元ヤンキー、陰キャになる

起きるとそこは病院で。

いつ助けられたかなんて分からない。

誰が助けてくれたんだろ。

あぁ···つかれた。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ｻﾜｯ

ﾊﾞｼｯ

ﾋﾟｼｬｯ

ｷﾞｭｯ

ケーちゃんが泣いたところ初めて見た。

なんか、嬉しい。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ﾊﾞｯ

食べ物の匂いを嗅いだら、あの時の光景が浮かんでくる。

汚くて、臭くて、不味いものを飲まされる。

嫌だ。

いやだ。

いやだ。

気持ち悪いものを全て吐き終え、担当医の先生がやって来た。

先生は怒らずに、吐いた後の始末をしてくれた。

あの人達とは違う。

優しい。

こんな俺には必要ない物なはずなのに。

ちょっと嬉しくて。

楽しくて。

ずっとこんな生活がいいなって思ってる。

ちょっとずつ、トラウマを克服していきたい。

みんなともっと居たい。

こんな俺でもいいなら。

みんながいいって言うなら。

俺はずっと傍に居るよ。

でも、それは難しそう。

トラウマを克服出来るなんて···無理な話なんだよね。