/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
シェアする/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
僕
すみませーん
僕
予約した者ですー
店主
はーい
店主
店主
いらっしゃいませ！
店主
“幽霊の視える雑貨店”へようこそ！
僕
(なんか“注文の多い料理店”みたいだな)
店主
はい！
店主
“注文の多い料理店”をイメージして付けました！
僕
(エスパーなのかな)
店主
違いますよ～
僕
(エスパーだ)
ここは幽霊の視える雑貨店。
とは言っても、幽霊がうじゃうじゃいる雑貨店ではなく
幽霊の視える“従業員がいる”雑貨店である。
雑貨の販売の他、霊視なども行っているそうだ。
以前友人がここに来て、守護霊を視てもらったらしく
｢お前も行ってこいよ！｣
と言われたので来てみた。
店主
本日は、守護霊コースでお間違いないですか？
僕
はい
僕
よろしくお願いします！
店主
よろしくお願いします～
店主
では、早速視ていきますね
僕
はい！
店主
店主
店主
店主
うーん…
僕
どうしたんですか？
店主
なんか…視えないんですよね…
僕
もしかして、いないってことですか…？
店主
そんなことはないと思うんですけど…
店主
店主
あ！
店主
視えました！
店主
視えないというか、気付けなかっただけみたいです！
僕
え！
僕
ど、どんな霊ですか！？
店主
あなたの守護霊は…
店主
店主
蚊ですね
僕
か？
店主
はい
僕
えっと…？
店主
夏の夜に現れてほしくないランキング1位の、あの蚊です
僕
はぁ…
僕
蚊…ですか…
店主
そんなにがっかりしないでください！
店主
これ、すごく珍しいんですよ
店主
少なくとも、私は初めて見ました！
僕
うーん…
店主
あ、でも
店主
その守護霊さんが来たことで
店主
元々いたご先祖様の守護霊がいなくなっちゃったみたいですね
僕
そんなことあるんですか？？
店主
初めてのケースなので分からないですけど
店主
霊だって蚊に刺されるのは嫌なんでしょうねぇ
僕
(迷惑な守護霊様だなぁ…)
店主
けど、ちゃんと役割も果たしてくれてますし…
店主
職場に嫌いな上司の方、いらっしゃいますよね？
店主
背が低くてネチネチしつこくてよく怒鳴る…
僕
あぁ、はい
僕
いますけど…
店主
その方、今年…
僕
(違うところに飛ばされるとか？)
店主
ちょっっっとだけ蚊に刺されやすくなります！
僕
(ちょっっっとだけなんだ)
僕
(ご先祖様追い出しといてそんだけ…？)
僕
そうですか…
僕
(なんだかなぁ…)
零見 絵留(ﾚｲﾐ ｴﾙ)
零見 絵留(ﾚｲﾐ ｴﾙ)
すみません店長！
零見 絵留(ﾚｲﾐ ｴﾙ)
授業が長引いて遅れました！
店主
お疲れ様～
店主
慌てなくて大丈夫だよ
店主
制服に着替えておいで
零見 絵留(ﾚｲﾐ ｴﾙ)
はい！すみません！
零見 絵留(ﾚｲﾐ ｴﾙ)
ありがとうございます！
僕
えっと…？
店主
バイトの子です！
僕
なるほど
店主
すみません、会話中に
零見 絵留(ﾚｲﾐ ｴﾙ)
あ、蚊だ
店主
あっ
店主
零見ちゃん、それは…！
ﾊﾟﾁﾝｯ
零見 絵留(ﾚｲﾐ ｴﾙ)
夏ですねぇ
店主
間に合わなかった…
僕
え、あの
僕
もしかして…？
店主
すみません…
店主
守護霊、いなくなっちゃいました…
僕
えぇー…
僕
(まぁ…蚊だし別にいいけど…)
この後、めちゃくちゃ謝られた。
店主
お会計、7万円になります
僕
(そこはちゃんと取るんだ)
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
