月を見上げる君と

俺は、仕事の都合でとある屋敷にお邪魔していた

その場所はすごく有名なところで多くの人が泊まりに来ていた

夜、少し部屋を出て縁側に来ていた

そこには、静かに月を眺めている美しい女性がいた

白い肌、切れ長の瞳、華奢な手、黒から黄色へと、とても綺麗な髪、一つ一つの仕草、

その人の全てが美しかった

思わず見惚れてしまった

あぁ、行ってしまった……

その時に声をかけてみよう

晩餐

紹介される事に拍手が起こった

その時、会場全体が息を飲んだ

悠様といったか、その容姿はさっきは暗くてよく見えなかったが本当に美しい、いや、美しすぎた

よく花柄の着物が映えている

そこからはみんな自由に飲み食いしている

乾杯した直後、悠様は直ぐに囲まれた

本人は表情一つ変えず、それに対応していた

話したかったのに……

乾杯してから1時間くらいたっただろうか？

周りもだいぶ落ち着いてきた

俺も少し酔った

酔いを覚まそうと悠様に最初に出会った縁側へ行こうと思った

誰もいなかったからゆっくりできた

俺もそれなりに有名だから全く絡まれないという訳では無い

そのため、かなり疲れていた

しばらくのんびりしていると誰かが来た

誰だろうと見てみると……

もし断られたらと思ったけど大丈夫だった

見かけによらず、とてもいい人だった

破壊力ぅぅぅ

これは誰がどう見ても女性だと言うだろう

ポツポツと話していってくれた

昔から顔が女っぽく、母はそれから女の扱いで育てていったそうだ 口調などもおしとやかにと、叩き込まれたそうだ

1度母に男の服が着たいと言ったらしい、そうすると言われたそうだ 「そんな女のような顔のやつには似合わない」と

母には気持ちをわかって貰えなかった、

その後、お客さんの自分に対する言動が女性を相手にしているようになってしまったこと、

ずっと本当の自分を出せないままでいたことなど

あっ！言ってしまった……

目を丸くしている、もう言ってしまおう！