テラーノベル
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⚠ATTENTION⚠
・BL ・ソナチ ・センシティブなし ・実験施設、人外、能力者パロ ・なんでも許せる方向け
⚠️戦争賛美、政治的な意図、政治思想、思想的な主張は決してございませんのでご了承ください ⚠️史実とは一切関係ありません ⚠️史実ネタでもございません ⚠️すべて、私の妄想です
では、どうぞ⬇
奥の通路は、白ランクの部屋とは空気がまるで違っていた。 照明は同じはずなのに、光が重い。 壁が近い。 音が吸われていく。
——ガンッ。
あの音の正体を確かめるために歩いてきただけだ。 それなのに、足が一歩進むごとに、理由の分からない圧が増していく。
扉の前で、立ち止まる。
開く前から、分かってしまった。 中にいる。 しかも、ただの被検体じゃない。
扉が自動で開いた瞬間、 空気が変わった。
そこにいたのは、一人の男だった。
背は高く、姿勢が異様に整っている。 こちらを見ているだけなのに、視線が逃げ場を塞ぐ。 威圧、という言葉では足りない。 存在そのものが、周囲を押し潰している。
——黒ランク。
資料で見た情報と、実物は一致していた。
ソ連。
この施設で、最も危険とされる存在。
だが、奇妙だった。
こちらが入ってきた瞬間から、 ソ連の視線は一度も逸れていない。
ナチは一歩、足を進めた。 それだけで、肺の奥が重くなる。
沈黙。
時計の音すら、聞こえない。
先に口を開くべきなのは自分だと分かっているのに、 声が喉の奥で引っかかる。
——怖い、わけじゃない。
そう結論づけようとして、 「違う」とすぐに思い直す。
これは恐怖ではない。 もっと別の、説明しづらい圧迫感だ。
…しばらくして、ソ連が動いた。
ゆっくりと、こちらへ近づいてくる。 距離が縮まるたび、空気が濃くなる。 逃げる理由はない。 だが、身体が勝手に緊張する。
わずか数センチ。 息が触れるほどの距離で、ソ連は立ち止まった。
低い声が落ちる。
ソ連
ソ連
一瞬、思考が止まった。
ナチ
問い返す声は、自分でも驚くほど落ち着いていた。
ソ連は答えない。 ただ、こちらを見る。
視線が、鋭い。 観察、というより—— 確かめている。
ソ連
ぽつりと、そう言った。
ソ連
その言葉に、はっきりした意味はない。 だが、胸の奥に小さな引っかかりが残る。
ナチ
静かにそう告げると、ソ連はわずかに目を細めた。
ソ連
一拍、間。
ソ連
また、視線が絡みつく。
ソ連
それだけだった。
理由も、説明もない。 なのに、逃げ場がない。
ソ連は、 自分を“調べている”わけじゃない。 もっと原始的で、もっと直接的な何かだ。
——確認。 ——選別。
そんな言葉が、頭をよぎる。
ナチは一歩、距離を取った。
ナチ
それ以上話す必要はない。 そう判断して、背を向ける。
歩きながら、思考を整理する。
この施設は、どこか……おかしい。
黒ランクは厳重に管理されているはずだ。 なのに、ソ連は、こちらの存在を知りすぎている。
それに——
あの視線。 研究施設で向けられるものではない。
扉が閉まる。
背中に残る圧を振り切るように、 ナチは白ランクの部屋へと足を速めた。
——今は、まだ分からない。
だが一つだけ、確かなことがある。
この施設は、 何かを隠している。
そして、
ソ連という存在は、その中心に近すぎる。
To be continued
コメント
5件
ふぁ…続きが気になりますね…( ´ཫ` )