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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

少女

ねぇ、

私は路地裏の階段に座っている知らない人の肩を叩いた

???

え.....?

その人はすごく驚いた顔でこちらを見る

路地裏の少ない灯りに照らされた目

紫がかったその目には怯えているような恐怖もあった

少女

大丈夫....?

まだ小さかった私は

知らない人に話しかけちゃダメ。

なんて、信じていなかったのと同じ

雨つぶが描かれた傘を差し出した

自分よりも、とても大きい人に。

???

え、あ.....

???

ありがと...?

まだ少し困惑した様子で

傘を受け取り

???

こう...かな...?

と、自分の横に立てて置いた

少女

お兄さん、何してるの?

本来 、傘はさすものだ。

使い方が自分と違ったからか、

少女

ぷっ......!

少女

あははっ!お兄さん面白いっ!

と、手を叩いてまで笑っていた

今思ったらちょっと失礼かも.....

???

え、あ、違う?

私が笑ったことにより、お兄さんは混乱し始める

???

じゃあこうかな。

これならどうだ

と、言わんばかりのドヤ顔だが、

少女

お兄さんそれも違う....!

彼は傘を反対側に置いただけ、

とても正解とは言いがたい

少女

傘はね?

少女

こうやって使うんだよ!

私はお兄さんの手にある傘を取り、

お兄さんの上に広げた

小さな女の子が 、 大きな男の人に傘をさしている

普通の光景だ

???

え、そうやって使うん?

お兄さんは 信じられない。という顔で私を見る

少女

うん!

私にとって、何かを人に教えてあげたのは初めてのこと

だから自信げにうなづいたんだと思う

少女

よいしょっ....

私は傘を持ったまま、お兄さんの横にドスン !! と座った

少女

お兄さんはなんでこんな所にいるの?

少女

迷子?

私は少し俯くお兄さんの顔を覗き込む

???

ん〜、迷子.....ではないかな。

遠くを見つめるような目でお兄さんは答えはじめる

???

同居人と ────

???

って、まだ分かんないよね ....(笑)

ちらっと私の方を見て、お兄さんは苦笑した

???

仕事仲間....?

???

じゃなくて....... 、

お兄さんは私のため、言葉を選んでいるようで

???

うーん....、なんやろ....。

葛藤を続けている

少女

ともだち?

私は ふっと口を開いた

???

そう!友達....!

その表現にぱっと来たのか、

お兄さんは明るい声を上げた

???

友達と.....喧嘩したんだ。

???

それで勢いで、

???

???

逃げてきた.......。

さっきの明るい声とは違って、

お兄さんはすごく寂しそうで、

私よりも

ずっと、ずっと

ちっぽけだった

少女

そうなんだー、大変だねー

80%も分かっていないはずなのに

私はごそごそとリュックを漁り始める

???

うん、どうしたらいいんやろ.....

お兄さんは苦痛な声を漏らしながら

傘を持って私を見ていた

少女

あっ !

少女

あった...!

私は突っ込んでいた手をリュックから出すと

少女

はい 、どーぞ!

お兄さんの手に無理やり握らせた

???

ん?

???

なにこれ....

お兄さんはぎゅっと何かを握らされた手をゆっくり解いていく

???

え、ほんとに何これ...。

その何かを目にしても、お兄さんにはあまりピンと来なかったらしく

にらめっこを繰り広げている

それを持つ手を変える度、カ サッ....と包み紙が鳴った

少女

飴ちゃんだよ!

???

飴ちゃん....?

眉をひそめたまま、お兄さんは私に顔を向ける

少女

うん!いちごみるく!

元気よく答えると

私は飴を包み紙から取り出し、お兄さんの口に入れた

???

っ!?

最初は驚いていたお兄さんだが、

???

???

あまい.......

と、舌の上でコロコロ転がし始めた

少女

私もこれ、大好きなんだ!

私はまた、リュックを漁ると

少女

だから、おともだちと一緒に食べてっ!

もうひとつ、

お兄さんの手に握らせた

少女

ごめんなさいって謝れば大丈夫!

暗示をかけるようにお兄さんの手を優しく撫で、

少女

仲直り !!

と、無邪気に笑う

???

....!

???

うん、そうだね。

お兄さんは目を閉じ、ゆっくり口の端を上げると

???

お兄さん、頑張るね...!

と、私の頭をわしゃわしゃと撫で回しながら立ち上がった

少女

頑張って!

私の傘をさし、路地裏の奥に消えていく姿を見送ったあと

雨が降り続く道路を走って帰っていく

ぱしゃぱしゃとはねる水たまりの音だけが鼓膜を強く打った

如月 朔良

わっ...!

私は飛び起きるようにベットから出た

如月 朔良

いま何時っ!?

慌てて壁にかけてある時計を確認すると、

如月 朔良

なぁんだ、まだ9時じゃん...

如月 朔良

よゆー、よゆー

と、ベットに座った

如月 朔良

このやろぉ、仕事しやがって.....

私は後ろに手をつきながらカーテンを揺らす

昨日買った遮光カーテンが仕事をしすぎたのだ

いつもはカーテンの隙間から流れてくる日の光で起きるんだけど、

その、流れてくる日光が遮られて起きれない訳ですよ。

まあ9時だから余裕なんだけどね

如月 朔良

うっし、朝ごはんでも食うかぁー!

バッ...!! と両手を上げベットから立ち上がる

なんかあったっけ......

プリンくらいはあるだろうと思い、冷蔵庫に向かった

如月 朔良

お、あったあった

プリンを掴み、突っ込んでいた手を急いで引っ込めた

如月 朔良

ひぃ寒い....!

キンッキンに冷えたプリンを手の温度で温めながらベットに戻る

如月 朔良

うんまい....っ!

一口、プリンを食べて

感動。

プリンを食べる時はこれを繰り返す

如月 朔良

これがビールだったら幸せだな。

おっと、今のは聞かなかったことにしてくれたまえよ

私の好感度に関わってくるからね。

『 お兄さん、頑張ってみるね...! 』

さっきの夢の言葉が頭をずっと過ぎっていた

如月 朔良

.......

多分、小さい頃のときにあった気がする あのお兄さん

今は思い出そうとすると、顔に黒い靄がかかってしまう

如月 朔良

なんだっけな.....

私はプリンを食べ終えると、いちごみるく味の飴を口に入れた

ずっと食べてるこの飴は

愛用歴なんと10数年を迎えました〜!

冷静になりたい時、なんか暇な時に舐めると落ち着けるんです

まあこの話は関係ないのでやめましょう

如月 朔良

さぁーてとっ、

如月 朔良

ゲームでもしようかなーっ。

気を取り直して

私はテーブルの上に置いてあるスマホに手を伸ばした

如月 朔良

なにしようかねぇ.....

まだ呑気なことを考えながら

電源を入れると、

如月 朔良

え、11時....?

スマホの時間は11時 38分をさしている

如月 朔良

なんで!?

逃げを求めるように慌てて壁掛け時計を見るが

如月 朔良

9時ぃ?

時刻は9時

起きた時から1mmも動いていない

如月 朔良

バイトは12時からなのにっ!

私は風のように身支度を始める

如月 朔良

んん!

私が焦っている間にも1分が進み 、今は39分だ

如月 朔良

最悪....ッ!

すごいイラつきながらぼさぼさの髪のままで家を出た

『 ダンッ...!! 』

静かな部屋に怒りの交じった音が響く

終わり。

また新しい連載をつくってしまったこと。

ほかの連載がすごく遅れること

先にお詫びさせてください。

なるべく放ったらかしにはしないように

気をつけるつもりです........( . .)"

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コメント

2

ユーザー

面白かったです!ゆっくりのペースでいいですよぉー

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