塵
いつの間にか
出てきたばかりだった太陽が
空の真上まで上り詰めた頃
眼から流れる涙が止まった
乾いた涙が
頬に張り付いて離れない
塵
それまで
ずっと黙って俺を静観していた麗が
口を開いた
麗
麗
麗
麗
急に何を言い出すんだ
そう言いたかったけど
手に持つナイフは
アサヒの鮮血で彩られていて
どうも歯向かえなかった
塵
麗
いかにも嬉しそうな顔で
麗は俺に近づく
麗
麗
麗
気持ちの悪い女だ
無性に吐き気がする
塵
塵
塵
塵
麗
麗
塵
塵
塵
俺は絶叫した
自分が、自分がアサヒを守り抜く、と
決めた…いや、
俺しかいない、と
確信していたのに……
相手の命の火は
いともたやすく消えていった
まるで、ロウソクの火が
薄く煙をたてて
そよ風にさらわれるように
麗
麗
麗
麗
塵
塵
塵
塵
塵
塵
塵
塵
麗
麗
麗
麗
気づいたときには遅かった
ふいに口をついてでた言葉だった
…言葉のチカラは強大である
その一言だけで、
麗は地獄に落ちた
麗
麗
麗
麗
塵
麗
麗
麗
麗
麗
麗
麗
麗
麗
「死ねばいい」
その一言で
やっと俺は我に帰った
現実に戻ってみると
自分が危険な位置に立たされている、
ということが
すぐに理解できた
麗
麗
麗
麗
麗
塵
塵
麗
麗は
整った顔立ちを限界までひきつらせ
まるで人ではないかのような形相で
俺を睨み付けていた
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ワロスwww
ワロスwww
ワロスwww