カエデの木の花言葉

呻きながら重い体を起こす ビービーとうるさいアラームを消して カーテンを開ける、今日は何故か人影が多く 国旗を振っていた

ふと、可愛らしい声が風に乗って聞こえた いつの間にか現れたのは大きな黒い猛禽類の鳥 ふわふわな羽の中に革のベルトが見える

クルルと可愛らしく鳴くと 左足を差し出してくる、腕を出すと軽く掴み 腕に乗ってくれた

差し出し相手が分かるかもしれないと 手紙を取り出し紙を広げた そこには久しぶりに見た綺麗に流れてるような文字 少し顔を顰めながら文字を読む

出兵と故郷という言葉を頭に浮かべた その瞬間俺は急いで身支度を済ませ 大学を飛び出た

この街の１番高いところから複数のモニターを 確認して報告を告げる

遠くから迫ってくる１つの影に気づく 拡大してみると大きなバイクを匠に操り走る エーミールの姿がハッキリと目に写った

唐突に目の前に現れた２人は 特に武器も手に取らずただ立っていた バイクを停め輪に入ると小さな声で会話が始まった

手渡されたのは緑のライトが控えめに光る 片耳のイヤホンで左耳につけると 複数の声が聞こえてきた

特に警戒していないのか「行くで」で 完結されてしまった 大人しくバイクを押しながら着いていくと ザワザワと騒がしい声が聞こえてくる

自分よりも小さくなった母さんを抱きしめる 駆け寄ってきた青年に杖をつく懐かしい顔ぶれ 誰もが笑顔で俺の名前を呼んでくれる

俺はいつも考えていた もし今、あいつが俺を必要としてくれているなら 今も昔の約束を、願ってくれているのならと だけど俺は逃げ続けるだけ ちゃんと向き合わないと何事も終わらない

トントンさんの怒鳴り声が聞こえてくると 遠くからの騒音が多くなった気がした