紫
…んっ?
美しく輝く星空の下。
紫
…あれ?
紫
私、何してたんだっけ…?
…気がつくと私は 公園のベンチの上にいた。
…向かいの席に、 誰か座ってるみたい…?
…え?
あれって…?
…もしかして?
紫
紫
奏っ!?
…反応がない。
…人違い、だった…!?
…どうしよう…!?
紫
あのっ!!!
紫
すみませ…
…顔を覗き込むと…!?
…っ!?
やっぱり奏、だ…っ!?
…あ。
奏は、目を瞑ってる。
…って事は。
もしかして、眠ってる…?
奏
…ん〜ゆかり〜。
紫
は、はいっ!?
奏
…ごめんな…。
奏
…ずっと大好きだかんな…。
紫
…えっ!?
紫
…だ、大好きって…っ!?
…もしかして、今の… 寝言!?
閉じていた目が ゆっくりと開いて行く…。
奏
…あー…眠っ!!
奏
…って。
奏
わあああぁぁぁぁっ!?
奏
紫っ!?
奏
…あっ!起きたんだね!!
紫
…え?何のこと?
奏
…いや、何のことって…
奏
…紫、あれからずっと眠ってたけど?
紫
…え?
紫
…あれからって…?
記憶のページをめくってみる。
…確か私は、奏を追いに
伊織くんと空を飛んでいて…
…あれ?待って…!?
なんで奏がここにいるの!?
紫
…えーーーっ!?
奏
うおっ!?
奏
どうしたの、急に驚いちゃって?
紫
…奏…。
紫
車に乗ってなかった!?
紫
それで、私は…!!
奏
奏
…紫。
奏
…聞いてほしい事があるんだ。
奏
…聞いてくれるかい?
紫
紫
うん…!!
…聞いてほしい事って なんだろう…?
奏の真剣な瞳の色に 圧倒された私は
ゴクリと、唾を飲み込む…。
奏
…俺さ。
奏
…紫と別れようって言ったじゃん?
奏
…あれさ、本当は嘘なんだ。
嘘。
…奏は、なんで嘘を ついたんだろう…?
…何か理由があるんだよね…?
紫
…嘘…っ!?
紫
なんでそんな嘘を…!?
奏
紫には言ってなかったけど。
奏
俺、こう見えて…
奏
アメリカと日本のハーフなんだ。
紫
…ハーフ、なの…?
奏
…うん。見えないでしょ?
紫
…見える。…そうじゃないかな〜?って思ってた。
奏
…えっ!?
奏
バレてたの!?
紫
…バレてるよ!!
紫
だって…
奏、カッコいいじゃん…。
そう言いかけて、やめた。
…私はもう、そんな資格は 無いから…。
奏
…だって?
紫
紫
…なんでもない。
奏
…そっか。
奏
それでさ、俺のお母さん…アメリカに住んでるんだけど
奏
…骨折しちゃって。
奏
…お父さんは忙しいし、我が家は一人っ子だから…
奏
俺がアメリカに行って住み込みでお母さんの介護をする。
奏
…だから、紫にわざと別れを告げたんだ。
奏
いつ戻ってこれるかわからないから。
…奏、何言ってるの…?
なんで…!!
なんで一人で 抱え込んでたの…!?
紫
…奏の…
紫
…奏の、ばかっ!!
紫
なんで本当の事を言わずに黙って行こうとしたの!!
紫
…私は!!
紫
…今でも奏の事が大好き。
奏
紫
…私の幸せは!!!
紫
…奏といる事、なんだよ!?
奏
…ごめん。
奏
…ずっと黙ってて、ごめん。
紫
…奏。
紫
奏は…。私の事、どう思ってるの…?
もう嫌いになった?
顔も見たくないほど、 大嫌い?
…それでもいいよ。
…奏の本当の気持ちが 聞きたいんだ…!!
奏
俺は!!!
奏
…紫の事が、今でも大好きだ…!
奏
…けど。
奏
…せっかく就職した紫の仕事を奪いたくもないから。
奏
俺は一人で…
…奏は、私の心配ばっかりして
また一人で 抱え込もうとしてる。
…奏は本当に馬鹿すぎる。
…それが奏らしいけど。
紫
…はあ。
紫
奏は、本当にばかだね…。
奏
…えっ?
紫
仕事なんてアメリカで見つければ良い。
紫
私は…!!
紫
奏と一緒にアメリカに行くよ…!!
…奏。
あなたと一緒に居られるなら、
…私。
アメリカでも…。 たとえ火星でも…!!!
どこにだって ついて行くよ…!!!







