優雅で怪しい花は語る

　選ばれた、なんて、私には似合わない。

ですが…

シナリオの手引きくらいはして差し上げましょうか。

遠い遠い世界にいる、少女のために、ね。

「　　　　　　　」、確か虫除け効果があるんでしたっけ？

花言葉は…

嫉妬、絶望……勇気、真心

でしょうかね

「　　　」。花言葉は

私を忘れないで。

なんて美しい子なんでしょうね

だから皆、忘れてしまう

神も人も花も、変わらない

すぐ忘れられてしまう

いずれ私も…

仕方ない。殺すのはあまり好きではありませんが……

その子にじっくり、集中したいですもんね

あの子の名前はなんだったか…

もう、覚えてないですねぇ

興味が無いとすぐ忘れてしまうのは私の悪い癖だ

空の注射器を取り出して液体を入れる

中身は除草剤だ。

虫の塊でも良かったんですが、あいにくストックがないもので

どちらも苦しいのは変わりませんがね！

彼女の方に刺せば、なんの液体化瞬時にわかってしまったのかもがき出す

除草剤は声帯からやってくれるのでやはりうるさくなくていいですね

こののこり、どうしましょうか。

虫に喰わせておけば良かった…

久しぶりに花を運んだ…

体力…つけなければですね。

これはちょっと、今日もう動けない…

しまった、な、ぁ…．．．

眠気……が…

彼との出会いは最悪のような、最高のような…

当時の私にとってはありがたかったと言えるでしょう

こんな所で吐けば必ず人目に付く…それは困る……

出会った。出会ってしまった

スイレン。

美しい響きだった。

いや、何かが刺さった

動揺して声が詰まる…なんだ？これは…

……いや、知っている、きっと…

……ありえないと、思っていたというのに。

私は、今彼を

奪いたくてしょうがない。