青春を守ってくれた人

〇〇side 先の尖った黒いブーツ。 差し出された手にはゴツゴツしたブレスレットと、金色に輝く指輪。 ちょっと怖いけど、なぜかついて行きたくなるような、不思議な感じ。

声のトーンがロイヤル。 この人の周りには常にバラが咲いていそう。 見上げてみると、ふわっとした黒髪で首に真珠のネックレスをつけた男性がいた。

この人きっとどこかの社長の息子なんじゃないかな。 こんなに紳士的な振る舞いの人めったにいないよね。

でも、この人どこかで見たことある気がする。

渡辺side 今日は仕事と仕事の間が長いからみんなで買い物に行くことになった。 こんなに人がたくさんいるのに、誰も俺たちに気付かない。 ちょっと悲しいな。

あれ？ 涼太がいない…

涼太… どこ行っちゃったの？

数分後

よかった！ 見つかった！

え？

あの子誰？

ぱっと見涼太に脅されてるように見えるんだけど… 涼太はわざわざ俺たちの輪から抜けてまでそんなことするやつだっけ？

おい！ 焦らせんなよ！ まじでビビったんだけど！

〇〇side 気付いたら私含めて10人になっていた。 社長の息子みたいな人は「だてさま」とか、「だてさん」って呼ばれてる。 やっぱり地位の高い人なのかな？

阿部亮平… テレビで聞いたことあるかも…

危ない。 菌って言いそうになっちゃった。

ﾌﾗｯ

貧血持ちの私は突然立ち上がるとふらついてしまう。 また人に迷惑かけちゃったな…

車を出しに行ってくれたちょっとイカつい人は「ひかる」って呼ばれてる。 見た目は怖いけど、タピオカを飲むたびに幸せそうな顔してるところを見ると、悪い人ではなさそう。

この9人、みんな仲が良いんだな…

さくまさんは血が流れている傷口に 優しくタオルを当ててくれた。

なんか母性本能爆発しそう…

いわもとさんは笑顔がとっても素敵で 意外と優しい人だった。

作者です。 今回結構長くなりました。 （前回が短すぎました）

妄想ってするのは簡単なんですけど、文字にするのは難しいんですよね… 共感してくれる方がいたら嬉しいです

徐々に9人の正体が明らかになってきたと思います。 連載のタイトルを「青春を守ってくれた人」にしたんですけど、なんかタイトルに合わない結末になりそうで困ってます…(^_^;)

いい感じの結末になるように頑張ります！

次回も楽しみにしててください！