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『弱虫ヒーロー』

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『弱虫ヒーロー』

2 - 弐,「安易で困難」

♥

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2024年08月26日

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__et.

___行ってきます。

誰もいない部屋に,そう呼びかけたのは

きっと自分の寂しさを濁すため。

___これだけで,少しでも「独りじゃない」って安心できる 自分が

少し憎く感じる。

「ねぇ,あの人___」

「やっぱり?私も___」

「あの髪色___」

「うわ…ッ,こっち来てるよ…!」

右から左……はたまた前から聞こえる罵詈雑言。

__et.

(……ヒソヒソ話すだけで,直接は怖くて言えないくせに…)

こんなのもう慣れっこだ。

聞こえないふりをするだけ,簡単なこと。

___決して,難しいことじゃない。

__et.

____ここか。

目の前に見える,大きく聳え立つ大陸一の建物。

"皇立アルメリア魔法学校"

各国から優秀な魔力保有者が集まり,魔法を共に学び, 極める場所。

中には隣国の次期国王等と噂される人もいるらしいが__。

__et.

___私には関係ないか。

__et.

(だって……)

「あの子髪色が___,」

「気に障ったら,何しでかすか分からないわ…」

__et.

……

ここも一緒だから。

想定してはいたけれど,もう少し節度を守れる 生徒が集まるところだと思っていた。

__et.

(……せめて,本人の聞こえないところでやればいいのに。)

結局どこも変わらない。

見た目や家の位だけで,全てが決まる国だから。

入学式の会場は,エントランスホールに入ってすぐの 場所だった。

__et.

……でかぁ…

宝石を贅沢に使用したシャンデリアと,古代の画が描かれた 壁画。

そして,歩くだけで数人にぶつかる程の人の多さ。

___さすが魔法使い育成校だな…。

「私の目の前橙髪なんだけど…⁉︎」

「誰かこの子と変わってあげて!できるだけ強い人!」

「何しでかすか分からないものね。」

__et.

(…私のこと,なんだと思ってるんだ?)

品位に欠ける人達だな,と心底思う。

___まぁ,こういう人達が一流の魔法使いになれるとは 到底思えないが……。

あのッ!お隣失礼してもいいですか…?

__et.

………え、?

声をかけられて,つい腑抜けた声を出してしまう。

声がした方を見ると,薄青の髪を後ろでまとめた 綺麗な女の子が立っていた。

空いてる席がなくて…💦

__et.

あ……、いいですよ。

少し座るスペースが狭かったから,私の左隣に1人分空いたスペースに移動する。

「うわッ…こっち来た!もっと詰めて!」

__et.

ッ……

…そっか。このスペース,"私が嫌"だったから空けたんだな… 嫌がるようにコソコソと話す周りの生徒は, 全員同じ"化け物"を見るかのような目線を突き付けてくる。

「これ以上寄れないって!」

「触れたら殺されるかもッ!」

___もう,慣れっこだった筈なんだけどなぁ…。

………

ッぐい

__et.

……えッ,

途端に右側から袖を引っ張られて,体制を崩す。

そっちに詰める必要はありません!"rn"とくっついてれば良いんですから!

「ぎゅ」と肩と肩をくっつけられて,驚いて 硬直してしまう。 ___なにが起こったんだ…?

__rn.

ねッ!

__et.

えっと……ッえ、?

笑顔でそう呼びかけてくれるから,なんて返せば良いのかわからなくて目が泳いだ。

___人と話すのなんて,何年振りだろう。

話しかけても怖がられるだけだったし, 人に好かれようと努力するのはやめたから

久々に人に向けて出した声が,喉につっかえる。

__rn.

rnはrnです!あなたは?

__et.

え…,et…です。

__rn.

etちゃんッ!高校生活初めてのお友達です!

__et.

え…ッ,友達…?

"友達"って……だって私,"橙色の髪"なんだよ?

きっと…私と仲良くしてたらこの子まで___。

「えっと…rn,ちゃん?その子"ビリアルの悪魔" なんだよ…?近づいたら何されるかわからないよ!」

__et.

……ッ

…やっぱり,こうなっちゃうから____

__rn.

………それって、何か関係があるんですか…?

__et.

….え、

rn…さんが言ったのは,言葉の裏になんの意味もない ただ"単純"な疑問。

__rn.

rnは____rnが仲良くなりたいと思った人と話してるだけです。

「でも……!」

__rn.

心配してくれてありがとうございますッ!でも大丈夫ですよ!何せrn,天才なので!

「……ッあははッw rnちゃん面白いねw まぁrnちゃんに何かあったときは,私が守ったげる!」

__rn.

はいッ!ありがとうございます!

__et.

(……すごい、)

一瞬で場の空気を和ませちゃった…。

……私とは大違いだ。

私は空気を悪くさせるだけなのに____。

__rn.

ん~,そんなことないですよ!

__et.

………え、?

な…なんで今………。

気のせい…?声に出てた…?

__rn.

ふふッ,rnの"魔法"です!

魔法……?詠唱も魔法陣の展開も見えなかったし…。

__rn.

あぁ……。えっとですね,rnの"さとり"は常時発動型なんです。

__rn.

生まれた時に既に持っていたものですよ!

__et.

そんなのあるんだ……。

常時発動型……。あとで調べてみよう。

私が知らないってことは,多分文献ぐらいにしか 載ってないと思うから___。

__rn.

……ふふッ,あともうちょっとで入学式始まっちゃいますよ!

__et.

そッ………そうだね…!

__et.

……

式場も徐々に静かになってきて,今度は 私に向かって矢を向ける視線が痛く感じた。

__rn.

………。

ーキャラクター紹介ー

__et.

名 et 呼 etさん/ちゃん 種 人 生 南の国「レインシード」 齢 15 得意魔法・時 ▷橙色の髪により,10年前の悲劇から差別を受けている。 両親共に既に亡くなっており,弟が1人いるが___?

__rn.

名 rn 呼 rn/さん 種 人 生 北の国「ピクシー」 齢 15 得意魔法・氷 ▷常時発動型魔法"さとり"を使い,人の心を読むことができる。けれど本人はこの魔法を嫌っていて___?

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コメント

17

ユーザー

まず、一言目に見るの遅れました💦これから、学校も始まり、今テスト期間なので低浮上になります💦1週間に1回現れるか現れないか程度になります💦なのでまころさんのせっかくの面白い素敵な話見るのが遅くなっちゃいます😭😭😭コメント来なくてもそういう事だと思ってください…でも、大丈夫です(?)コメントはちゃんとするので💪

ユーザー

やっぱり続き楽しみ〜! 思ったけどやっぱり絵がうますぎる😭 でも自分的にはえとさんの絵がめっちゃ好み〜!!💞 やっぱりまころちゃんが書く物語は面白くなる予感がもうでてきてる笑 次も待ってるね〜!!

ユーザー

続き楽しみです!!待ってます!!

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