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苗倉
苗倉
さらさ
さらさ
酢太郎
🎲 今泉 さらさ【説得】➔ 成功
さらさは大きな瞳に涙を浮かべ、必死に懇願した。
同時に、酢太郎も苗倉に厳しい視線で問い詰める。
さらさの涙ながらの訴えと「姫子を助けたい」という言葉は、苗倉の歪んだ心に強く突き刺さったようだった。
苗倉の表情が激しく歪み、胸をかきむしるように苦悶の表情を浮かべる。
苗倉
苗倉
苗倉は震える腕を持ち上げ、部屋の隅―― 先ほど草壁のスニーカーが拾い上げられたあたりの壁を指差した。
二人がその壁に視線を向けると、先ほどまでは薄暗くて気づかなかったが、その部分だけ周囲のコンクリートとは明らかに壁の色が異なり、不自然に塗り固められたような継ぎ目があることがはっきりと見て取れた。
苗倉
苗倉
さらさ
🎲 今泉 さらさ【目星】➔ 成功
さらさは色の変わった壁を間近でつぶさに観察した。
よく見ると、周囲の硬質な打ちっぱなしコンクリートとは明らかに質感が異なり、後から雑にセメントやモルタルを塗りたくったかのように凸凹と波打っている。
表面には無数の細かいひび割れが走り、何かを無理やり中に塗り込めたような不自然な厚みと脆さが見て取れた。
🎲 安田 酢太郎【聞き耳】➔ 成功
同時に、酢太郎がその壁に耳を当てて集中すると、壁の向こう側が単なる外壁や土砂ではなく、奥に空間(隣の部屋)が広がっているような空気の反響を感じ取ることができた。
さらに、この変色した部分の裏側だけが異様な空洞感を帯びており、少し強い衝撃を与えれば容易に崩れ落ちそうな頼りない感触が伝わってくる。
二人が壁の異変を確かめていると、苗倉が静かに歩み寄ってきた。
苗倉はその変色した壁を軽く指でトントンと叩いてみせた後、部屋の隅の床へと手を伸ばし、転がっていた錆びついた「金槌」を拾い上げた。
苗倉
苗倉
酢太郎
さらさ
酢太郎が指示を飛ばし、さらさも切迫した声を上げた。
二人の言葉を受けた苗倉は、手にした金槌を両手で振り上げると、色の変わった壁に向かって渾身の力で叩きつけ始めた。
ガッ! ガゴンッ! ガキィン!!
重い金属音が部屋中に木霊し、脆くなっていたコンクリートがひび割れ、砕け散っていく。
激しく飛び散った破片のひとつが苗倉の頬を切り裂き、一筋の赤い鮮血が頬を伝って滴り落ちた。
しかし、苗倉は痛みに顔をしかめることすらなく、機械のように無心で、取り憑かれたように金槌を振るい続ける。
🎲 安田 酢太郎【アイデア】➔ 成功
🎲 今泉 さらさ【アイデア】➔ 失敗
酢太郎は確信する――
苗倉は、この「シナリオを進行するための作業」において、たとえ自身がどれほど傷つき怪我を負おうとも、自らの意志でそれを途中で止めることができない状態にあるのだと。
やがて、コンクリートの塊がドサリと足元へ崩れ落ち、壁に大きな穴が開いた。
そして、その崩れ去った壁の内部から露わになったのは、コンクリートに全身を埋め込まれ、変わり果てた姿となった草壁 信吾(くさかべ しんご)の遺体だった。
顔面はコンクリートに擦れて削れ、衣服は泥と血にまみれ、腕には深い切創が刻まれている。
数日前までサークルで笑い合っていた友人のあまりにも無残な死骸を前に、二人は激しい衝撃と戦慄に襲われる。
🎲 安田 酢太郎【SAN値チェック】➔ 成功(減少 -0)
🎲 今泉 さらさ【SAN値チェック】➔ 失敗(減少 -4)
さらさはあまりのおぞましさに息を詰まらせ、膝を震わせる。
そんな二人の困惑をよそに、苗倉は飛び散った血と粉塵を拭おうともせず、何食わぬ顔で冷酷に言い放った。
苗倉
🎲 安田 酢太郎【心理学】➔ 成功
🎲 今泉 さらさ【心理学】➔ 失敗
酢太郎はその冷淡な言葉の裏に、苗倉の強烈な「焦り」を見抜いた。
苗倉は自分が二人にとっての“敵”だと完全に悟られてしまう前に、何としてでもシナリオを先へ進めようと酷く焦燥している。
苗倉
苗倉
苗倉
苗倉
🎲 安田 酢太郎【目星】➔ 成功
酢太郎は壁に埋まった草壁の遺体を素早く検分した。
草壁の腕には何か鋭利な刃物で抉られたような深い切創があり、衣服全体が赤黒い血で濡れている。
死因の特定までは至らないものの、傷口の凝固具合や腐敗の兆候から、死後すでに丸二日ほど経過していることがはっきりと見て取れた。
さらさ
さらさ
🎲 今泉 さらさ【説得】➔ 成功
さらさが涙を拭いながら切実に訴えかけると、苗倉は憑き物が落ちたような、しかしどこか歪んだ恍惚の笑みを浮かべて激しく頷いた。
苗倉
苗倉
苗倉は草壁の遺体を壁の空洞から乱暴に引き摺り出し、床の上に無造作に横たえた。
草壁が埋まっていた部分はぽっかりと大きな穴となり、その奥に薄暗い隣の部屋が広がっているのが見える。
苗倉は二人に先んじてその穴をくぐり、隣室へと足を踏み入れていった。 ――その直後。
ゴンッ! ガンッ!! ゴンッ!!
隣室から、硬い物体を壁に激しく叩きつけるような鈍くおぞましい音が連続して響き渡った。
二人が息を呑んで開口部から隣室へ踏み込むと、そこには信じがたい狂気の光景が広がっていた。
苗倉が、床に倒れている漣 剛(さざなみ たけし)の後頭部を両手で掴み、その顔面をコンクリートの壁に向かって何度も、何度も力任せに打ち付け続けていたのだ。
漣の顔面は鮮血で真っ赤に染まり、鼻骨は無残にひしゃげ、足元には砕け散った白い歯が飛び散っている。
二人が叫び声を上げて止めに入る間もなく、苗倉は手を離した。
漣の身体は力なく床へ崩れ落ち、ピクリとも動かない。
仲間への凄惨極まる暴行と狂気の現場を目の当たりにし、二人に戦慄が走る。
🎲 安田 酢太郎【SAN値チェック】➔ 成功(減少 -0)
🎲 今泉 さらさ【SAN値チェック】➔ 失敗(減少 -1)
息を荒げる苗倉は、血まみれになった両手を拭おうともせず、隣室の壁際へと移動すると、ピンと背筋を伸ばして直立不動の姿勢を取った。
どうやらこの部屋では、その壁際が彼の「定位置」であるらしい。
苗倉
苗倉
見渡すと、この隣室には窓も扉もなく、床や壁に変質した様子もない。
誰かが物置代わりに使っていたらしく、工具や資材など様々な雑多な物品が所狭しと積み上げられている。
そして足元には、止め処なく溢れ出る血の海の中に漣の身体が横たわっていた。
コメント
1件
第3話、読み終えました。今回は壁の奥から草壁の遺体が出てきた瞬間の衝撃と、その直後に苗倉が漣を壁に打ち付ける狂気の現場が続いて、本当に息が詰まるような展開でしたね。特に、苗倉がKPとしての立場と、自身の歪んだ衝動の間で引き裂かれている感じが、ダイスロールの成否とともにじわじわと伝わってきて…「焦り」を酢太郎が心理学で見抜くところ、ゾッとしつつも設定の整合性がしっかりしていて引き込まれました。さらさのSAN値がじわじわ削られているのも気になります。続きが気になる構成、素晴らしかったです。
あさくら
80