TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
雪降る夜に願いを込めて。

一覧ページ

「雪降る夜に願いを込めて。」のメインビジュアル

雪降る夜に願いを込めて。

1 - 雪降る夜に願いを込めて。

♥

300

2019年10月13日

シェアするシェアする
報告する

雪が降ったあの日

君が俺の前に

現れてくれたんだってな

「君は誰?」

そう聞いてもあんたは

「さぁ、誰でしょう。」

いつも答えは同じだった。

俺は問う。

雪降る夜に

願いを込めて

「あなたは誰ですか?」

高橋 創

寒いぃぃーーー。

部活の帰り道。

いつも帰っていく道が

長く見える。

冬は嫌いだ。

スポーツしている人は

怪我が多くなる。

俺はその一人。

サッカーをしている途中

大きな怪我をした。

松葉杖をして俺は一歩ずつ帰っていく。

もう何もかも疲れた。

「あなたはもうボールを蹴ることは出来ません。」

「…嘘だろ!!? 他に何か方法はないのかよ!?」

「…はぁ。ないですね。 諦めるしかありません。」

サッカーこそが

俺の人生の全て。

俺の心はもう

空っぽなんだ。

高橋 創

肉まんでも食べよーかな。

高橋 創

それにしても寒すぎねぇ?笑

マフラーで口を隠して上を見上げた。

高橋 創

…あ!

空から白いものが降ってきた。

高橋 創

初雪だ…

高橋 創

そーだよなー、こんなに寒いもん

本当に今日は寒いですね。

高橋 創

…ん?

空耳?

高橋 創

俺、足だけじゃなくて耳もおかしくなったのか?

高橋 創

一度病院で見てもらうか。

…耳はおかしくありませんよ。

後ろです。

耳に残る声だった。

淡く透き通った綺麗な声。

俺は恐る恐る後ろを振り返った。

高橋 創

…。

そこに腰まである真っ白なふわふわの髪。

そこだけ光ってるように見えた。

まるで天使のよう。

高橋 創

…誰?

さぁ、誰でしょう。

私にも良く分かりません笑

女の子は微笑んだ。

あなたは高橋 創〈たかはし そう〉さんで合ってますか?

高橋 創

うぇ?笑
なんで名前知ってんの!?

高橋 創

こっわっ!!!!(怖い)

大丈夫ですよぉー

あなたを癒しに来ただけですから。

高橋 創

癒し?

高橋 創

はっ、笑わせんなよ。

高橋 創

そんなのいらねぇ

高橋 創

さっさと消えろ

あなたがそう望んだからここに来たんです。

さあ、お家に帰りましょう!

高橋 創

はぁー、何なんだよ。

高橋 創

ただいまーー!

おかえりなさい!!

足は大丈夫だった?

高橋 創

あぁ、何ともない。

高橋 創

というか、今日は災難だった。

高橋 創

こいつがいつまでもついてくるし。

えへへ

何言ってるの?

そこに何かいるのかしら?

高橋 創

…え?

高橋 創

(まさか、俺にしか見えねぇってやつ?)

…創、大丈夫?

高橋 創

あーー!
なんでもねぇ!!

高橋 創

ちょっと疲れただけだわ!!

高橋 創

おやすみ!!

ご飯は?

高橋 創

今日はいいや!!

俺は部屋に行って寝ることにした。

きっと幻だろ。

多分疲れてんだ。

明日になったらいなくなるだろ

おはようございます

高橋 創

…。

高橋 創

いるのかよーーーー!!!

高橋 創

…お前、どこから来たの?

内緒~

高橋 創

…あー、そうデスカ。

高橋 創

(駄目だ、話にならん。)

高橋 創

いつまでここにいる気?

んー、そうですねぇー

分かりません!!

高橋 創

あー、そうデスカ…

高橋 創

というか、あんたの名前は?

私の名前は

陽愛(ひより)です

高橋 創

陽愛か!

高橋 創

分かった

陽愛

ここにいてもいいの?

高橋 創

…えー、うん。

高橋 創

お前が何者か知りたいしな

高橋 創

勝手にしろ

陽愛

…やったぁ!!!

陽愛

よろしくね、創ちゃん!

高橋 創

…創ちゃん…って

高橋 創

まぁいいか

高橋 創

(その内消えるだろ…)

高橋 創

あーー!

高橋 創

それちゃんと食べろ!

陽愛

やだー、美味しくないもん

陽愛

ブロッコリー…

陽愛とあってから3年

俺は大学生になって一人暮らしを始めた。

っていっても陽愛がいるけど笑

高橋 創

…かわいそうだなー、ブロッコリー

高橋 創

それ食べたらお菓子1つ食べていいぞ。

陽愛

ほ、ほんと!!?

高橋 創

あぁ。

陽愛

じゃあ食べる!!

高橋 創

(ほんと子供…)

高橋 創

でも本当に感謝してるよ

陽愛

…え?

高橋 創

陽愛が来てくれてから

高橋 創

色んなことを忘れられるからさ、

高橋 創

足の事も部活のことも

高橋 創

ありがとな

陽愛

…。

俺が微笑むと陽愛は涙を浮かべた。

高橋 創

…えぇ!

高橋 創

どうしたんだよ!?

陽愛

…じゃあもう死なない??

高橋 創

陽愛

私の前で死んだりしない?

高橋 創

どういう…

陽愛

死なないよねぇ?

高橋 創

…うん、死なない死なない!!

陽愛

…そっか。良かったぁ!!

陽愛

私、ここに来た意味あった。

高橋 創

…どういう事なんだ?

高橋 創

陽愛、お前は一体誰なんだ?

陽愛

…私は未来から来た。

高橋 創

未来…?

陽愛

(ここなら死んでも大丈夫かも…)

今から1年あとの事

私は高校1年。

あなたは大学2回生。

私は高校という新しい環境で

いじめを受けていた。

その通り、私のこの真っ白な髪の毛が原因だった。

仕方ないことだった。

私は生まれたときから色素が薄かったのだ。

もう精神的にしんどくて

崖から命を絶とうとした。

右足を宙に浮かせて、

身を投げ出したとき、

パシッ!!

陽愛

…え。

高橋 創

…お前、何してんだよ。

創ちゃんだった。

陽愛

…何って。

高橋 創

お前、そんなに綺麗なのに

高橋 創

もったいないだろ。

陽愛

…綺麗?

高橋 創

あぁ、その髪の毛綺麗だな。

ニカッと笑った。

陽愛

…うっ。

私はその言葉を初めて聞いて瞳から涙を溢した。

綺麗だなんて。 その言葉が心に響いた。

高橋 創

見た感じ、高校生か?

陽愛

…はい。

陽愛

お兄さんの名前は?

高橋 創

高橋 創だ

陽愛

高橋 創…。

陽愛

私…高校1年です

高橋 創

そうか。
人生これからじゃないか。

高橋 創

死ぬなんて辞めとけ。

高橋 創

お前は何でも出来るじゃねぇか

高橋 創

走ったり、笑ったり、

高橋 創

皆と会話だって自分から進んで行けばいい。

陽愛

…うん。

高橋 創

俺は足が駄目になっちまったんだ。

高橋 創

だからもう、何も生きる価値がなくてな笑

陽愛

…お兄さん、助けてくれてありがとう。

高橋 創

…あぁ。

高橋 創

お前は俺の分まで生きろよ。

陽愛

…え?

君はゆっくりと立って崖の方に向かっていった。

陽愛

…お兄さん?

高橋 創

…俺は死ぬよ。

陽愛

え!?どうして!!?

創ちゃんは私の方を振り返って涙を流しながら微笑んだ。

「またね。」

陽愛

そう言って創ちゃんは自殺してしまいました。

高橋 創

え?俺、自殺したの!?

高橋 創

ありえねぇーー笑笑

高橋 創

大丈夫、死なねぇよ

高橋 創

今の俺なら。

陽愛

…ほんとに?

高橋 創

…あぁ。

陽愛

私、創ちゃんに会いたいって願ったの

陽愛

そしたら、会えた。

陽愛

死ぬときの創ちゃんね、

陽愛

何でか分からないけどね「さよなら」じゃなくて

陽愛

「またね」って言ったの

陽愛

だからまた会えるって

陽愛

創ちゃんも思ったのかなぁ

高橋 創

そうかもな

高橋 創

あんたが来てくれたから今の俺も生きていると思う。

高橋 創

陽愛ありがとう。

高橋 創

生きる意味が出来たよ。

陽愛

そっかぁ

陽愛

良かった。

陽愛はニコッと笑った。

高橋 創

俺、1年後生きてるって証明しにいくよ。

陽愛

うん、待ってる。

そう言うと、陽愛はスッーと消えていった。

今年も雪が降る。

空を真っ白に染めて

世界を笑顔にする。

高橋 創

…崖って言ったらここだよな。

俺は1つの崖の上にたどり着いた。

真っ白の髪の毛が海風になびいている。

高橋 創

…。

見つけた。

高橋 創

…陽愛。

陽愛

…。

彼女は笑顔で振り返った。

陽愛

創ちゃん!!!

陽愛は俺に飛びついてきた。

高橋 創

わっ!

陽愛

良かった!!

陽愛

生きてる。

陽愛は涙を流しながら俺に笑顔を向ける。

高橋 創

陽愛、お前は大丈夫?

陽愛

私は大丈夫だよ。

陽愛

もう、大丈夫!!

高橋 創

…そうか、良かった。

陽愛

今日は空が綺麗だね。

高橋 創

あぁ、初雪だ。

雪降る夜に

君に願いを込めて

笑顔で

君に問う。

高橋 創

あなたは誰ですか?

陽愛

私の名前は

陽愛

永瀬 陽愛〈ながせ ひより〉!!

永瀬 陽愛

あなたに死ぬところを助けてもらった

永瀬 陽愛

あなたは命の恩人

永瀬 陽愛

あの時は助けてくれてありがとう!!

陽愛は俺に向かって瞳から涙を溢しながら笑った。

高橋 創

俺、生きるよ。

高橋 創

君も俺の恩人だ

高橋 創

ありがとう。

俺も君に向かって笑った。

永瀬 陽愛

ねぇ、連絡先聞いていい?

永瀬 陽愛

また会いに行く。

永瀬 陽愛

私、創ちゃんのこと好きになっちゃったみたい

永瀬 陽愛

好きって言ったらどーする?

陽愛は顔を赤く染めて笑う

高橋 創

ははっ

永瀬 陽愛

ど、どーして笑うの!!?

高橋 創

いや、別に笑

高橋 創

俺だけかと思ってたよ

高橋 創

こんな年下に恋してしまうなんて

高橋 創

俺があんたの事、好きって言ったらどーする?

俺はわざと質問を問いかけた

知ってる?

俺って結構、意地悪なんだよ笑

永瀬 陽愛

…嬉しい!!

俺の願いは叶ったよ

この物語は始まったばかり

これからも俺たちは前へ進んでいく。

どうか、俺たちを見守ってください。

この物語には

終わりがないということを。

ーENDー

この作品はいかがでしたか?

300

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚