青心情
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ずっと前から
ちっちゃい頃から
ずうっと、僕は
空を飛んでみたかった
ずっとずっと、憧れだった
でも、無理だって思ってた
"カレ"に、出会うまで
騙される方が悪いんじゃん?
ただぼんやりと、茜色に染まる空を見上げる
"行ってみたい"
"飛んでみたい"って
?
こんなところで何してるんですか?
ぼーっとしていたところ、知らない人に声をかけられた驚きで
びくりと肩が震える
驚きを隠せないまま、横に視線を向ける
そこには、すらりとした桃色の髪の男の人がいた
青
誰、ですか……?
桃
オレは桃
桃
悩みと願いが多そうなキミの願いを
桃
仕方なく叶えに来たんだよ
数秒間、言葉の意味が分からず意味を理解するのに、少しだけ、時間がかかった
青
えっ?叶えに来た……?
桃
オレは天使だよ ニコッ
彼は、整った笑顔をこちらに向ける
青
てん、し……?
桃
一つだけ、なんでも願いを叶えてやるよ
なん、でも……
青
……空
桃
空……?
青
空、飛んでみたい
桃
……ふぅん、いいよ
青
…飛べるの……?
桃
当たり前じゃんw
桃
オレ、天使だよ?
桃
で、低い場所か、高い場所
桃
どっちがいい?
低い場所…高い場所
高い場所は怖い……けど、行ってみたい、かも……
青
高い場所、がいい……かも
桃
りょ~かい
桃
んじゃ、いくか
青
…うんっ!
全部知ってたよw
桃
じゃ~これ持って
青
分かった
桃
じゃあ、
イってらっしゃい
サヨウナラ
アオくん
とんっ
ひゅうっ
自分の堕ちる音だけが、静かに響く
……?最後の彼の言葉"サヨウナラ"という言葉と僕の名前を呼んだことに、不信感を覚えた
青
なんで……?
僕の手には、握られていたはずの飛ぶための"ドウグ"が無かった
騙される方が悪いんだよ
いる訳ないじゃん