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木兎光太郎

浅見!

浅見円日

うわっ、びっくりした

ダン!と音を立てて 木兎の両手が私の机に着く。

とある日の昼休み。

頬杖をついてテキストを 読んでいた私は顔を上げた。

木兎は大事件だと 言わんばかりに、

目を見開いている。

まあいつもの事だ。

浅見円日

どうしたの?

私が聞くと ゴクリと喉仏が上下した。

木兎光太郎

今度のテストがヤバい!

浅見円日

そんなことだと思った。

知り合ってたった5年、 されど5年だ。

浅見円日

私に教えろって?

木兎光太郎

頼む!

木兎光太郎

追試と合宿の日にちが被るんだよォ〜

涙を流す勢いで ガックリと膝をつく木兎。

イスに座っている私と 目線が近付いて、

木兎は私の机に顎を置いた。

木兎光太郎

頼む浅見〜 (泣)

泣きべそをかく木兎の口に じゃが○こを突っ込む。

木兎光太郎

浅見円日

そんなに懇願しなくても教えてあげるよ

浅見円日

いつもの事でしょ

木兎光太郎

本当か!?

浅見円日

嘘だと思う?

やったー!と心底嬉しそうに 飛び跳ねる木兎。

浅見円日

合宿に参加できないのは木兎にとって死活問題だからね

木兎光太郎

シカツモンダイ?

浅見円日

人が生きるか死ぬかに関わる問題ってこと

木兎光太郎

俺死ぬのか!?

浅見円日

例えに決まってるでしょ

泣いたり喜んだり青ざめたり、

コロコロと表情が変わる。

そんな所も 私が惚れた理由だ。

放課後。

テスト期間のため 木兎の部活もなくて、

私達はHRが終わって 閑散とした教室にいた。

浅見円日

で、どこが分からないの?

木兎光太郎

分かんない

浅見円日

はい?

木兎光太郎

どこが分かんねぇのか分かんない

そうだった、 木兎はアホなんだった。

浅見円日

じゃあまずはテキストを解いてみて

私は深呼吸をすると そう言って問題を指さした。

木兎光太郎

おう!

木兎光太郎

……

浅見円日

木兎?

木兎光太郎

この問題分かんねぇ

“この問題”というのは 最初の基礎の問題。

浅見円日

本当に授業受けてる?

木兎光太郎

受けてる!

浅見円日

木兎の言う“受けてる”は出席してるだけでしょ

こりゃ先が思いやられる。

“ エ ー ス ” じ ゃ な い 君

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