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陽葵
朝の教室。
陽葵ちゃんが元気よく手を振りながら 教室へ入ってきた。
陽葵
その一言だけで、教室の空気が少し明るくなる。
波瑠
私は笑って手を振り返す。
紬ちゃんも小さく笑った。
紬
休み時間。
三人で窓際に集まって話していると、 陽葵ちゃんがふと廊下を見た。
陽葵
その視線の先には蒼二郎君。
先生にプリントを頼まれ、何人分もの資料を抱えて歩いていた。
陽葵
陽葵ちゃんが小さく呟く。
私はその横顔を見た。
前に話を聞いてから、 蒼二郎君は少しずつ頼れるようになってきた。
でも。
“頼られること”自体は変わっていない。
陽葵
陽葵ちゃんはすぐに立ち上がった。
波瑠
私と紬ちゃんも後を追う。
陽葵
蒼二郎
振り返ると、少し驚いた顔。
陽葵
陽葵ちゃんが笑う。
蒼二郎
そう言いながらも、プリントはかなり重そうだった。
私はそっと半分持つ。
蒼二郎
波瑠
紬ちゃんも残りを受け取る。
紬
蒼二郎君は少し困ったように笑った。
蒼二郎
職員室から戻る途中。
陽葵
陽葵ちゃんが歩きながら言う。
陽葵
私は頷く。
波瑠
紬ちゃんが続ける。
紬
陽葵ちゃんは笑顔になった。
陽葵
陽葵
その言葉に、私は少し考えた。
今までは“悩み“って、 心のことばかりだと思っていた。
でも違う。
疲れていること。
忙しいこと。
一人で頑張りすぎること。
全部、誰かが気付いてあげれることなんだ。
放課後。
教室には夕日が差し込んでいた。
先生
先生が声をかける。
先生
教室が一気に賑やかになる。
クラスメイト
クラスメイト
そんな声が飛び交う中ーー
私は一人だけ、少し離れた席にいる男子に気づいた。
班の話し合いが始まってるのに、 なかなか輪に入れずにいる。
クラスメイト
私はその様子を見て、小さく立ち止まった。
陽葵ちゃんも、同じ方向を見ている。
目が合う。
言葉はなくても分かった。
二人とも、同じことを思っている。
三人で、そっとその子の方へ歩き出す。
三人
誰かが言うことで勇気が出たら良いな。
誰かを照らすふつうの毎日
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コメント
1件
ひまっさん、第8話読みました! 「困ってるって、いろんな形がある」——陽葵ちゃんのその言葉、すごく沁みました。心の悩みだけじゃなくて、荷物が重いとか、輪に入れずにいるとか、そういう“日常の小さな困りごと”に気づけること自体が、もう優しさの形なんですよね。三人でさりげなく動く感じが、この作品の空気感にぴったり合っていて、読んでいて温かい気持ちになりました。 校外学習の班分け、あの場面でどう動くのか、続きも気になります!