手を伸ばそうとも

私は清水雅(しみず みやび)

高校2年生

学力は平均的

でも、人より女子力はある

自分で言うのもおかしいけど

周りよりは可愛いと思う

現に｢可愛い｣と良く言われる

まぁ、そんな事は置いておいて…

私には幼馴染がいるの

それと同時に好きな人でもある

これは、その人と私の…

というか私の恋愛話

良かったら見ていってね

…………

そんな事を考えている時…

コツン

頭に何か当たった

私は疑問に思いながら

その紙飛行機を慎重に開く

後ろを振り返ると、ある人物と目が合った

成瀬湊(なるせ みなと)だ

私は口パクで問いかける

私は先生が黒板を書いている隙に

もう1度、後ろを振り返り

湊に『良いよ』と伝えた

…………

休み時間

湊がこちらに駆け寄ってくる

何だかしっぽが見えてきそうだ

そんな事を言って頭を撫でてくる湊

何か犬みたいに扱われてるのは納得いかないけど…

まぁ、好きな人に頭を撫でらて悪い気はしないよね

湊が私の顔を覗き込んでくる

私はどんどん顔が赤くなっていくのを感じた

湊の顔を押しのける

その時触れた湊の肌はつるんとしていて

まるで赤ちゃんのような綺麗な肌だった

これが私達にとっての日常

毎日騒がしくて、でも楽しい

こうやってバカやってる時間が

何やかんやで1番の青春だと私は思ってる

翌日

プールの授業

これはこの世で私が1番嫌いなもの

なぜなら私は…

泳げないから

｢あ、男子来たよ｣

誰かがそう言った瞬間

女子全員が身体を隠し始める

湊はニヤッと悪戯な笑みを浮かべる

バカにするような口調で応援され

脇腹を小突こうと思ったが辞めた

太陽の光が水面に反射し

キラキラと輝く

私は意を決して水中に潜った

ゆっくりと目を開ける

すると、目の前に湊がいた

私は驚いて思わず水面に顔を出した

そういって湊は親指を立てた

先生のその言葉に周りから歓声が上がる

…………

水泳の授業は何事もなく終わった

湊も楽しそうだったし

私は満足だ

…………

そんなことを考えながら歩いていると

何やら周りがザワザワしている

よく見ると私のクラスの前に人だかりが出来ていた

近くの子に聞いてみる

と言って女子生徒は前を指さす

指を指した方向を見ると湊と男子生徒が喧嘩していた