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黄
赤
病院の屋上
不思議そうな顔をする君を、僕は
今日からはここで入院かぁ…
病院ずっところころ変えて…
なんか、やだなぁ…
病院をころころ変えている元凶は僕の病気
人魚姫病(にんぎょひめびょう)
言うところの奇病ってやつ
お話の人魚姫のように声が出なくなって、足から鱗が出てくる
涙は真珠で、病気が進むと勝手に海へと足が進んで身を投げる
初めて症状が出たのは中学校3年生
黄
黄
寝て起きたら声が出なかった
すぐ病院に行くと気づいたら鱗も出ていた
医師
医師
医師
医師
それから色々な病院に入院したけれど
どこも経験が少なく、僕の症状が良くなることはなかった
そして、一番奇病の経験があるといわれているこの病院に入院することになった
でもここって…あの人が入院してた病院…
赤
黄
なんで…いるの?
そんなことより!声かけないとやばいかも…!?
ええと、紙とペン…
黄
赤
やっぱり…赤だ!
でもなんで…
タヒんだはずじゃ…?
赤
黄
黄
赤
でもこの感じ、覚えてなさそう…
そうだよね、会ったの小さい頃だし
黄
赤
黄
赤
赤
黄
病室の名前、同姓同名なだけだと思ってたけど…
嬉しい…!
黄
赤
僕は嬉しいけど…
お、怒ってる…?
黄
赤
黄
黄
本当に本物の赤だとは思わなかった
赤の症状が出た一年後
タヒんだって聞いたから
赤
あ…なんか話題…
黄
赤
あ…言ってもいいのかな…
黄
黄
赤
赤
赤
黄
赤
黄
黄
黄
赤
黄
黄
黄
赤
ほんとは知ってる
赤
病名も、赤が言いたくないってことも
でも…なんで僕にタヒんだって話がきたのか、理由を知りたい
そのためにも、まずは赤の口から直接病状を聞きたい
でも…やっぱり無理そう
黄
黄
赤
赤
赤
話してくれた…!
黄
黄
黄
黄
お世辞なんかじゃない
心からそう思ってるけど
すごく不安そうな顔をしてる…
黄
黄
赤
赤
やっと見えた、赤の本心
黄
黄
黄
しかも、自分からしても意味がない
相手からの愛がこもっている口付けしか効かないらしい
病院から出れないのにどうやって僕を愛する人が出てくるの?
看護師
看護師
赤
看護師
赤
赤
看護師
看護師
赤
黄
赤
…さてと
赤の病気が発覚したのが中学校一年生のとき
僕に赤がタヒんだって話が来たのは中学校二年生のとき
そういえば…赤の『親友』なら何か知ってるかも…
僕が病気になったのが次の日の朝
赤の病気が発覚してからの一年間に、なにかあったってことかな…
黄
黄
桃
黄
黄
桃
黄
桃
桃
黄
黄
桃
桃
黄
黄
どうして…?
友達じゃない?
なんで…
あの人のせいで赤は苦しんでいたのに
まさか…タヒんだって話をしたのも、あの人…?
あの人のせいで、僕は…
病気になったってこと、?
最っ低…
あと気になってた事と言ったら…
吐石病の治療法…か
調べたら出てくるか…な…
黄
嘘…でしょ?
『大切な人を○すこと』…
そんなの…
心優しい赤に…出来るわけがない…
赤を治す方法はこれしかないの…?
そんな…
黄
ガラガラガラッ
赤
黄
携帯見られたらまずい…
赤
黄
黄
黄
赤
黄
黄
赤
黄
まさか、治療法を赤に言ったり…
赤
黄
赤
黄
僕それどころじゃないから!
もしも赤が治療法を知ったら…
黄
ここが一番大事
赤
黄
よかった
この感情が正しいのかはわからないけど、そう感じた
赤のことを考えると少し申し訳ない
黄
黄
声が…出る!?
黄
ここは…昔よく遊んでた公園…?
それに…
黄
赤
黄
小さ…じゃなくて、幼い…?
赤
過去の黄
黄
声は届いていない
というか、聞こえて無い…?
黄
赤とは、幼馴染だった
でも、中学に上がるときには話すことも少なくなった
黄
黄
黄
黄
過去の黄
黄
中2の僕だ
赤のことを常に考えてた時
なぁ、隣のクラスの赤ってやつ
タヒんだらしいぞコソッ
過去の黄
え、あの入院してたやつ?
多分
ーーが言ってた
過去の黄
黄
この頃、既に僕は赤のことが
好きだった
人魚姫病の原因は
『絶対に叶わない恋をしてしまったとき』
黄
黄
黄
黄
あ…
声が、出ない
夢…だったのか
深夜3時…
もう一回寝よ…
赤が、いない
理由は知ってる
赤の容態が急変して集中治療室にいるから
…赤、大丈夫かな
ガラガラッ
赤…っ!?
桃
誰!?!?
桃
黄
え、怖い…
桃
桃
分かんないから聞いてるんだけど…
桃
桃…桃…
黄
黄
桃
黄
桃
は???
黄
桃
黄
桃
桃
この人の言う事を聞くのは気が引けますが
黄
黄
桃
桃
ガラガラッピシャリ
ほんとに何しに来たんだろう
…はぁ
赤がいないって、寂しいな
もしかしたら、もう二度と…
駄目だ、そんなこと考えたら
赤の帰りを、待とう
赤が戻ってきたら、絶対に言う
『好きだよ』って
朝、起きたら隣には赤が居た
でも、前の赤じゃない
黄
黄
赤
黄
赤
赤
赤
黄
タヒぬ?赤が?
嘘だ…そんな…
赤
赤
黄
黄
赤
黄
どうしよう…なにも考えられない
赤
赤
うん
赤
うん
赤
赤
うん、辛かったね
そうやって声をかけたいのに…
僕は声が出ない…
なんで…っ?
赤
赤
赤
赤
赤
赤
…そっか
それなら僕はこの気持ちを赤に伝えることは出来ないな…
赤
お願いだから、話を続けないで
僕の恋が、一生叶わないものになっちゃうから
でも……
黄
赤
赤
黄
なん…で
大切な人って……
赤
赤
足の鱗が…なくなって…
本当に、僕のことが…?
黄
黄
赤
赤
赤のほうが…何千倍も綺麗だよ…
赤
赤
赤
黄
そんな…っ!
赤
黄
赤
赤
赤
黄
黄
赤
赤
赤
そんなこと言わないで…
言いたいこと…抑えられなくなっちゃうから…!
黄
黄
黄
黄
赤
赤
手遅れなことなんか僕も分かってる
赤
本当に、お別れなの…?
黄
赤
黄
黄
黄
赤
赤は、灰となって朽ちていった
僕の目の前で
残酷だなぁ…
灰が、すごくキラキラしてる
…綺麗
黄
黄
きっと赤は、幼い頃の僕との記憶は
一つも覚えてなかったと思う
でも、それでよかった
黄
黄
黄
END