こさめ
みこと
その声はいつにも増して低い。
包丁を持った手首が強く握られる。
痛かった。
こさめ
今にも泣きそうな声で
こさめ
そう叫んだ。
彼の黄色い瞳がひかる。
いつもとは違う、鋭い目つき。
正面から睨め付けるが、 おれが負けた。
みこと
低い声。 俺の心を突き刺す。
こさめ
勝手な、思い込み。
こさめ
こさめ
みこと
こさめ
昔好きだった女の子も、みなとくんも 友達として好きだった人も
こさめ
飛び降りたり、首吊ったり、
こさめ
もう見たくない。
こさめ
…こさめがすきなのは、
こさめ
みことくんだったんだ。
こさめ
両手には、力がなくなる。
両目からは涙が溢れる。
こさめ
みこと
みことくんは黙って俺を見つめた。
包丁はただこさめの手に握られていて
これ以上力を抜けば落ちてしまいそう
みこと
こさめ
暖かい手が、
みこと
細長い指が、
こさめ
優しい瞳が、
みこと
甘いその声が、
こさめ
愛おしい全てが、
みこと
何故か、おれが
好きになってしまった。
絶対に、ありえなかったのに
心が何故か満たされた気がして、
また涙が溢れた。
自分の気持ちに蓋をして
自分の心をひたすらに閉ざして
こさめ
大切な人に、
みこと
後悔をー。
こさめ
みこと
こさめ
こさめ
みこと
みこと
みこと
みこと
考えなおそ。
コメント
9件
ガチ泣きしました。。
私BLかけないしこっちの感動系も 書けないからsuyu様が神にしか 見えん……
第7話『好きな人は。』 自分の気持ちに蓋をして、自分の心をがっちり閉ざして。 好きな人すらも盲目になるくらい。 俺は事実を信じなかった。