冬弥
何故かわからないが彰人に別れようと言われてしまった。
冬弥
メールや電話にも出ないし白石や小豆沢に頼んでも彰人にだめと言われてるからと断られてしまった。
冬弥
いつかを思い出しても特に振られるようなことをした覚えない。
冬弥
何か彰人の機嫌を損ねてしまうことをしてしまったのだろうか…?
冬弥
そんな事を思いながら明日も学校なので目を瞑り、暗闇に身を落とした
モブ
あの女と冬弥くんが別れた。
モブ
正直素直に別れるとは思っていなかったけど、まあ私と冬弥くんが付き合えるからいいか。
モブ
明日は私だけの王子様と付き合う、学校一のイベントだ。
モブ
寝不足なんてことはしてはいけないと思い、布団に包まり、目を瞑った。
モブ
面倒な授業が終わり、食事の時間になった。
モブ
私は冬弥くんと結婚する事が決まっているのに、料理も出来ない嫁だと周りから何か言われると思い、冬弥くんと出会ったあの日から自分で弁当を作り始めた。
モブ
自分で言うのもあれだが、周りの女子と比べたら料理はとても上手い方だ。
モブ
あと少しで私達の運命の赤い糸が繋がると思うと、ニヤケが止まらなかった。
モブ
ああ、早く昼休みにならないかな。
彰人
教室にいるとあのクソ女と一緒の空間にいることになり、怒りが止まらなかったので中庭に来た。
彰人
どうやら風のうわさで聞いたが、あのクソ女は今日冬弥に告白するらしい。
彰人
こんなことを言うのは癪に障るが、あの女は私よりは顔がいい。
彰人
冬弥は顔だけでは決めないとは思うが、もし付き合った場合、オレは顔だけのやつに負けることになる。
彰人
それだけはゴメンだ。と思いつつも購買で買った惣菜パンを口の中に詰め込んだ。
彰人
機嫌が良くない中顔を上げると、中庭の入り口から騒がしい声が聞こえた。
彰人
この声は何度も聞いている。
彰人
冬弥が異常なほど好意を抱いている人、司センパイと自称現代の平賀源内、神代センパイだ。
司
「む?そこにいるのは彰人ではないか!」
彰人
最悪だ。
類
「おや、珍しいね。いつもは冬弥くんと一緒に食べているのに。」
彰人
この人はよく痛い所をつく。
司
「心なしか元気がないようにに見えるが、どうかしたのか?」
彰人
「いや、なんもないっすよ」
類
「何もないようにしては凄く元気が無いようだけどね」
司
「なぁ、彰人。俺らだって先輩なんだぞ!少しぐらい話してみてもいいんじゃないか?」
類
「そうだよ。少しぐらい頼ってもいいんじゃないかい?」
彰人
「そう…ですね…」
説明中…
司
「なるほど…そんなことがあったのか。」
類
「たしかにそれは辛いねぇ…。」
類
「だけど東雲くん。おそらく心配いらないと思うよ。」
彰人
「え…?それってどう言う…」
類
「そのままさ。おそらく青柳君はそのモブくんからの告白を断るっていうことさ。」
彰人
「…え?」
モブ
「ごめんね、急に呼び出しちゃって。」
冬弥
「いや、大丈夫だ。それで俺に何か用か?」
モブ
「あのね…」
モブ
私は全ての力を使い、決意を固め、言った。
モブ
「私と付き合ってください!」
モブ
冬弥くんの方を見ると、目を見開いて私を見ている。
モブ
ああ、やはり両思いだったんだ。と確信し、冬弥くんの返事を待つと、
モブ
そこには私の一番いらない言葉が冬弥くんから出てきた。
冬弥
「…すまない。」
モブ
「え…?」
モブ
「うそ、嘘だよね?」
冬弥
「いいや、本当だ。気持ちは嬉しいが、君の気持ちに答えることはできない。」
モブ
「なんで…?」
モブ
「なんでっ?!なんでなの!?私達は両思いで、私だけの王子様でっ!運命の赤い糸で繋がっt」
冬弥
「俺には、好きな人がいるんだ。」
モブ
「はっ?」
冬弥
「わからないか?俺はお前じゃない、好きな人がいるんだ。」
モブ
「なんでなのよ!??」
モブ
私が思いどうりに行かず混乱していると、あるやつの顔が浮かび上がった。
モブ
「そうだ…やっぱり冬弥くんはあの女に洗脳されてるんだよ!」
冬弥
「あの女って…彰人のことか…?」
モブ
「ええ!そうだよ!」
冬弥
俺のなかで、何かが千切れる音がした。
冬弥
「すまないが…俺の好きな人をそんな風に言う奴とは付き合えない。」
モブ
「は?え?ちょっえ?」
冬弥
どうやら俺の好きな人が彰人だと知りとても混乱しているようだ。
冬弥
当たり前だ。なぜならつい先日まで付き合っていたのだ。
冬弥
こないだまで付き合った人と今までほぼ接触のない人間だったら大半の人間が前者を選ぶだろう。
冬弥
時計を見ると、もう昼休みが終わる前だった。
冬弥
俺は目の前で混乱する女を見て、こう言い放った。
冬弥
「俺は気持ちに答えることは出来ない。今後、永遠にな。」
冬弥
そして俺は校舎に戻っていった。