俺はまふに聞いた
そらる
本物のまふは?
まふは苦笑いして答える
黒まふ
出てきたくないそうです
そらる
眠いのか?
黒まふ
分かりません
黒まふ
でも分かるのは…
まふの目がすこし寂しそうに揺れる
黒まふ
凄く…苦しそうだということです
そらる
苦しい!?
俺は思考を巡らせる
そらる
(傷が癒えていないのか?)
そらる
(それとも…)
黒まふ
しばらく一人にさせてあげてください
そらる
分かった
そらる
(まふ…)
黒まふ
何~?
突然まふが言う
そらる
どうした?
黒まふ
あっ…
黒まふ
いえ、何でも
慌てて言ったと思うと黙りこむ
そらる
(本当のまふと会話してるのか…)
俺は置いていかれている様な感じがして切なくなった
黒まふ
(いい加減出てきたら?)
まふまふ
…いい
ボクは体操座りをして顔を埋めている
黒まふ
(どーしたの?)
黒まふ
(何かおかしいよ?)
まふまふ
何でもない
黒まふ
(何でもなくないでしょ…)
黒まふ
(よし!)
まふまふ
?
黒まふ
(強制的に外に出してしまおう!)
まふまふ
!?ちょ、まっ…
しかし反抗できず…
まふまふ
っ……
目の前にはあの愛しいそらるさん
なのに…
まふまふ
(嬉しくない…)
そらる
戻ったんだな
まふまふにも向けていた笑顔
まふまふ
(ボクはそれを…)
まふまふ
(独り占めしたいのに…)
そらる
マイクラやるか?
ボクは全然気づいてくれないそらるさんにイラついて
まふまふ
…いいです
部屋を出てしまった
ガチャ
まふが部屋から出ていった
そらる
どうしたんだよ…
そらる
まふ…
俺は頭を抱える
そらる
(何がいけなかったんだ?)
そらる
(分からない…)
こういうときは…
そらる
本人に聞くしかない!
まふはリビングにいた
ヘッドホンで音楽を聴いている
そらる
まふ~?
まふがゆっくりと振り向く
その目は俺をにらんでいた
そらる
っ……
そらる
…何聴いているんだ?
まふはヘッドホンをソファーに置く
まふまふ
…どうでもいいでしょう
まふまふ
探さないで下さい
まふはとうとう家から出ていった
そらる
………
まふの置いていったヘッドホンを着けると
曲が流れ始めた
それは…
そらる
まふの『ベルセルク』…