亮平と出会ったのは、確か6、7年前だった気がする。
俺は周りの子達よりも身体が小さくて頭も悪かったから、
たくさんバカにされて、嗤われる。…そんな毎日だった。
周りの目が怖くて、だけど親に心配かける訳にも行かなくて
だけど、そんな俺を助けてくれたのが『亮平』だった。
"なんだよ、誰だお前"
亮平
……
"おい、誰だって聞いてんだよ!"
亮平
"字面からもううるさいよ。黙っててくんない?"
"あぁ!?"
亮平
"こんな無駄なことしてる暇があったら、しっかり勉強しなよ"
"関係ねぇ奴は引っ込んでろ!"
亮平
"関係あるよ。この王国の話だもん。"
"てめぇ、何様のつもりだよ!"
亮平
"あーもう面倒臭いなぁ。"
亮平
"大介、掴まって"
大介
"え、?あ、はい、!"
その時は、何で俺の名前知ってるんだろう、とか、くだらないことばっかり考えてた。
今思えば、あの時の俺はだいぶ馬鹿だったなぁ。まあ、今もだけど。笑
"あ、おい!逃げんな!"
"くそ、速ぇな!"
"待てよ!"
亮平
"もう。うるさいよ、君"
"上から目線でもの言ってんじゃねぇ!お前、俺が誰か知らねぇのかよ!?"
亮平
"知ってるよ。そっちこそ、俺が誰か知らないの?"
"あ゙!?知るかよそんなの!"
亮平
"そう、じゃあ勉強不足だ"
亮平
"これだけ教えてあげるよ。"
亮平
"俺の名前は亮平"
"だから知らねぇって言"
"亮平って"
俺、そんなに記憶力ないからあんま詳しくは覚えてないけど
亮平
"じゃあまたね。"
亮平
"次はお父様も交えてお話しよっか"
"お待ちください亮平様!"
亮平の名前を聞いただけで身体を震わせながら怯えていた。
亮平
"何、鬱陶しいんだけど"
"亮平様!生意気な口を聞いて申し訳ございませんでした!どうかお許しください!"
亮平
"そう、俺が怒ってる理由も分からないんだったら許してあげられないな"
冷酷にそう言い放つ亮平はより一層かっこよく見えたんだ。
"そんな、国王陛下だけは!"
亮平
………
亮平
"大介くん、どうする?"
大介
………
大介
"おれは"
大介
"やめてあげてほしいです"
亮平
!
大介
"おれは、相手がいやがることはしたくない"
亮平
……
亮平
"そっか"
大介
……っ
亮平
"君は優しいね"
大介
!
亮平
"よし、分かった"
亮平
"本人の意志は尊重したいからね。今回は許してあげるよ"
……!
"ありがとうございます!"
亮平
"俺じゃないでしょ、その言葉を伝えるべき相手は"
亮平
"彼にしっかり謝って"
"大介、今まで悪かった!"
大介
!………
大介
"いいよ、大丈夫"
!
"ありがとう!"
亮平
"もしまたこんなことしてるのを見たら、次こそ言いつけるからね"
"はい!"
亮平
…"ごめんね、言い方キツかったかな"
"え、?…いえ、そんなことは!"
亮平
"そう?なら良いんだけど…"
亮平
"ん、それじゃあね"
"はい!失礼致します、亮平様!"
亮平
"またいつか"
プライドが高くて意地悪なアイツが頭を下げたのは初めてで、
大介
"あの"
亮平
"ん?"
大介
"ありがとうございます!"
亮平
"いやいや、俺は何も"
亮平
……
亮平
"というか"
大介
"ん?"
亮平
"大介くんって、いくつでしたっけ…?"
大介
"え?9さいですけど、"
亮平
"わわわ、俺はなんて失礼なことを、!"
亮平
"ごめんなさいっ、僕年下なのに上から目線で…!"
亮平
…"呼び捨てしちゃったし"
大介
"あ、え、いや、ぜんぜん大丈夫ですよ!"
大介
"というか、年下だったんですね!"
大介
"何さいなんですか?"
亮平
………
亮平は、綺麗な翠眼を逸らして、控えめに泡を操った。
亮平
"7、です"
大介
"7さい!?"
大介
"てことは、2さい下!?"
亮平
"まあ、はい、そうですね"
大介
"1年生!?大人っぽいね!"
亮平
"あ、いえ、まだ誕生日来てないだけなので、一応2年です"
大介
"えー!そうなんだ!"
亮平が王子だってことも忘れて、1人で舞い上がってしまってた。
大介
"青いかみのけと緑の目…綺麗だね!"
亮平
……"ありがとうございます"
大介
"おれ、見ての通り真っピンクじゃん?"
大介
"かみと目の色ちがうのうらやましいんだよねー!"
亮平
"そうなんですね、?"
大介
"学校どう?楽しい?"
亮平
"いえ、通ってないので"
大介
"そうなの?"
亮平
"はい、親に止められていまして"
大介
"頭良さそうなのに通ってないんだ!?"
亮平
"そんな、滅相もない"
大介
"滅相…2年生で……?"
亮平
"あ、でも家で勉強はしてます"
大介
"え、すごいね!おれだったら進んでべんきょうなんかしてないよ!?"
亮平
"家に居ても、楽しいことないので"
大介
"そうなんだ…"
大介
…"なんか、ごめんね?"
亮平
"全然大丈夫ですよ。誰かとお話なんて滅多に出来ないので、むしろ嬉しいです"
大介
"良かった!"
大介
"そうだ!おれたち、ともだちになろうよ!"
亮平
"友達?"
大介
"そう!"
大介
"おれ、大介!9さい!3年生!"
大介
"しゃべるのが好きで、べんきょうとうんどうは苦手!"
大介
"お兄ちゃんと弟がいるんだ〜!"
亮平
!
亮平
"名前と年齢は知ってますよ?"
大介
……"そうだった!"
亮平
"ふふ、じゃあ僕も"
亮平
"僕は亮平。7歳、一応2年生です"
亮平
"好きなことは…勉強かな?で、苦手なのは…んー、まだ分からないですね"
亮平
"で、えーと、兄弟は弟が1人だけ"
亮平
"国王の息子で、この王国の第1王子させてもらってます、?"
大介
"亮平!よろしくね!"
亮平
"大介くん、よろしくお願いします"
大介
"もー、かたいなぁ…"
大介
…"よびすてで、タメ口!いい!?"
亮平
"え、?あ、うん、!"
亮平
"ありがとう、大介!"
大介
"それでよし!"
大介
"それじゃ、今から出かけるぞー!"
亮平
"え、大介、学校は!?"
大介
"いーよいーよ!今日はサボっちゃうもんねー!"
亮平
"良くないよ…!先生にも親にも無断で学校を休むなんて…"
大介
"大丈夫!おれが居なくてもだれも分かんないって!"
亮平
"え、"
亮平
……
大介
"あ!ごめーん!なんか空気暗くしちゃったね!"
大介
"空気なんてないけどー!"
亮平
、笑
亮平
"いいよ、行こっか"
大介
"お!"
亮平
"どこ行く?"
大介
"えーとねー、じゃああっち!"
亮平
"分かった!"
亮平
…"ていうか、水の中にも空気はあるよ"
大介
"え゙、そーなの!?"
俺にとって亮平は、初めての友達で、俺を助けてくれた子、かな。
だから俺は亮平の為に、自分に出来ることなら何でもしたいんだ。
大介
"だから、俺は亮平のこと大事なの!"
翔太
"ふーん、そうなのね"
大介
"うん!でも、涼太も同じくらい大事だし大好きだよっ!"
涼太
"そっか、ありがとう。俺もだよ"
大介
"にゃは、嬉しい〜!"
翔太
"俺の事見えてないのかな〜"
翔太
(…でも、これで亮平と大介の関係がなんとなく分かったな。)
翔太
(俺に任せとけ、涼太。絶対誰も傷つけずに説得してやっからさ。)
𓂃 𓈒𓏸◌𓈒 𓂂𓏸to be continued𓂃◌𓈒𓐍 𓈒𓏸𓂃