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『弱虫ヒーロー』

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『弱虫ヒーロー』

1 - 壱,「枯れかけの花に祈るのは」

♥

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2024年08月25日

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枯れかけのパンジーの花に祈るのは

__et.

_____"reproduction"。

"reproduction" 再生

褐色に変化を遂げた葉は色を取り戻し

蒼く,かつ儚く花弁を開く。

__et.

……便利になったな。

"魔法"

それは古より受け継がれ,人々に富と名誉を与えるもの。

魔法により力を行使できるものは,人々から敬い, 慕われる。

___元来,そう伝えられてきた。

__et.

___私は魔法を駆使できようとも慕われない存在である訳だが…。

橙の髪をそっと撫で,うつろに目を下向ける。

"魔法使い"と言う立場は誇りを持ち,気品を備えなければ ならないらしいが,私は少し他とは違う。

__et.

(……この髪色のせいでね。)

10年前______そうだな、私が6歳になる手前の頃か。

今から10年前

東の国「ビリアル」が

この「レインシード」に攻め込んできたことがあった。

理由は簡単,レインシードにのみ降る "潤沢の雨"を手に入れるため。

"潤沢の雨"によって育った作物は 魔法の性能の向上だけでなく,健康促進の効果がある。

残虐非道な国王が治める「ビリアル」は

この"潤沢の雨"を大層欲しがったそうだ。 そして,レインシードから取り上げようとした。

____もちろん,土地ごと。

ビリアルの王の遣い達によって,街は全焼。

人口の半分____おおよそ400万の人々が 迫り来る火の手から逃れることができず 儚く命を落とした。

___以来,火を連想させるものとして"橙色"の髪を持つ ものを,人々は"ビリアルの悪魔"と呼ぶようになった。

__et.

(……その中に,私も含まれてるんだよなぁ…。)

「この髪は茶色だ」と嘘をつけない程に 鮮やかな髪色。

元々橙の髪色は珍しいものだが,私は赤髪の母と 黄髪をした父の元に生まれたため

はっきりとした橙に染まってしまったわけだ。

街を歩けば,すれ違う人に怪訝と憎悪の入り混じった 目で見られ

家の外壁には,

「出てけ」

「異端者」

「街の風紀を乱すな」

とか言う落書きをされたこともあった。

__et.

___"風紀を乱すな"なんて,言えたことじゃないのに。

……まぁ仕方がないか,自分の家族を殺した ビリアル軍の燃え盛る炎___。

__et.

___でもそれは…

__et.

私も同じ。

シェルフの上に置かれた,手入れのされていない埃を被った写真立て。

写真の奥に写るのは,これから死が訪れるとも思っていないような陽気な笑顔。

10年前の悲劇で,"遠く"へ行ってしまった 私の家族。

帰ってくることのない______大切な人。

__et.

____なんで私を置いて行ったの……?

___問いかけても,返事はないのに。

__et.

____なんで私を独りにしたの?

____誰も,何も返してくれないことは分かっているのに。

__et.

なんで……

コーン……コーン…

__et.

……あ、

街の,8時を示す鐘が鳴る。

__et.

……行かなきゃ。

紅い羽織に

赤いブローチ。

__et.

___今日は入学式だからね。

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コメント

22

ユーザー

むっちゃ楽しみ!!!!!( *°∀°* )続き楽しみです!!待ってます!!

ユーザー

新作きたぁぁぁ !!✨ ファンタジー系結構気になってたのでめっちゃ楽しみです🥹♡

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