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中島side 震災から数ヶ月後。 新居に引越し、新しい生活を始めた。 しかし、俺と美波の職場が まだ環境が整っていなくて 自宅待機で生活している状態。

中島

美波ー?

美波

なにー?

中島

こっち来てー?

実は今日、付き合って3年目の記念日。 震災前から準備をしていた プロポーズをする日。 飲み物を両手に駆け寄ってきた美波。 一旦机に置いてもらい 意味わからずテレビをつけた。

美波

どうしたん?

中島

テレビじゃない。こっちだ。

美波

テレビ消す?

中島

うん。お願い

彼女にテレビの電源を消してもらい 俺のスマホで動画を流す。 彼女が動画を見ている間に 気づかれないように 花束と指輪を持ってくる。

美波

これ、大ちゃんが作ってくれた…え?うそ。

中島

僕と結婚してくれませんか?

あれから数日後。 ファン感謝デーのため 設備が整った球場に行くと ひとつ下の後輩に手を掴まれた。

宗山

指輪だ!左手の薬指!

大内

え?うそ。大輔さんマジっすか?

宗山

いつの間に結婚したんですか?

中島

いや、まだ婚約…

黒川

こいつまた喧嘩してるから。

大内

どんな喧嘩ですか?

黒川

部屋の中でバット振ったら壁凹んで怒られてる。

宗山

いや、何やってるんすか。そりゃ怒りますよ。

中島

あれは完全に俺が悪いです。

そんな話をしていると スタッフの方に紙を渡される。 内容を見ると ファン感謝デーの流れが書かれていた。

大内

今日彼女さん来るんですか?

中島

うん。来るって。

宗山

史陽さん見た事あるんですか?

黒川

あるで。めっちゃ美人さん。写真ある?

中島

うん。ほら。

宗山

え、めっちゃかわいい。

大内

学生時代めっちゃモテてそう。

中島

実際めっちゃモテてた。

黒川

まじ?

中島

うん。初めて会った時に一目惚れして、めちゃくちゃ告ったけど濁され続けたもん。

宗山

彼女さん見てみたいです。

大内

僕も。

中島

後で連れてこよっか?ファン感終わったあと。今日帰り待ち合わせするし。

大内

いいんすか?

中島

いいよ。あ、星龍このあとさ。

近くに通り掛かった内を捕まえ 今日の内容を洗いざらい聞いたあと 美波に俺がいるところの写真を送った。

美波side 今日は楽天のファン感謝デー。 久しぶりに球場に足を運び、 大輔のグッズを探していると 後ろから声をかけられる。

美波

あ、

古謝

ちょっと来て。俺、バレたらまずい。

古謝くんに着いていき スタッフの方しか通れないところまで 足を運ぶ。

美波

ここ、私入っちゃっていいの?

古謝

許可取ってるから大丈夫。それに、大輔のファン多いし余計に火に油注いだらやばい。

美波

今までバレたことが…

古謝

今のところはね。あと、ちょっと聞きたいことがあって。

美波

ん?

古謝

大輔の様子がちょっとおかしいんだけど、なんか知ってる?

美波

なんだろ、今日1日ですか?

古謝

うん。ていうかココ最近なんだけど。

美波

言われてみれば、たしかに…多分、今マイナスに考えちゃう時期に入っちゃってるかもです。

古謝

え?

美波

大輔、年に2、3回あって、何もかも嫌になっちゃうんです。多分今その時期なんじゃないかと。

不意に後ろから 私の名前を呼ぶ声がして 振り向くと大輔が驚いた様子で立っていた。

中島

なんでここおるん?

古謝

俺が連れてきた。大輔のファンに叩かれたら困るでしょ?

中島

それはそうだけど、

古謝

大輔悩みでもあるん?

中島

なんで?

美波

さっき、古謝くんから最近様子がちょっとおかしいって相談受けて。

少し考え込んだだいすけを見ると 心当たりのあるような表情で 口を開く。

中島

そんな大したことじゃないけど、

美波

大輔、呼ばれてる…

スタッフさんが ドアの向こうで呼んでおり 少し気まずそうに向かって行った。 残された私と古謝くんは その場で話の続きをする

古謝

なんとなくわかったような気がする。

美波

私も

古謝

美波ちゃんも大輔に対してなんか不満とかないの?

美波

不満とかはないんですけど、モヤモヤが…

古謝

嫉妬?

美波

多分?

古謝

原因ってファンの多さ?

美波

そうかも。なんか、私よりもいい人がいるんじゃないかって思ってて。

古謝

まぁ、さっきみたいな態度とられたらそりゃそうだ。

そんな話をしていたら廊下の端から 大きな声が届いた。

山田

え?だれだれ?

古謝

あ、大輔の彼女です。外いたら大変なことになるんで、スタッフさんに頼んで中に入れました。

山田

あ、いつもお世話になっております。山田です。

美波

こちらこそお世話になってます。中澤です。

山田

最近どうなん?

古謝

さっき聞いてたら、大輔がナヨナヨしてるのと、そのせいで彼女さんが大輔に対して嫉妬って言うかモヤモヤしてるらしいです。

山田

あいつダメだわ。俺が言っとくから気にせんとって。

古謝

遥楓さん、大輔の話彼女さんに流したいんで、僕も着いてっていいですか?

山田

いいよー。大輔次終わったら休憩やし、休憩室行こ。

古謝

美波ちゃんもおいでよ。OK貰ってるから。

美波

ありがとう。

山田

あ、関係者のネームのやついるよな。ちょっとここで待っといて。

少し待っていると 関係者の文字が書かれた タグを受け取り2人の後を歩いた。

古謝くんと山田選手について行くと 何やら部屋が楽しそうな雰囲気になる。

大内

あ、大輔さんの。

宗山

大輔さんと同じ指輪だ!

古謝

ここ良かったら座ってどーぞ。

山田

ほんとに自由に使っていいから。

選手の声に圧倒されながら 勧められた席に座った。

美波

これ良かったらみなさんで召し上がってください。

宗山

え?いいんですか?ありがとうございます!

大内

大輔さんいいなぁ

山田

裕季也ー!大輔どこー?

伊藤

知らんて。覇気ないから存在感薄いんすよアイツ。

古謝

なんか、騒がしくてごめん。

美波

いえ、お構いなく…

大内

日常茶飯事なんで。あ、

美波

え?

肩に重みを感じ見上げると 大輔が私を見下ろしていた。

中島

ちょっと横寄って?

美波

あ、うん。

大内

大輔さんどうしたんですか?いつもと違いますよ?

中島

そんな大したことじゃないから大丈夫。

古謝

「大したことじゃなかったらそんな顔しない」って顔してるで。美波ちゃん。

美波

仰る通りです。

宗山

あ、大輔さん指輪どこですか?

中島

え?バレたらまずいからネックレスに通して服で隠してる。今日寒いし。

美波

今日暖かいよ?

中島

ねぇ、今気づいた。なんで足出してんの?変な男捕まるじゃん。

美波

ロングブーツでそんな出てないじゃん。

中島

いや、あかん。こいつらに取られる。

大内

いや、大輔さん。僕らそんな趣味ないです。

古謝

あ、でもほら。大輔だってフラフラしそう。

宗山

たしかに。ていうか、このお菓子美味しい。

この服でうろつくのが分からないらしい 大輔がロッカーから服を引っ張り出し 私の足に掛けた。

中島

ほんまに彷徨かんとって。この格好で。

古謝

でも、大輔モテるじゃん。美波ちゃん不安やって。

中島

いつ?

古謝

さっき言ってた。

宗山

そりゃそうっすよね。ファン多いし。

中島

俺、美波しか興味無いし。

宗山

好きとか伝えてるんですか?

中島

伝えてる。ねぇ?美波。聞いてる?

考え事をしながら 窓の外をボーッと眺めていると 肩を叩かれる。

美波

ごめん聞いてなかった。何の話だっけ?

中島

おれは、美波しか興味ないって話。

美波

でもさ、ファンの方に愛想振り撒いてるじゃん。仕事やってわかってるけど。

中島

しょうがないじゃん。それは。

美波

知ってる。わがままっていうのも理解してます。

大内

でも、モヤモヤ残るんですよね?

美波

はい。頑張って納得します。それじゃ、私お暇させていただきます。お仕事の邪魔になっちゃ行けないので…

山田

もう帰るん?

美波

まだ、ゆっくり見て回ろうかと。

大内

お気を付けて。

宗山

大輔さんなら任せてください。

古謝

お菓子ありがとう。

美波

いえ、お気になさらず。大輔これありがとう。

中島

うん。終わったら連絡する。

美波

わかった。怪我しないようにね。

中島

うん。

少し気まずさが残る中 外に繋がる廊下を歩き始める。 今後のため大輔の負担にならないように 考えを改めようと思うのだった。

中島side 美波が出ていった後。 すごい後悔の波が押し寄せる。

古謝

まぁ、美波ちゃんの考えもわかるよ。俺は。

宗山

大輔さん、愛が重めなんですね。嫉妬深いって言うか。

大内

なんか、彼女さん追い詰められてる気がしたんですけど大丈夫なんですか?

中島

多分大丈夫だと思う。

周りが一斉にため息をつかれる。 そんなことよりも 今の自分自身が考え込みすぎて 彼女どころじゃなかった。

山田

さっきから聞いてたら、彼女さんのこと二の次でしょ?

中島

なんでわかるんすか?

宗山

今の大輔さんの中で1番ってなんですか?

中島

野球。

古謝

遥楓さんどうしましょうか?このまま行ったらやばいですよ。

山田

これから家庭持つんやからね。色々責任ついて回るけどいいの?

中島

それはわかってます。

宗山

難しいですね。

山田

お互いが妥協しなきゃやってらんないよ。

古謝

美波ちゃんって儚いよね。どっか行きそうな気がする。

大内

大輔さんも儚いですよ。お互いが別々の方向に行きそうな気がして。

中島

それは嫌だ。

古謝

相談することはしてるの?

中島

してる。お互いの家の人には挨拶してるし、家は今のままで入籍は明後日する。

宗山

俺、彼女さんのウエディングドレス着てる姿見てみたいです。

大内

僕もです。絶対似合いますよね。

中島

あ、それだ。

古謝

え?

中島

美波が悩んでるのわかったかも。ていうかこれ、俺が悪いわ。やばい。

大内

なにがですか?

古謝

もしかして結婚式の内容全部丸投げ…?

中島

結婚式じゃなくてフォトウェディング。

数日前にその話を美波から聞き 何も手を出していなかった。 このままだと全て丸投げになるため すぐに美波に電話をかけた

あれから数ヶ月後の 春の訪れが感じられる頃。 海が見える道沿いにやってきた。

中島

美波?

美波

ん?なにー?

中島

その荷物持つから貸して?

美波

ありがと。助かる。

今日はフォトウェディングの撮影日。 綺麗な青空が広がる中 美波が持っていた楽器ケースを受け取る。 指定の場所に荷物を置いて それぞれ着替えを済ませる。 指定の場所に行くと まだ美波は終わっていない様子だった。 しばらく待つと後ろから声をかけられた。

中島

めっちゃ綺麗。写真撮っていい?

美波

え?今から撮るのに?

中島

うん。俺のスマホでも撮りたい。

スマホを取りだして ウエディングドレス姿の美波を撮る。 続けて本題であるカメラマンさんに 写真を撮ってもらった。

中島

ねぇねぇ。

美波

なにー?

中島

大学の時のさ、俺の応援曲吹いてよ。

美波

最後の試合のやつ?

中島

そう。

美波

どんな感じだっけ…

少し考え込んだ美波は 思い出したかのように メロディを奏ではじめた。 海のように広く優しい音が広がる。 そんな彼女の姿を見つめた。 美波が持っていた花束の中には 小さく揺れる ハーデンベルギアの花のように 彼女の姿は上品で優しく映し出されていた。

ハーデンベルギア

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