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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

華ちゃーん!

木枯さん。こんにちは。

手を大きく振りながらこちらに走ってくる木枯さん。

最近私を見かけたらよく話しかけてくれる。

そんなに急がなくても、私は逃げませんよ?

ほんと?何しても逃げない??

逃げませんよ。

そんなことより、今日はどんな用事なんですか?

今日は!

樹特製の手作り弁当を作ってきたから〜

食べて欲しいなってね!

…珍しい。料理嫌いな木枯さんが手作り弁当を…

心外だな〜

俺だって料理くらいするもんね

ほらほら休憩終わるし、早く行こ!

はいはい。

せわしい人だ。そんな木枯さんを見て笑みがこぼれた。

…ん

んん…??

気がついたら見知らぬベッドの上で眠っていた。

木枯くんの弁当を食べてからの記憶が無い。

疑いたくはないけど、まさか。

そのまさかかな。

…木枯さん。

なんで、こんなこと。

え?フツーに気まぐれだけど。

ま、そんなズルズル関係を引きずる気は無いから。

華ちゃんってお嬢様だからさ。

下手に手出したら自爆しちゃうじゃん?

だから仲良くしてからつけ込んでやろうと思って!

最低。

最低ですわ。

なんとでも。

男女がベッドの上ですることって、なんだと思う?

流石にそこまでウブじゃないかな。

…!!

触らないでください

華ちゃんに、拒否権はないでーす

力任せに服を引きちぎられる。

肌があらわになり、鳥肌がたつ。

本気だ。本気で、私を。

……

そんな睨まれても怖くないね

何も出来ないお嬢様は大人しくマグロになってていいからね〜

いた…

大人しくしてれば痛くないよ

大丈夫大丈夫

慣れた手つきで私の体を拘束する。

頭をフル回転させてどうすれば逃げ出せるか考える。

そうしてる間も私の身体を撫で回す木枯さんの手に震える。

せめて携帯で助けを呼べれば…。

…チ。こんな時に誰だよ

LINEの通知が連続で木枯くんの携帯から聞こえる。

逃げるなら今かもしれない。

なに

流斗

やっと見たな

流斗

センコーからお前を呼べって言われてしつこいんだよ

流斗

何したんだお前

流斗

とりあえず、俺は伝えたからな

ん〜

また明日、って先生に伝えといて

俺今忙しいから。

流斗

一緒に見てんだよセンコーも。

流斗

今すぐ学校に来い、だってよ

流斗

お前が来ないと俺も帰れねんだって

流斗

悪ぃけど顔出すだけだしてくんね

…分かった

流斗

なんかテンション低くね?

流斗

ま、来てくれるなら助かるわ

流斗

校門前な。

はいよー

あ、そうそう

俺の家に面白いもんあるから、良かったら見てって

流斗

なんだ?また新しいゲームかよ

ま、そんなとこ。

沢山遊んでやって

流斗

おー

流斗

お前が来るって知ったら俺開放されたわ。

流斗

あんまセンコー怒らせんなよ。

はいはいー

…どこいったあの女

ま、家から出てないだろうし焦ることは無いんだけど。

華ちゃーん?

俺が帰ってくるまで大人しくしてないと、どうなるか分かってるよねー?

いい子でお留守番してな。

玄関に向かう木枯くんの足音を聞き、ひとまず安堵する。

こっそり入ったクローゼットの中には、木枯くんの服が詰め込まれていた。

(帰ってくるまでに何とかしないと…)

お母様…お父様…

こんな時に限って出ないだなんて。

いつもはうるさいくらい束縛してくるのに。

玄関…

鍵は開けれるから勿論出れるのだけれど…

木枯くんが何をするか分かったもんじゃない。

とりあえず、外の様子だけ…

流斗

うお

いきなり開いたドアを反射で避ける。

流斗

危ねーな

流斗

ちゃんと確認してから…

流斗

……なんで西園寺がここにいんだよ

茅ヶ崎くん…!

あの、私木枯くんに、

流斗

あーとりあえず落ち着け

流斗

早口すぎて何言ってんのか分かんねーよ

それに、説明されなくても西園寺の様子を見ればわかる

服は引き裂かれ、下着が見えている状態だ。よくこんな格好で外に出ようとしたもんだ。

流斗

とりあえず中戻れ

流斗

自分の格好ちゃんと確認しろ

…え?

…!私ったら…すみません

見苦しいものをお見せしましたね。

流斗

別に。

流斗

話は中で聞く。早く入れ。

流斗

なるほど

茅ヶ崎くんに事情を話して少し。

驚いたりしないんですね

流斗

まあ、あいつは常習犯だからな。

流斗

あいつの裏を知らなかったお前が悪い。

流斗

簡単に信じるからそうなるんだよ

…何も言い返せませんわ

…えっと、茅ヶ崎くんは何の用事で?

流斗

面白もんがあるから家に来いって言われただけ。

流斗

ゲームかと思ったらまさかまんまと罠にかかったポンコツがいるとはな。

……

流斗

言い返す気力もないか

流斗

ざまあねぇな

流斗

いつもいつも偽善者ぶりやがって

助けてくれないの?

流斗

あ?

木枯くんから、私を。

流斗

メリットがないし、正直めんどくさい

流斗

あいつは怒らせるとねちっこいんだよ。

お願い

これを逃したら私はきっと酷いことをされる。

茅ヶ崎くんさえ上手く合わせてくれれば…

お願いします

流斗

流斗

お前が頭下げるなんて相当だな

流斗

頭上げろ

流斗

このままだと胸糞悪いからな

〜っ!!!茅ヶ崎くん…!!

勢い余って茅ヶ崎くんに抱きつく。

やっぱりいい人なんだ茅ヶ崎くんは。

トクトクと静かに鳴っている音にしばらく耳を傾ける。

流斗

おい。もういいだろ

流斗

落ち着いたか

…うん

流斗

よし

流斗

じゃ、一発かますか。

…ええ。

カマシテやりましょう!

流斗

…お前絶対意味わかってねーだろ

嫌よ嫌よも今のうち

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