最初から分かってたのに、未練を残した僕が悪い
みんなのことはもう、しょうがないことなんだ
きっとそうだ
……………………
早く帰ろう
あのカフェの前を通り過ぎる
全部が始まった、思い出の詰まったカフェ
立ち止まって眺めていたら、不意に着信音が鳴る
あまちゃんからだ
暇電だとしても、こんな時間に珍しい
歩き出しながら電話に出た
子麦粉
Ama.
子麦粉
Ama.
子麦粉
…次があるか分からない
掛け直す頃には、日付が変わっているかもしれない
家を目指す足を速める
Ama.
Ama.
子麦粉
驚いて、また足が止まる
変わらない景色にはっとして、また足を動かす
Ama.
子麦粉
Ama.
Ama.
Ama.
直感以外あり得ないのに、
どうしてこんなに的確に、言い当てられるんだろう
子麦粉
あまちゃんは今日、かっきーと飲みに東京に来てる
昨日の暇電で教えてもらった
それでも、会うとなれば明日には間に合わない
どうにせよ、未練が残るなら…
子麦粉
Ama.
子麦粉
僕にとって、またあるかすら分からない明日は、
みんなにとっては、当たり前に目の前にある明日で
だから、あまちゃんに明日の約束をすれば…
僕が、約束を破るだけでいい
Ama.
子麦粉
無理矢理電話を切った
気づけば、目の前に家の扉があった
暗い玄関
みんなは、僕の家の場所を知らない
途端に、足の力が抜けていく
スマホは今も、着信音を鳴らしている
きっと出たら、未練が重くのしかかってしまう
早く連絡手段を絶ってしまおう
あの子もきっと、知らない番号からの電話だって出ないだろう
他の連絡先もブロックして、
…ブロックリスト、からは…
……気付いたら、縁ってことでもいいのかな
……………………
子麦粉
スマホはすぐ側で、着信音を鳴らしている
さいごの今日だった
𝚃𝚛𝚞𝚎 𝙴𝚗𝚍
明日