テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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ミステリと恋は交われない

第3話 - 温泉旅館の水死体【前編】

1,257

2024年07月06日

#司類

#冬彰

#ミステリー

#ホラー

#推理

あかまる🍓🐾໊

探偵事務所

類(探偵)

……

類(探偵)

(先日の事件…結局、モブ男さんが逮捕された。)

類(探偵)

(あのあと更に証拠も見つかったようだし、ほぼ確定、なのだけど…)

類(探偵)

(どうしてこんなにも腑に落ちないんだろうか…)

彰人(助手)

先生〜、おはようございまーす

類(探偵)

おはよう、彰人くん。

彰人(助手)

先生、明後日から暇ですか？

類(探偵)

え？う〜ん、今のところ依頼はないけど…

彰人(助手)

だったら、これ行きません？

類(探偵)

…温泉旅行券？

彰人(助手)

知り合いから貰ったんすよ。一緒にどうかなって。

類(探偵)

え、っと…う〜ん…僕はいいけど、君はいいのかい？

類(探偵)

別に僕じゃなくても、他に誘える人くらいいるんじゃ…

彰人(助手)

今回は先生と行きたいんで。

彰人(助手)

それに、俺もまだ助手になって日浅いですし、先生の事もっと知っといた方がいいと思って。

類(探偵)

まぁ…君がいいならいいんだけど、

ショッピングモール

ガランガランッ

店員

大当たり〜〜

司(警部)

む、

店員

1等の豪華温泉街旅行券です！

司(警部)

温泉街か…

司(警部)

(この間のパーティーはあまり息抜きにならなかったからな。)

司(警部)

(上とも相談して、行ってみるのもありか。)

新幹線

類(探偵)

ﾑｽｯ

司(警部)

ﾌｲｯ

類(探偵)

…なんでこんな所にもいるんですか、警部？

司(警部)

それはこちらのセリフだ、探偵。何故ここにいる。

類(探偵)

郵便受けにチケットが入っていたんですよ。

司(警部)

俺はショッピングモールの福引きで1等が当たっただけだ。

類(探偵)

えぇ…相変わらず運がお強いようで、

司(警部)

まぁな。

彰人(助手)

あ、青柳さんちわっす。

冬弥(刑事)

あ、こんにちは。

彰人(助手)

そっちも警部の付き添いですか？

冬弥(刑事)

はい。光栄な事に誘って頂きまして、

彰人(助手)

ふーん…あ、ねぇ先生。

類(探偵)

何だい？

彰人(助手)

俺、青柳さんの隣でもいいっすか？

類(探偵)

え？！

司(警部)

？！

類(探偵)

え、いや、ほら、青柳くんは警部とがいいだろう？

冬弥(刑事)

えっと…どちらでも…

彰人(助手)

いいじゃないですか。どうせこの4席予約してるんですし。

彰人(助手)

俺ら後ろの2席座るんで。

類(探偵)

え、えぇ……

司(警部)

と、冬弥…

冬弥(刑事)

えっと…すみません、東雲さんとでもいいですか…？

司(警部)

何っ？！？！

類(探偵)

(まさかこうなるとは…)

類(探偵)

ﾁﾗｯ

司(警部)

ﾑｽｯ

類(探偵)

(すごい仏頂面…)

類(探偵)

(…似合わないな。)

類(探偵)

(はぁ、彰人くんったらどういう風の吹き回しで…僕に対する嫌がらせか何かなのか？)

類(探偵)

(そうだ、隣になったって、どうせ話すことも無いんだし、寝て時間を潰せば…)

司(警部)

先日の…モブさんの件なんだが、

類(探偵)

！

司(警部)

これは警察内の機密情報だが、お前には知る権利があると判断して話す。

司(警部)

モブ男さんの所持していたロープから、モブさんのDNAは検出されなかった。

類(探偵)

！！

司(警部)

少なからず、絞めたなら皮膚くらいは付着するはずだ。しかし、何も付着していなかった。

司(警部)

タオルか何かを巻いてから絞めた可能性もあるが…

類(探偵)

…

司(警部)

けど、あの状況でモブ男さん以外は有り得ない、と判断されてしまってな。

司(警部)

一応抗議はしたが、俺の方も何も分かってないもんで…結局、逮捕になってしまった。

類(探偵)

…そうかい。

司(警部)

お前は…どう思う？やはり、モブ男さんだと思うか？

類(探偵)

…いいや、これはただの勘だけれど、犯人は別にいる気がする。

司(警部)

ふむ、お前の勘は嫌という程当たるからな…

類(探偵)

色々な可能性も考えてみたんだ。あの状況で、一度全員を犯人として考えてみた。

類(探偵)

けど、モブ男さん以外じゃどうにも辻褄が合わなくなる…

類(探偵)

それが気持ち悪い。

司(警部)

妙だよな。普通、真実に辿り着くルートが1つしか無かったら気持ちがいいものなのに。

司(警部)

俺も、漠然とした気持ち悪さを感じるんだ。

類(探偵)

…分からない、、

司(警部)

お前がそこまで悩むなんて珍しいな。

類(探偵)

僕にだって、限界はあるからね。

彰人(助手)

あの人たち、折角の旅行なのに仕事の話して…

冬弥(刑事)

まぁ…職業柄、仕方ないと思います。

彰人(助手)

青柳さんも刑事でしたよね？

冬弥(刑事)

はい、一応。まだまだ未熟者ですが…

彰人(助手)

いや、けど若いっすよね。いくつですか？

冬弥(刑事)

今年で23です。

彰人(助手)

え？！嘘、同い歳？！

冬弥(刑事)

えっ、そうなんですか？

彰人(助手)

はい。てっきり歳下かと…

冬弥(刑事)

いや…俺も東雲さん、まだ10代かと思ってました。

彰人(助手)

あれ、そんなにガキっぽいですか？

冬弥(刑事)

えっと、少し幼いなと…

彰人(助手)

おい！w

冬弥(刑事)

ふふっ、すみません。

温泉街

司(警部)

おお、中々いい景色だな。

冬弥(刑事)

なんだか落ち着きますね。

類(探偵)

彰人くん、それくらい持つよ。

彰人(助手)

いやいや、いいですって。持っていきますから。

司(警部)

宿はあっちだったか？

冬弥(刑事)

はい。この街でも有名な旅館らしいですよ。

旅館ロビー

穂波(女将)

皆様、ようこそお越しいただきました。

穂波(女将)

こちら、お部屋の鍵となっております。万が一無くしてしまった場合は従業員にご報告下さいね。

穂波(女将)

当店の施設は全て、自由に利用していただいて構いません。では、ごゆっくりどうぞ。

旅館の一室

類(探偵)

へぇ、結構広いねぇ

彰人(助手)

そっすね。うわ、掛け軸とか高そ〜

彰人(助手)

あ、荷物ここでいいっすか？

類(探偵)

うん、ありがとう。

類(探偵)

そういえば、夕飯は19時らしいよ。

彰人(助手)

へー、まだ2時間くらいありますね…

彰人(助手)

じゃ、せっかくだしちょっと温泉入ってきます。

類(探偵)

え、今から？

彰人(助手)

温泉来たんだし、入らないと損でしょ。先生もどうすか？

類(探偵)

えぇ〜…僕は…温泉とか苦手だし、部屋のお風呂でいいかな…

彰人(助手)

は？！それは勿体ないですって！

彰人(助手)

せっかく来たんですし行きましょうよ〜

類(探偵)

う〜ん……

彰人(助手)

夕飯に野菜出た時食べてあげますから〜(人参以外)

類(探偵)

え、じゃあ行く。

彰人(助手)

ちょっろ

類(探偵)

喧嘩なら買うよ？

彰人(助手)

すんません

温泉

類(探偵)

……あのさぁ、

司(警部)

ん"？！

類(探偵)

行く先々に現れるのやめてもらっていいかい？

司(警部)

なっ、それはこっちの台詞だ！！何故ここにいる！？

冬弥(刑事)

え、温泉なんだし普通では…

司(警部)

いや、コイツ大浴場とか温泉嫌いなんだ。

司(警部)

なのに…この2年で好きになったとでも言うのか？

類(探偵)

ふん、そんなわけないだろう。

類(探偵)

彰人くんがどうしてもって言うから着いてきてあげただけさ。

彰人(助手)

だってせっかく来たのに勿体ないじゃないですか〜

類(探偵)

別に僕はそう思わないんだけど…

彰人(助手)

えー、やっぱ先生変わってますね。

類(探偵)

えぇ、そうかな…

彰人(助手)

あ、先生。背中流しましょうか？

司(警部)

ん"っ？！？！

類(探偵)

えっ…いいや、遠慮しておくよ。

類(探偵)

…ふふ、露天風呂も悪くないね。何時までも浸かってられそうだ。

司(警部)

そう言って逆上せたのは誰だったか？

類(探偵)

う、うるさいな。いつの話してるんだい…

類(探偵)

…君も、一緒に逆上せてたじゃないか。

司(警部)

む、そうだったか？

類(探偵)

そうだよ。あの時の君ったら、まるで茹でダコみたいな顔して…

司(警部)

ち、ちょっと酷くないか？！

類(探偵)

あははっ、

類(探偵)

ﾊｯ

司(警部)

…

類(探偵)

…

彰人(助手)

青柳さん…なんかあの人たち面倒くさいんですけど…

冬弥(刑事)

な、何かきっと事情があるんですよ。

彰人(助手)

見てらんねぇ…違う風呂行こうかな、

冬弥(刑事)

え、えぇ…

彰人(助手)

青柳さんも来ます？

冬弥(刑事)

えっと…じゃあ、ご一緒していいですか？

彰人(助手)

もちろんです。向こう行きましょー

ロビー

彰人(助手)

ふー、ちょっと逆上せましたね。大丈夫ですか？

冬弥(刑事)

え、ええ。はい…

類(探偵)

あっ、ちょっと彰人くん！僕のこと置いていったでしょ！

彰人(助手)

えー？いや、警部さんと話してましたし〜

類(探偵)

なっ！

彰人(助手)

おっ、卓球あんじゃん。皆でやりましょうよ。

司(警部)

お前めちゃくちゃマイペースだな…

「キャハハハハッw」

冬弥(刑事)

ﾋﾞｸｯ

類(探偵)

(あれは…大学生かな？)

モブ恵(大学生)

えー！ヤバっww

モブ奈(大学生)

キモすぎwww

モブ美(大学生)

モブ子ってそういうとこあるよねーw

モブ子(大学生)

えっ、あ、あはは…w

彰人(助手)

げ、なんだアイツら。なんか感じ悪〜

類(探偵)

こらこら、すぐイライラしないの。

冬弥(刑事)

大学生みたいですし、そういう時期なんでしょう。

司(警部)

で、結局卓球行くのか？

彰人(助手)

もちろん行きますよ。ね、先生！

類(探偵)

え、僕も？

彰人(助手)

当たり前でしょ。みんなで行きますよ。

※卓球場だと思ってください

卓球場

カコンッカコンッ

カコンッ

司(警部)

なっ！！

彰人(助手)

よっしゃー！俺の勝ちっすね！

司(警部)

ぐっ、もう1回だ！！

類(探偵)

本当に負けず嫌いだねぇ

冬弥(刑事)

よくあんなに動けますよね…

類(探偵)

ふふ、青柳くんはやらなくていいのかい？

冬弥(刑事)

はい。俺は運動は苦手なので、

彰人(助手)

先生と青柳さんもやりましょうよ！

類(探偵)

えー

司(警部)

冬弥もやったらどうだ？

冬弥(刑事)

お風呂入った後に汗かきたくないんですけど…

類(探偵)

同感。

彰人(助手)

えー、どうせ飯食った後にもう1回入るんだしいいでしょ。

類(探偵)

え、もう1回入るの？！

彰人(助手)

え？当たり前でしょ。

彰人(助手)

はい、ラケット。

類(探偵)

僕あんまり卓球やらないんだけど…

「キャハハハハッw」

モブ美(大学生)

えー！卓球あるじゃん！やろやろ！

モブ奈(大学生)

いーねー！

モブ恵(大学生)

私卓球とかあんまりやったことないんだけど〜w

モブ子(大学生)

卓球…楽しそうだね。

類(探偵)

(ちょっと声大きいな…)

数十分後

類(探偵)

はぁっ、はぁっ、ちょ、休憩…！

彰人(助手)

え、嘘でしょ？！体力無！！

司(警部)

おお、大丈夫か？ほら、水。

類(探偵)

あ、ありがとう…

冬弥(刑事)

神代さん、大丈夫ですか…？

類(探偵)

青柳くん…意外と体力あるんだね…

冬弥(刑事)

一応、刑事ですので…

彰人(助手)

先生は頭脳に全振りしてますからねー

類(探偵)

否定はしないよ…

「あははははっ！！ww」

モブ美(大学生)

モブ子ダサーwww

モブ奈(大学生)

運動神経わるっ！ww

モブ恵(大学生)

大丈夫ー？ww

モブ子(大学生)

あっ、あははっ…wごめんね、

モブ美(大学生)

えっ、てかさー！！ww

モブ彦(社会人)

あの、少し声抑えてもらえませんか？

モブ奈(大学生)

は？何このオッサン

モブ恵(大学生)

別によくなーい？

モブ子(大学生)

す、すみません…！

モブ美(大学生)

ちょっと〜、オッサンは可哀想だよ〜w

モブ美(大学生)

ごめんね、お兄さん〜

モブ彦(社会人)

…

モブ奈(大学生)

あはははっwww

司(警部)

お、そろそろ19時になるぞ。移動した方がいいんじゃないか？

類(探偵)

あっ、本当だね。片付けて移動しようか。

水仙の間

類(探偵)

わぁ、豪華な料理〜

彰人(助手)

すげぇっすね、これ。

司(警部)

冬弥、食べきれなかった分は食べてやるから安心しろ。

冬弥(刑事)

あっ、ありがとうございます！

類(探偵)

はい、彰人くんあげる。

彰人(助手)

はいはい。

司(警部)

む、好き嫌いは良くないぞ、探偵。

類(探偵)

うるさい警部さんだねぇ、関係無いだろう。

旅館の一室

類(探偵)

ふー…結局もう1回入っちゃったよ…

彰人(助手)

いいじゃないですか。

類(探偵)

うん、いいんだけどねぇ…おや、もう20時か。

彰人(助手)

あ、先生って寝るの早いんでしたっけ？

類(探偵)

普段は22時ごろには寝てるよ。

彰人(助手)

は？おじいちゃんじゃないですか

類(探偵)

絞殺と撲殺どっちがいい？

彰人(助手)

こっわ

類(探偵)

早く寝ないと思考力が鈍ってしまうんだよ。昔は日付が変わってから寝てたものだけど…

類(探偵)

…22時くらいに寝るのが習慣になってしまったのさ。

彰人(助手)

ふーん？

彰人(助手)

ま、今日は俺も疲れたしそのくらいで寝ます。

類(探偵)

あと2時間何する？

彰人(助手)

俺トランプ持ってきましたよ。

類(探偵)

え、2人でトランプ？

彰人(助手)

なんなら青柳さんたち呼びます？

類(探偵)

え、やだ。

彰人(助手)

えー、部屋近かったし呼びましょうよ。

類(探偵)

嫌だ。君が青柳くんの所へ行って来れば？

彰人(助手)

あっ、たしかに。

彰人(助手)

じゃー、ちょっと行ってきますね。

類(探偵)

はいはい。22時くらいには戻ってきてね。

彰人(助手)

了解っす。

類(探偵)

ふー…

類(探偵)

…ｿﾞｸｯ

類(探偵)

？なにか嫌な予感がする…

コンコン

類(探偵)

ﾋﾞｸｯ

穂波(女将)

すみません、失礼します。

類(探偵)

(びっくりした…)

穂波(女将)

お茶をお持ちしました。

類(探偵)

あぁ、ありがとうございます。

類(探偵)

あ、そうだ。同室人は517の部屋に移動してます。

穂波(女将)

あぁ、ふふっ、分かりました。ではそちらに三人分お持ちしてきますね。

類(探偵)

あの、すみません。

穂波(女将)

はい？

類(探偵)

こんな夜にお茶を全員に配っているんですか？

穂波(女将)

はい。当店のサービスでして、お食事後に順番にお茶を持って回っています。

穂波(女将)

あとは、何か困ったことや聞いておきたいことがあった時、こうして回っていると言いやすいかと思いまして。

穂波(女将)

夜の20時以降は、システムの関係上電話が使えなくなってしまいますから。

類(探偵)

ああ、なるほど…

類(探偵)

(たしかに、ここは5階だし、ロビーは反対の棟だから行くの面倒くさいかも…)

穂波(女将)

他に何かお聞きしたい事はございませんか？

類(探偵)

ああ、いえ。特に…ありがとうございました。

穂波(女将)

ふふっ、はい。では、ごゆっくりどうぞ。

類(探偵)

(若いのにしっかりとした、雰囲気のある人だったな…)

夜 22時

類(探偵)

楽しかったかい？

彰人(助手)

はい。先生も来れば良かったのに。

類(探偵)

いやぁ、僕は行かないよ。

類(探偵)

(彼の笑顔が消えてしまうのは嫌だし…)

類(探偵)

(…料理も美味しかった。お風呂も、まぁ悪くなかった。)

類(探偵)

(楽しい旅行だったはずだ。…僕がいなかったら…)

類(探偵)

(…なーんて、随分と卑屈だね。)

類(探偵)

(考えるのやめ！寝よっと)

シャーー…

ブクブク…

ミステリと恋は交われない

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最後の何⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️次の日風呂場から水死体でも見つかるんじゃないの！？！？！？

今回のお話も最高でした〜🫶💕︎︎ パーティーの次は温泉ですか…！！続き待ってます🥰🥰

あかまる🍓🐾໊

プロフィール

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ミステリと恋は交われない

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