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目を開けると、そこはいつか来た花畑だった。
目の前には…
自分のすぐ前に立って笑っている人を見て、すぐにこれは夢だと理解した。 光が反射するセンター分けの黒髪、綺麗な二重の目、 スタイルのいい身体。
絵に描いたような美しい人。 それは、俺の兄ちゃんだった。
お兄ちゃん
無邪気に笑う兄ちゃん。
赤
お兄ちゃん
何を言おうか迷ったけれど、言葉より先に涙が出てきた。 服の袖で拭おうとすると、兄ちゃんがいつものハンカチを差し出しながら、
お兄ちゃん
お兄ちゃん
俺はただ笑おうとしながら、
赤
赤
赤
兄ちゃんは首をかしげながら、
お兄ちゃん
お兄ちゃん
お兄ちゃん
お兄ちゃん
俺の胸に手を置く。
お兄ちゃん
そう言って、くしゃっ、と笑った。
赤
お兄ちゃん
赤
お兄ちゃん
お兄ちゃん
上着のポケットから手紙のようなものを取り出した。
お兄ちゃん
赤
赤
赤
ニヤニヤしながら聞く。 まさか兄ちゃんと恋バナをする日が来るとは。
お兄ちゃん
お兄ちゃん
お兄ちゃん
赤
赤
赤
赤
まあ、俺もなんだけどね。
お兄ちゃん
お兄ちゃん
お兄ちゃん
赤
お兄ちゃん
赤
赤
名前を呼ばれたその人は、微笑んだ。
目を開けても、手には手紙を持っていた。どういう原理なんだろう。 まあ、これはその「蒼海青」さんに届けに行こう。 「またね」か…本当にまた会えたらいいな。
図書館に来た。兄ちゃんのお墓参りには行ってきた。 母さんは泣いてたけど、俺は初めて泣かなかった。 兄ちゃんのおかげかな…
今日は、いつもとは違う。 自分の借りたい本ではなく、「××小学校卒業生一覧」。 これは、兄ちゃんの学校の卒業生が載っているから、もしかしたら… そう思いながら、借りる手続きを始めた。
赤
なんだか視線を感じる。
赤
向こうに気づかれないように後ろを見る。 !なんか若いお兄さんがこっちを見てる。 …目合わせないようにしよ。
そして俺は、そそくさとその場を去った。