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下手くそな君の嘘

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下手くそな君の嘘

1 - 下手くそな君の嘘

♥

51

2020年05月12日

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美波

君はいつもそう言って

僕に駆け寄ってくる

美波

大好きだよ!

笑顔で言葉を投げかけ

抱きついてくる

これが当たり前と思っていた

美波

ねー、晴?

ん?

美波

今度さあそこ行きたいんだよね

スイーツ好きだな(笑

美波

だって美味しいんだもん

それじゃあ前ダイエットする

って言ってたのは誰?

美波

え?

美波

そんな事誰も言ってないけど〜?

(笑
はいはい

美波

やった!

今度ね

美波

はーい

美波

あ、じゃあここで

美波

バイバイ!

ん、バイバイ

相変わらずだな、あいつ(笑

僕は大好きだった

いつだって君のことを考えていた

お母さん

晴、おかえり

ただいま

お母さん

晴、ご飯出来たわよ

いただきます

いつもと同じように食べ進める

だけど、俺は少し異変を感じた

うっ、

お母さん

晴?

僕はアレルギーをたくさん持っていた

きっとその症状か、

いきなり腹痛と、顔に蕁麻疹が 襲ってきた

っ、

お母さん

晴!?

お母さん

、アレルギー!?

僕は静かに頷くと

気を失った

俺は目を開けると 殺風景な部屋にいた

お母さん

……!

お母さん

晴、

横には涙を流してる母がいた

ガラガラ

お母さん

先生っ

医者

晴さん

俺は声を出そうとしたが 上手く声が出なかった

医者

突然ですが、あなたの身は

医者

大変危険な状況です

頭の中が混乱する

お母さん

危険…?

今までこんなこと無かったのに、

アレルギー反応だったら、

すぐ治まったのに、

そんな時そっと先生は口を開いた

医者

晴さんは、

医者

狂犬病です

お母さん

狂犬病……?

狂犬病?

聞いたことも無い言葉だった

医者

この病気は

医者

1956年から日本では
発症されていませんでしたが、

医者

ウイルスが体内に入ってしまい…

お母さん

先生っ!どうしたら治るんですか!?

お母さん

晴を……
晴を助けてください!

必死に叫んでいる母を横目に

先生は口を開いた

医者

残念ながら、それは出来ません……

お母さん

……え…

それは突然告げられた

絶望

だった

医者

この病気は

医者

世界でも多くの方が
亡くなっております

医者

年間5万人以上が感染し、

医者

息を引き取らなかった方は

医者

6人程しかいません。

医者

なので、残念ながら

医者

助かる確率は100%も無いと…

お母さん

そんな……!

お母さん

先生、どうにか、!

医者

私達もどうにかしたいのは山々ですが

医者

治療法が見つかっておらず…

この言葉を聞いて、 僕は死んだも同然だ

お母さん

晴…!(泣)

先生は静かに頭を下げて

病室を出ていった

お母さん

晴、ごめんね、(泣)

お母さん

私がこんなんだから(泣)

僕はそっと手を重ねる

泣きたくもないのに、涙が溢れてくる

「あーあ」

もっと部活したかったのに……

仕事もしたかったのに……

夢だって叶えたかったのに…

今になってやりたいことが

どんどん頭の中に出てくる

たくさんのことを思い出すにつれ

美波のことが頭によぎった

今このままだとどうなるのか…

考えていくにつれ

僕はそっと手紙を描き始めた

美波

今日も休みか〜

美波

会いたいよ…

晴が休んでから4日

LINEもこないし

学校にも何も連絡は来てないらしい

家に行っても誰も居ないし…

美波

どうしちゃったんだろ

この時私はこの後どんな事が待ち受けているのか

全く知らなかった

美波

ま、今度のデートのこと

美波

考えとこー

私は駆け足で

家に帰っていった

美波

え?

私の家の前には

晴のお母さんが立っていた

美波

晴のお母さん…ですよね…

お母さん

美波ちゃん、

晴お母さんは、涙が溜まった目を ゆっくりと私へと投げかけた

お母さん

言いにくいんだけどね

お母さん

お母さん

今日息を引き取ったの

それは私が聞くこともないと思っていた言葉だった

美波

え…

美波

どういうことですか…?

お母さん

4日前、突然倒れて

お母さん

狂犬病にかかってたことが分かって

お母さん

今日、

お母さん

…ごめんね、伝えられなくて

ほんと、なんで伝えてくれなかったんだろ…

そんな大事なこと言ってくださいよ!

もしも間に合ってれば……!

私の心は

悔しさで溢れていた

お母さん

晴が、

お母さん

「美波には言うな」って

美波

…え

どういうことなの…

ねぇ、晴、

お母さん

きっと、あの子なりに考えた
結果だと思うの

お母さん

それとこれ、

お母さん

美波ちゃんにって

美波

これって……

お母さん

毎日必死に書いてたわ

お母さん

お家に入ってゆっくり読んであげて

美波

…はい

美波

それじゃあ……

お母さん

……

晴のお母さんは心配そうに 私を見てくれている

私はどうにか涙を堪えて

家に入った

私は静かに椅子に腰を下ろして

手紙を読み始めた

美波へ

俺がこんなに弱くてごめん

心配かけたよな

せっかく約束したデートも行けなくて

ほんとごめん

でも、

心がいっぱいいっぱいになって

もう、お前のこと、

嫌になった

急にごめんな

初めて告った人で

初めて付き合った人で

初めてデートして……

美波はたくさん俺に初めてをくれた

今でも美波のことが大好きだ。

美波

今まで、

ありがとう、

本気で好きだったよ

俺よりいい男見つけろよ

……別れよう

その文字は滲んでいた

美波

晴…(泣)

美波

なんでよ……(泣)

美波

バレバレだよ(泣)

美波

大好今でもって
言っちゃってるじゃん(笑)(泣)

美波

私、晴以上の人なんて居ないよ(泣)

私は静かに空を見上げて

一粒の涙を流した。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

4

ユーザー

こんにちは。久しぶりですね 覚えてますか?笑 元気してます?

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