人気作家・橘勝矢が開催する“新作発表記念パーティー”。 しかしその実態は──隠し原稿のありかを示す「暗号ゲーム」が仕込まれた謎解きイベントだった。 日野森警部はゲストとして、一歌は“不審な脅迫状の件”で警部に同行して会場へ。 会場には東雲彰人、天馬咲希、星乃一歌、日野森志歩らも招待され、華やかな雰囲気に包まれていた。
司会「それでは!橘先生が用意された“原稿の隠し場所”を探す暗号ゲーム、開始でーす!」 参加者が色めき立つなか、一歌は警部と共に手掛かりを追う。 だが── 酒に酔った橘が、突然一歌に絡んでくる。 橘(酔っている) 「お前……さっきからウロチョロして……盗みに来たんじゃないだろうな?」
周囲がざわつき、一歌は真っ青になって必死に否定。 志歩がすぐ間に入り、
日野森志歩(警部)
と一歌をかばうが、橘は聞く耳を持たない。 ⸻ ■ トラブルの直後 一歌は胸を押さえながら、ぽつりとつぶやく。
星乃一歌(探偵の孫)
志歩は心配そうに見守るが、一歌は小さく微笑んで会場奥へ向かった。
東雲彰人(探偵助手)
彰人と咲希は慌てて後を追う。 ⸻ そして“事件”は起きた 薄暗い控え室。 杏と咲希がドアを開けた瞬間── 橘勝矢が床に倒れていた。 胸にはナイフ。 その横で、凶器を手に立ち尽くす 星乃一歌。 血の気のない顔で、ただ震えながら。
東雲彰人(探偵助手)
天馬咲希(幼なじみ)
凶器を持つ一歌の手は、震えていて、床には一歌の足跡と橘の倒れた拍子の破片が散らばる。
星乃一歌(探偵の孫)
警報が鳴り響き、会場が騒然となる。 ⸻ ■ 警察の到着 日野森警部が一歌の前に立つ。
日野森志歩(警部)
星乃一歌(探偵の孫)
志歩は崩れ落ちるように叫ぶ。
日野森志歩(警部)
しかし──証拠も状況も、あまりに“一歌が犯人”を指していた。 物語は次のステージへと進む。 一歌の“本当の運命”が動き出す──
■ シーン1:一歌、指名手配へ 橘勝矢殺害事件の“重要参考人”から一気に格上げされ、 星乃一歌は正式に指名手配されてしまう。 ニュースで名前が流れ、街に貼られた指名手配ポスター。 Leo/needの望月穂波も、MORE MORE JUMP!のメンバーも言葉を失う。 志歩は必死に言う。
日野森志歩(警部)
しかし証拠は全て一歌を指している。 あるはずのない“一歌の指紋”が、橘の原稿が入っていた箱に残されていたのだ。 ⸻ ■ シーン2:捜索網が広がる 夜。雨が降り始める。 警察無線 「指名手配犯・星乃一歌、付近の公園で目撃情報!!」 巡査たちが一斉に走り出す。 警部の志歩・咲希・彰人もそれを聞きつけ、雨の中へ。 ⸻ ■ シーン3:公園の茂みに── 公園の茂みの奥で、一歌はぐったりしていた。 雨に濡れて、震えながら、紙切れを握って。 あの紙…… “志歩へ 私を信じて。お願い。” 志歩は紙を握りしめ、歯を食いしばる。
日野森志歩(警部)
■ 舞台はビル屋上へ 追い詰められた一歌は逃げ場を失い、雨が降りしきるビルの屋上へ出る。 冷たい雨の中、一歌は息を乱しながら振り返る。 そこへ── 志歩、咲希、彰人が屋上の扉を開けて飛び込んでくる。
天馬咲希(幼なじみ)
東雲彰人(探偵助手)
一歌は震える声でつぶやく。
星乃一歌(探偵の孫)
志歩の手が震えてる。 外套の下には、警察貸与の“空砲入り”の拳銃。
日野森志歩(警部)
雨音が銃声を飲み込む。 ──パンッ!! ⸻ ■ 一歌、崩れ落ちる 撃たれた一歌はそのまま志歩の胸に倒れ込む。
天馬咲希(幼なじみ)
東雲彰人(探偵助手)
志歩は涙が止まらない。 震える声で叫ぶ。
日野森志歩(警部)
■ シーン6:救急車の中 救急隊員が運び込むストレッチャー。 一歌は胸を押さえながらうっすら目を開ける。
天馬咲希(幼なじみ)
その瞬間、 一歌のブレザーのポケットから── 赤いケチャップがにじんでいた。
天馬咲希(幼なじみ)
涙で顔がぐしゃぐしゃの咲希は、その場で崩れ落ちてしまう。
天馬咲希(幼なじみ)
志歩は静かに目を閉じる。 拳を握りしめながら。
■ 救急車のサイレン 雨に濡れたまま運び込まれた一歌。 救急車の中で、志歩はずっと俯いて頭を抱えていた。
日野森志歩(警部)
咲希は泣きじゃくりながら一歌の手を握り、 彰人は唇を噛みしめて横を向く。 サイレンの音だけが響く。
■ シーン2:志歩、決断する 志歩はふと、一歌の胸元の“赤い染み”を思い出す。 ──ケチャップ……?
日野森志歩(警部)
返事はない。 志歩の顔は焦りと罪悪感でぐしゃぐしゃになる。
日野森志歩(警部)
一歌のおでこに、パチンッ! とデコピン。
日野森志歩(警部)
■ 奇跡のように
星乃一歌(探偵の孫)
日野森志歩(警部)
天馬咲希(幼なじみ)
東雲彰人(探偵助手)
一歌はおでこを押さえながら、涙目でむく。
星乃一歌(探偵の孫)
咲希は感情が爆発して一歌に抱きつき、 号泣しながら背中をぽこぽこ叩く。
天馬咲希(幼なじみ)
■ 謎の“赤い染み”の正体 志歩は一歌のブレザーのポケットに手を突っ込む。
日野森志歩(警部)
一歌は気まずそうに笑う。
星乃一歌(探偵の孫)
日野森志歩(警部)
思わず救急車の中に脱力した空気が広がる。 ⸻ ■ しかし、状況は最悪のまま 救急救命士 「意識がはっきりしてますね。 ……ただ、警察の方が病院に来るそうですよ」 志歩の表情が一瞬にして曇る。
日野森志歩(警部)
咲希も不安げに見つめる。
東雲彰人(探偵助手)
一歌は震える声でつぶやく。
星乃一歌(探偵の孫)
志歩は一歌の手を強く握る。
日野森志歩(警部)
救急車は病院へ向かうが── このあと、一歌は“病院に運ばれずに済む方法”を志歩が考えつき、 新たな転機へと進むことになる……。
■ 橘家へ 救急車から抜け出しひと息ついた後、 一歌たちは“真相を掴むため”橘の屋敷へ向かう。 広くて静かな洋館。 その前で、一歌は大きな声で呼びかけた。
星乃一歌(探偵の孫)
突然の声に、背中を丸めた老人執事がビクッと振り返る。 菊蔵 「び、びっくりしたァ……。 なんですかい、一歌様……」 ⸻ ■内線の“あの電話”
星乃一歌(探偵の孫)
菊蔵 「ええ、たしかに電話来ましたよ。 こちらの内線でね」 そう言って、壁に設置された古い内線電話を見せる。
星乃一歌(探偵の孫)
菊蔵 「あぁ……換気をよくしようと思って、 寝室のドアを開けました」 ⸻ ■ 実演 一歌は身を乗り出す。
星乃一歌(探偵の孫)
菊蔵 「はぁ?まぁ、いいですけど……」 訝しがりながらも、菊蔵は寝室へ案内する。 菊蔵 「いいですか?こうやって──」 寝室のドアを開く、その瞬間。 一歌の目が大きく見開かれる。 空気の流れ。 部屋の位置。 扇風機。 エアコン。 倒れた橘の位置。 凶器の飛ぶ角度。 すべてがピタッと一本の線でつながる。
星乃一歌(探偵の孫)
日野森志歩(警部)
星乃一歌(探偵の孫)
■ 屋敷の外へ飛び出す 一歌は屋敷を飛び出し、雨の残る庭をぐるりと見渡す。 視界の中にあるものが、すべて“仕掛けの答え”として並んでいく。
星乃一歌(探偵の孫)
日野森志歩(警部)
一歌は強く頷き、ゆっくり振り向く。 そして── 晴れやかで確信に満ちた表情で宣言する。
星乃一歌(探偵の孫)
雨上がりの風が吹き抜け、 まるで空が“一歌の答え”を祝福しているみたいに見えた。
■ 橘家に響く足音 橘家の重い廊下に、コツ……コツ……と足音が近づく。 一歌は書斎の中央で静かに立ち上がり、 暗闇の奥に声を投げた。
星乃一歌(探偵の孫)
足音が止まる。 そこへ、志歩が警察の証拠袋を持って入ってくる。
日野森志歩(警部)
影の人物が微かに揺れる。 ⸻ ◆ 一歌の推理が始まる
星乃一歌(探偵の孫)
影は沈黙。
星乃一歌(探偵の孫)
一歌は続ける。
星乃一歌(探偵の孫)
星乃一歌(探偵の孫)
影の人物の肩がピクリと揺れる。
星乃一歌(探偵の孫)
星乃一歌(探偵の孫)
◆ 暗号の正体 一歌はホワイトボードに名前を書く。 大村 → 時任 → 桂木 → 野中
星乃一歌(探偵の孫)
菊蔵の証言、橘の行動、全てが一本で繋がる。 一歌は書斎の壁にある大時計の前に立つ。
星乃一歌(探偵の孫)
時計の扉を開く。 中には、小さな SDカード が差し込まれていた。
星乃一歌(探偵の孫)
影の人物の呼吸が荒くなる。 ⸻ ◆ 決定的な証拠 志歩が証拠袋を掲げる。
日野森志歩(警部)
星乃一歌(探偵の孫)
回想シーン 橘に詰め寄る影の人物。 ドアの音が聞こえて慌てて立ち去る。 一歌が駆け込む。
星乃一歌(探偵の孫)
視界が暗くなる。
星乃一歌(探偵の孫)
日野森志歩(警部)
影の人物の体が震え始める。 ⸻ ◆ ついに正体を暴く 一歌が灯りのスイッチを押す。 パッ。 光に照らされ、影の人物の顔が露わになる。
星乃一歌(探偵の孫)
都築の顔は蒼白に歪む。 一歌が指を突きつける。
星乃一歌(探偵の孫)
都築さん
屋敷に緊張の空気が走る。
■ 都築の最後の抵抗
都築さん
不敵な笑み。 しかし志歩が一歩前に出る。
日野森志歩(警部)
都築さん
一歌が静かにタブレットを持ち上げる。
星乃一歌(探偵の孫)
◆ メガネの矛盾
星乃一歌(探偵の孫)
タブレットには都築の写真の比較。 事件前:近視レンズで輪郭が凹む 事件後:老眼鏡で輪郭が膨らむ
都築さん
星乃一歌(探偵の孫)
周囲 「老眼鏡!? 誰の?」
星乃一歌(探偵の孫)
都築の顔が強張る。
星乃一歌(探偵の孫)
星乃一歌(探偵の孫)
都築は青ざめて後ずさる。 ⸻ ◆ 足跡のトリック
都築さん
星乃一歌(探偵の孫)
外のテラスに移動する一歌たち。 雨で地面はまだ湿っている。
星乃一歌(探偵の孫)
ドアの前に立つ一歌。
男性 「書斎の……ドア?」
星乃一歌(探偵の孫)
一歌はドアノブに足をかけ──
星乃一歌(探偵の孫)
コツ、コツ、コツ…… 足跡は地面に一切つかない。
星乃一歌(探偵の孫)
都築さん
◆ 一歌、最後のトドメ 一歌は静かに言う。
星乃一歌(探偵の孫)
都築さん
星乃一歌(探偵の孫)
都築の顔がみるみる蒼白になる。
星乃一歌(探偵の孫)
星乃一歌(探偵の孫)
一歌が都築をまっすぐ指差す。
星乃一歌(探偵の孫)
都築さん
ついに都築は追い詰められた。
■ 逆上 一歌が都築を指差し、動機もトリックも暴き切った瞬間── 都築の表情が“崩れる”どころか、逆に不気味に歪む。
都築さん
都築がポケットに手を入れた。
日野森志歩(警部)
次の瞬間── 銀色が閃き、都築は自分の脇腹へナイフを突き立てた。 志歩・一歌・男性 「!!??」 都築は膝から崩れ落ち、血を吐く。
都築さん
男性 「おい!都築くん!!しっかりしろ!!」 都築の目が虚ろになり、呼吸が浅くなる。 ⸻ ■ 救命のための決断 一歌はすぐに膝をつき、都築の体を支える。
星乃一歌(探偵の孫)
しかし志歩が首を振る。
日野森志歩(警部)
志歩は無線を掴んで叫ぶ。
日野森志歩(警部)
慌ただしく警官たちが動き出し、都築はストレッチャーごとヘリへ運ばれていく。 ローターの風が激しく巻き上がり、血の匂いが消えていく。 命のカウントダウンが始まっていた。 ⸻ ■ 雨の路地で──再会 ヘリが飛び去った後、 タクシーが急停車し、ドアが開く。
天馬咲希(幼なじみ)
東雲彰人(探偵助手)
2人が駆け寄り、一歌に同時に抱きつく。 咲希は涙声で叫ぶ。
天馬咲希(幼なじみ)
一歌も涙で目を潤ませながら抱き返す。
星乃一歌(探偵の孫)
彰人は顔を背けてつぶやく。
東雲彰人(探偵助手)
3人は雨上がりの路地で、ようやく互いの無事を確かめ合う。 ⸻ ■ オチ そこへ、慌てたようすの冬弥が走ってくる。
青柳冬弥(刑事)
日野森志歩(警部)
志歩はその場で固まり、次の瞬間、 唖然とした顔のまま全速力で走り出す。 一歌・咲希・彰人 「(……えぇ……)」 と呆然。 事件の緊張が、ようやくふっとほどけた瞬間だった。
コメント
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これってあれですか?最初は作戦通りの計画だったんですか?