ガタンガタン…
ガタンガタン…
プシュー…
太宰
太宰
中也
太宰
学生が登校する朝の電車。 何時もと同じ一番前の車両。 何時もと同じ端の席。
見慣れた景色には、何時も決まってあの子が居る。
電車に乗る人の顔なんて一々覚えないタイプだが、茶髪に黒い帽子、そして赤いセーターと、中々派手な見た目をしているため、厭でも覚えてしまったのだ。
太宰
太宰
名前も知らない、ただ電車が同じなだけの人。
なのに不思議と、目が離せなかった。
ガタンガタン…
ガタンガタン…
プシュー…
あの子は、私より先に電車を降りる。
でも、下校の時は逆に私の後から乗ってくる。
中也
中也
太宰
あの子は、下校の時には決まって顔に傷を付けて電車に乗ってくる。
喧嘩だろうか。
太宰
太宰
毎日傷を付けてくることには違和感が湧くが、考えても仕方ないので、開いたままの単語帳に意識を向けることにした。
ガタンガタン…
ガタンガタン…
プシュー…
中也
太宰
下校時刻。今日もあの子は何時もと同じ席に座った。
でも…
太宰
何時もなら頬に一、二枚絆創膏が貼ってある程度だが、今日は両頬、おでこ等、顔が埋め尽くされるくらいのガーゼを貼っている。
太宰
太宰
あの子はずっと、感情が読めない顔をしている。
ただ、其の綺麗な青い瞳で、呆然と窓の外を見詰めていた。
太宰
太宰
中也
太宰
中也
太宰
中也
初めて目を合わせた。
きょとんとした顔で此方を見る彼の目は、やはり綺麗な色をしていた。
太宰
中也
太宰
中也
中也
太宰
確かに、喧嘩強そうだし、この子の学校ら辺では有名な人なのかな…なんて失礼なことを考える。
中也
中也
太宰
初めての会話。 褒め言葉。
嬉しい所は沢山あったけど、
太宰
彼の笑顔は、莫迦正直に云ってしまえば、
『気持ち悪い』と思った。
コメント
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あ、は、ぇ??? うん、好きすぎます……ストーリー自体もう好きなんですけど、おの、なんかこう、、表現の仕方が好きすぎますッ、