少女
私は路地裏の階段に座っている知らない人の肩を叩いた
???
その人はすごく驚いた顔でこちらを見る
路地裏の少ない灯りに照らされた目
紫がかったその目には怯えているような恐怖もあった
少女
まだ小さかった私は
知らない人に話しかけちゃダメ。
なんて、信じていなかったのと同じ
雨つぶが描かれた傘を差し出した
自分よりも、とても大きい人に。
???
???
まだ少し困惑した様子で
傘を受け取り
???
と、自分の横に立てて置いた
少女
本来 、傘はさすものだ。
使い方が自分と違ったからか、
少女
少女
と、手を叩いてまで笑っていた
今思ったらちょっと失礼かも.....
???
私が笑ったことにより、お兄さんは混乱し始める
???
これならどうだ
と、言わんばかりのドヤ顔だが、
少女
彼は傘を反対側に置いただけ、
とても正解とは言いがたい
少女
少女
私はお兄さんの手にある傘を取り、
お兄さんの上に広げた
小さな女の子が 、 大きな男の人に傘をさしている
普通の光景だ
???
お兄さんは 信じられない。という顔で私を見る
少女
私にとって、何かを人に教えてあげたのは初めてのこと
だから自信げにうなづいたんだと思う
少女
私は傘を持ったまま、お兄さんの横にドスン !! と座った
少女
少女
私は少し俯くお兄さんの顔を覗き込む
???
遠くを見つめるような目でお兄さんは答えはじめる
???
???
ちらっと私の方を見て、お兄さんは苦笑した
???
???
お兄さんは私のため、言葉を選んでいるようで
???
葛藤を続けている
少女
私は ふっと口を開いた
???
その表現にぱっと来たのか、
お兄さんは明るい声を上げた
???
???
???
???
さっきの明るい声とは違って、
お兄さんはすごく寂しそうで、
私よりも
ずっと、ずっと
ちっぽけだった
少女
80%も分かっていないはずなのに
私はごそごそとリュックを漁り始める
???
お兄さんは苦痛な声を漏らしながら
傘を持って私を見ていた
少女
少女
私は突っ込んでいた手をリュックから出すと
少女
お兄さんの手に無理やり握らせた
???
???
お兄さんはぎゅっと何かを握らされた手をゆっくり解いていく
???
その何かを目にしても、お兄さんにはあまりピンと来なかったらしく
にらめっこを繰り広げている
それを持つ手を変える度、カ サッ....と包み紙が鳴った
少女
???
眉をひそめたまま、お兄さんは私に顔を向ける
少女
元気よく答えると
私は飴を包み紙から取り出し、お兄さんの口に入れた
???
最初は驚いていたお兄さんだが、
???
???
と、舌の上でコロコロ転がし始めた
少女
私はまた、リュックを漁ると
少女
もうひとつ、
お兄さんの手に握らせた
少女
暗示をかけるようにお兄さんの手を優しく撫で、
少女
と、無邪気に笑う
???
???
お兄さんは目を閉じ、ゆっくり口の端を上げると
???
と、私の頭をわしゃわしゃと撫で回しながら立ち上がった
少女
私の傘をさし、路地裏の奥に消えていく姿を見送ったあと
雨が降り続く道路を走って帰っていく
ぱしゃぱしゃとはねる水たまりの音だけが鼓膜を強く打った
如月 朔良
私は飛び起きるようにベットから出た
如月 朔良
慌てて壁にかけてある時計を確認すると、
如月 朔良
如月 朔良
と、ベットに座った
如月 朔良
私は後ろに手をつきながらカーテンを揺らす
昨日買った遮光カーテンが仕事をしすぎたのだ
いつもはカーテンの隙間から流れてくる日の光で起きるんだけど、
その、流れてくる日光が遮られて起きれない訳ですよ。
まあ9時だから余裕なんだけどね
如月 朔良
バッ...!! と両手を上げベットから立ち上がる
なんかあったっけ......
プリンくらいはあるだろうと思い、冷蔵庫に向かった
如月 朔良
プリンを掴み、突っ込んでいた手を急いで引っ込めた
如月 朔良
キンッキンに冷えたプリンを手の温度で温めながらベットに戻る
如月 朔良
一口、プリンを食べて
感動。
プリンを食べる時はこれを繰り返す
如月 朔良
おっと、今のは聞かなかったことにしてくれたまえよ
私の好感度に関わってくるからね。
『 お兄さん、頑張ってみるね...! 』
さっきの夢の言葉が頭をずっと過ぎっていた
如月 朔良
多分、小さい頃のときにあった気がする あのお兄さん
今は思い出そうとすると、顔に黒い靄がかかってしまう
如月 朔良
私はプリンを食べ終えると、いちごみるく味の飴を口に入れた
ずっと食べてるこの飴は
愛用歴なんと10数年を迎えました〜!
冷静になりたい時、なんか暇な時に舐めると落ち着けるんです
まあこの話は関係ないのでやめましょう
如月 朔良
如月 朔良
気を取り直して
私はテーブルの上に置いてあるスマホに手を伸ばした
如月 朔良
まだ呑気なことを考えながら
電源を入れると、
如月 朔良
スマホの時間は11時 38分をさしている
如月 朔良
逃げを求めるように慌てて壁掛け時計を見るが
如月 朔良
時刻は9時
起きた時から1mmも動いていない
如月 朔良
私は風のように身支度を始める
如月 朔良
私が焦っている間にも1分が進み 、今は39分だ
如月 朔良
すごいイラつきながらぼさぼさの髪のままで家を出た
『 ダンッ...!! 』
静かな部屋に怒りの交じった音が響く
終わり。
また新しい連載をつくってしまったこと。
ほかの連載がすごく遅れること
先にお詫びさせてください。
なるべく放ったらかしにはしないように
気をつけるつもりです........( . .)"