美波
君はいつもそう言って
僕に駆け寄ってくる
美波
笑顔で言葉を投げかけ
抱きついてくる
これが当たり前と思っていた
美波
晴
美波
晴
美波
晴
晴
美波
美波
晴
美波
晴
美波
美波
美波
晴
晴
僕は大好きだった
いつだって君のことを考えていた
お母さん
晴
お母さん
晴
晴
いつもと同じように食べ進める
だけど、俺は少し異変を感じた
晴
お母さん
僕はアレルギーをたくさん持っていた
きっとその症状か、
いきなり腹痛と、顔に蕁麻疹が 襲ってきた
晴
お母さん
お母さん
僕は静かに頷くと
気を失った
俺は目を開けると 殺風景な部屋にいた
お母さん
お母さん
横には涙を流してる母がいた
ガラガラ
お母さん
医者
俺は声を出そうとしたが 上手く声が出なかった
医者
医者
頭の中が混乱する
お母さん
今までこんなこと無かったのに、
アレルギー反応だったら、
すぐ治まったのに、
そんな時そっと先生は口を開いた
医者
医者
お母さん
狂犬病?
聞いたことも無い言葉だった
医者
医者
医者
お母さん
お母さん
必死に叫んでいる母を横目に
先生は口を開いた
医者
お母さん
それは突然告げられた
絶望
だった
医者
医者
医者
医者
医者
医者
医者
お母さん
お母さん
医者
医者
この言葉を聞いて、 僕は死んだも同然だ
お母さん
先生は静かに頭を下げて
病室を出ていった
お母さん
お母さん
僕はそっと手を重ねる
泣きたくもないのに、涙が溢れてくる
「あーあ」
もっと部活したかったのに……
仕事もしたかったのに……
夢だって叶えたかったのに…
今になってやりたいことが
どんどん頭の中に出てくる
たくさんのことを思い出すにつれ
美波のことが頭によぎった
今このままだとどうなるのか…
考えていくにつれ
僕はそっと手紙を描き始めた
美波
美波
晴が休んでから4日
LINEもこないし
学校にも何も連絡は来てないらしい
家に行っても誰も居ないし…
美波
この時私はこの後どんな事が待ち受けているのか
全く知らなかった
美波
美波
私は駆け足で
家に帰っていった
美波
私の家の前には
晴のお母さんが立っていた
美波
お母さん
晴お母さんは、涙が溜まった目を ゆっくりと私へと投げかけた
お母さん
お母さん
お母さん
それは私が聞くこともないと思っていた言葉だった
美波
美波
お母さん
お母さん
お母さん
お母さん
ほんと、なんで伝えてくれなかったんだろ…
そんな大事なこと言ってくださいよ!
もしも間に合ってれば……!
私の心は
悔しさで溢れていた
お母さん
お母さん
美波
どういうことなの…
ねぇ、晴、
お母さん
お母さん
お母さん
美波
お母さん
お母さん
美波
美波
お母さん
晴のお母さんは心配そうに 私を見てくれている
私はどうにか涙を堪えて
家に入った
私は静かに椅子に腰を下ろして
手紙を読み始めた
美波へ
俺がこんなに弱くてごめん
心配かけたよな
せっかく約束したデートも行けなくて
ほんとごめん
でも、
心がいっぱいいっぱいになって
もう、お前のこと、
嫌になった
急にごめんな
初めて告った人で
初めて付き合った人で
初めてデートして……
美波はたくさん俺に初めてをくれた
今でも美波のことが大好きだ。
美波
今まで、
ありがとう、
本気で好きだったよ
俺よりいい男見つけろよ
……別れよう
その文字は滲んでいた
美波
美波
美波
美波
美波
私は静かに空を見上げて
一粒の涙を流した。
コメント
4件
こんにちは。久しぶりですね 覚えてますか?笑 元気してます?