テレビ
それでは、ルールを説明しよう。

自分達が観ているテレビに、自分達の姿が映っているというのは、なんとも妙な感じだった。
イガラシ、ヤナギ、イシカワと並んでいる3人の教師。
革命軍
ルールはいたって簡単。

革命軍
これからお三方には、かつて自ら犯したであろう罪についてお答えいただく。

革命軍
そして――これだ。

イガラシ
(投票箱か――。次々と嫌なことを思い出させてくれる)

革命軍
そして、お三方にはこちらの投票用紙をお配りする。

【革命軍】から2枚の紙切れが、イガラシ達に配られる。
紙には2枚ともイガラの名前が書いてあって、それぞれ【真実】の文字と【嘘】の文字が書かれていた。
革命軍
お三方は、こちらが問いただした罪について、それが【真実】なのか【嘘】なのかを投票してもらう。

革命軍
そして、このゲームの面白いところは、投票の結果によって、誰が死ぬのかが異なることだ。

革命軍
当然ながら、我々はお三方の罪についての真偽を知っている。

革命軍
それに対して、もし3人とも正直に本当のことを答えたら――3人とも死なずに済む。

革命軍
逆に3人とも嘘をついた場合は、残念ながらゲームオーバー。

革命軍
全員殺す。

革命軍
そして、万が一にも……生徒の手本となるべき者が、ただ1人でも嘘をついていた場合。

革命軍
正直者を殺し、嘘つきは生き残るとしよう。

革命軍
そして、なんと誰が嘘つきだったのかは公表しないことにしよう。

イガラシ
(――これ、どこかで似たようなシチュエーションがあるような気がしたけど、囚人のジレンマってやつじゃないか)

イガラシ
(もちろんバリエーションは違うが。全員にとってもっともメリットがあるだろう手段は明白だけど、うまくはそうはならない仕組みが施されている)

イガラシ
(まずは俺達がどんな罪を犯したと言い出すのか、そこからだが――)

革命軍
ルールは以上だ。

革命軍
よろしいか?

ヤナギ
あぁ、大丈夫だ。

イシカワ
そ、そんなことして、なんになるって言うんだ?

革命軍
くっくっくっ――革命だよ。

革命軍
この学校には、革命が必要なんだ。

イガラシ
2人とも、落ち着いて考えて欲しい。

イガラシ
どの手段を取るのがベストなのか――。

ヤナギ
言われずとも分かっている。

ヤナギ
イガラシ先生、あなたの指図は受けないよ。

革命軍
おやおや、これから生死をともにするというのに、もう仲間割れか?

革命軍
みんな仲良く――生徒達に無理強いしていることだが、自分達にはできないと?

ヤナギ
それはできない相談だな。

ヤナギ
人間ってのは、相性がある。

ヤナギ
本人達じゃどうにもならないような相性ってもんがな。

革命軍
ならば、なぜ教師はそれを生徒に強要する?

革命軍
教師達でさえ、それができないくせにだ。

ヤナギ
…………。

イガラシ
やっぱり、君達は生徒が先導して作り上げたられたものなのか?

革命軍
さぁ?

革命軍
それに答える義務はない。

革命軍
さぁ、それでは始めようじゃないか。

革命軍
革命ゲーム、罪人の戯言を。
