君になりたくて

バァンッと優成のスパイクが床に叩きつけられた。

ピッ…と試合終了の笛が鳴り響く。

光と陽真は2階キャットウォークから月葉の試合を見ていた。

光はボッと赤くなる。

陽真は光の頭を撫でた。

光はかぁっと顔を赤くさせた。

バァンッ！

月葉の対戦相手のスパイクは月葉のコートめがけて飛んでいく。

その時、トンッと綺麗にボールは上にあがる。

そして陸のスパイクで点を取った。

コートから聞こえる声に耳を澄ます。

ピッと試合終了のホイッスルが鳴った。

2人は陸のことで盛り上がりながら体育館を出た。

その時、陽真は正面を向いて立ち止まってしまった。

光も陽真の見る方に顔を向けた。

そこには金髪のロングヘアの綺麗な女性が立っていた。

少し、モヤッと光の心が曇る。

女性は陽真の方へ近寄ってくるが、陽真は女性のことをじっと睨んだ。

陽真は背中を向けて歩いていってしまった。

光の顔はカッと赤くなった。

すると芽依は光の方によってそっと耳打ちをした。

その時、ドンッと芽依を突き放した。

芽依はニコッと笑って歩いていってしまった。