義理の兄から溺愛されてます。

𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡

ﾊﾞﾝｯ

葵世くんが放った銃弾は俺の心臓をしっかりと貫いた

サヨウナラ……セカイ

ソシテ

ミンナ……

翔琉を助けに行った日から1年が経過した

あの日、翔琉が囚われていると思われる部屋に行くことが中々出来なかった

ユル達では無い別の最強の殺し屋と殺り合っていたからだ

俺たちがその部屋に着いた頃には翔琉の姿はなかった

何処へ行ったの？

翔琉……どこにいるの？

翔琉……？

会いたいよ

1年経った今も翔琉は行方不明

翔琉と一緒に部屋にいた男『葵世』とかいう奴も行方不明

どれだけ探しても見つからない

警察も協力して何ヶ月も探してくれたけど見つかることはなかった

翔琉の生死も分からない今…

俺はどうしたらいいのか分からなくて……ポッカリと空いた心を塞ぎきれず生きている

笑うことも出来なくなった

“絶望”

唯菜が○された時はここまでじゃなかった……

翔琉ガ行方不明になって、生死も分からない状態。 まるで俺は生きる意味のない世界で生きているみたいだ

翔琉と離れただけでこんなんになるなんてダメだな俺は…

でもこの絶望が翔琉の死を示すものなんだとしたら

翔琉はあの日にもう○んでいるのだとしたら……

考えたくない

生きていて

お願いだから

生きていて

まだ伝えれてないから

“翔琉のことがずっと好きだった”って…

数年後

俺は初唯、玖音の妹、梓と結婚した

俺は幸せだな…w

翔琉は幸せに生きてるかな…（笑）

幸せな会話を梓としているその時だった

そう言うと葵世は姿を消した

ﾁ…ﾁ…ﾁ

5

4

3

2

1

ｶｰﾝｶｰﾝ🔔

幸せを祝う音がこの結婚式会場一面に鳴り響く

その鐘の音からは有り得ないほどの恐怖が感じられた

ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ……

何も無かった壁が突然ドアのように開いた

行くしかない…

俺は震える梓の手を取って仁斗の背中に続いた

一直線の道を歩いて数分後

1つのドアに俺らは足を止めた

ｶﾞﾁｬ＿＿

物凄い匂いがドアの隙間からした

まるで腐った何かのような…匂い

俺らは手で鼻までを覆いそのままドアの先を進んだ

そこには

血まみれで首を吊った男の子

翔琉の姿があった＿＿