赤姫の前世と今

ごく普通の家庭で産まれた女の子

名前は妃夢乃 紅音/ﾋﾒﾉ ｱｶﾈ

他の家庭とは変わらず ごく平凡な日々を送っていた

コンコン

ガチャ

そう言ってなつみは

ジーンズのポケットからあるものを取り出した

シャラ…

カチ、カチ、カチ

微かに時計の刻まれる音が聞こえる

なつみが差し出した掌に

紅音は懐中電灯を置いた

ｶﾁｯ

なつみから渡された懐中電灯の中を

ゆっくりと覗いた

なつみは優しく微笑むと紅音の部屋から出ていった

紅音は立ち上がると

自分の机の上に飾ってある

アクセサリー飾りに掛けた

カチ

紅音は部屋の電気を消すと ベッドに潜り込んだ

紅音は星空の下、丘の上に立っていた

紅音は声のする方を向いた

そう言うと少年は紅音の方に歩み寄ってきた

少年が出した右手を 紅音は反射的に払いのけた

暗闇で少年の顔がよく見えない

すると、薄い雲におおわれていた月が 姿を現し、少年を照らした

紅音は月明かりに照らされた少年の顔に見覚えがあった

時風 夢羅晴/ﾄｷｶｾﾞ ﾕﾗﾊ

紅音と幼なじみで同じクラス、 そして、紅音の好きな人だった

夢羅晴は紅音の手を取り

一気に走り出した

紅音は戸惑いながらも走る

すると

ヒュッ

紅音は右腕に鋭い痛みを感じた

夢羅晴は止まり紅音の腕を見た

紅音の腕には細い傷があった

夢羅晴は紅音の腕にキスをした

夢羅晴は紅音の腕から溢れる血を吸って吐いてを繰り返した

しばらくすると血は止まった

夢羅晴は自分の服を破り 紅音の傷口に巻いた

そして2人は走り出した